東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅を下車すると、東京スカイツリー方面へと歩いた住宅街の中に湯どんぶり栄湯がある。
その名の通り、どんぶりのように設備が豊富で味わい深い銭湯だった。
【湯どんぶり栄湯】をザックリいうと
◎水風呂、露天風呂あり
・家族経営の銭湯
・手作り広告が面白い
・タトゥーは可だがお願いも
▲三ノ輪駅
▲ここは出口3
▲改札口をでてすぐ左
▲しばらくまっすぐ行く
▲ここらへんでスカイツリーがみえてくる。写真だと小さいが
▲肉眼だと大きくみえる
▲途中ある地図。右から来てて、まっすぐ左にむかう
▲目の前の横断歩道を渡る
▲すると突然、どっかで見たことのある背中が…
▲おい、あんた!
▲や、矢吹ジョーじゃねぇか!
とわざとらしく書いてみたが、ここは「あしたのジョー」の舞台となった場所(山谷)らしい。
三大ドヤ街の一つだが、歩いている限りだと、それほどドヤ街らしさは感じなかった
▲ここの左道を行く
▲ここでストップ
▲スカイツリーが真っ正面にみえる
▲右を向くと天ぷら屋さん。暑い中、けっこうな人が並んでいた
▲どんぶりは左
▲ここで立ち止まると
▲右
▲すると湯どんぶり栄湯がみえてくる
▲開店前に到着。ホームページの案内では三ノ輪駅から10分とあるが、正直10分で来られる人は健脚自慢ぐらいだろう。
個人的には最低でも15分ぐらいは見積もりたい距離である
▲後ろに煙突がみえる
▲なんと店の前に駐輪場まで確保
▲入る前から期待を高めてくれる
入り口に入ると、いろんなポスターが張ってある。
入り口2カ所に小さな券売機があって、ここでチケットを購入。表示は分かりやすい。
扉を開けると、右手にフロントがある。受付に座るのは、30代ぐらいの女性。背中には赤ちゃんをおぶっており、肝っ玉母さんといった感じだ。この時は入浴客の女性と世間話に興じていた。
貸しタオルのチケットも一緒に出すと、下駄箱の鍵を出してくださいと言われる。タオルには番号が振られてあった。
奥に進むと、左が男湯で、右が女湯。その女湯側には、無数のサインが貼られてあった。ここは芸能人や有名人がよく訪れる場所のようで(自分は知らない人ばかりだったが…)、テレビでも何度か紹介されてるみたいだ。
のれんをくぐると脱衣場で、パッと見よくある作り。
すぐ左手にマッサージチェア、真ん中に座るテーブルがあって、奥と左側をL字にロッカーが並ぶ。
ロッカーは、コインリターン式で100円を投入するもの。
それと周りには広告や掲示物が並び、手書きの掲示物はほかの銭湯にはない親しみやすさを感じる。
ほかに細かいところだと、コンセントがふさがれてあって、使用料100円とある。スマートフォンなどを充電したい人は便利だろうが、その場を離れられないため使い勝手は微妙か…。
ドライヤーも有料(20円)である。
服を脱いで浴室に入ると、ビル銭にしては少し広い印象。ただ、やはり天井は低い。
真ん中に島カランがあって、左の壁にもカラン。
右側は浴槽で、手前に立ちシャワー(ここではレインシャワーと命名。残念ながら一部壊れたままだった)、その隣が水風呂。温度は24℃を示していたが、それにしてももう少し冷たいような気がした。
その水風呂の隣が主浴槽となる白湯で、L字型に並ぶ。手前からエステジェット、座湯、突き当たりがミクロバイブラで、今度は左に電気風呂、寝湯である。こちらの温度は、41.5℃。
出典:東京銭湯ホームページ引用
ちなみに、ここは「天然温泉」とあるようにシャワーから湯船まで温泉を使用している。
しかし、見た目はどうみてもふつうの水(お湯)で、地下水を汲んで使用してるらしいのだが、その成分を調べたところメタケイ酸(化粧水に使われる成分)などが検出されて、温泉と認められたようだ。
なので、正直、温泉と言われなければ分からない温泉だった。
そして、ここの最大の売りが露天風呂だろう。
露天風呂の入り口左側には、薬湯(漢方)があって、2人ほどが入れればいっぱいになる広さ。
出典:東京銭湯ホームページ引用
奥に足を運ぶと通路があり、左側にサウナ(有料200円)。サウナの隣に、最新式のレインシャワー。こちらは入り口横と違って使用感が最高だ。
出典:東京銭湯ホームページ引用
右に進むと露天風呂。この通路が一見すると板張りに見えたので、一瞬、体を拭かなきゃいけないのかと思った。
ところで、その入り口前にはタトゥーに関する店側の方針が示されていた。
昨今のタトゥー批判に関する経営者の判断なのだが要約すると、
創業70年間のあいだに刺青を入れたお客様とトラブルになったことはなく、最近は刺青の人は立ち入り禁止のお店が増えつつあるとはいえ当店はタトゥーを入れた人でもOKです。
ただし怖がる人もいるので、あまり怖がるようなことはしないでくださいネ
といった内容のことが書かれてあった。うろ覚えの要約なので、これが店の正式なコメントと受け止めてもらわないで欲しいのだが、ようするにこんな感じである。
最近はなにかと刺青を入れた人を敵視する主張がインターネットで飛び交っているが、若い経営者らしくそうした批判に対して敏感に反応したのだろう。
このような方針は個人的にも賛同で、経験的にもタトゥーを入れた人から不快な思いをしたことがないので、イメージ先行で排他的な風潮はあまり良くないのではないかとすら思っている。
ただ実際に不快に感じる人もいるので、そうした人たちの気持ちを尊重してどう判断するかは経営者として難しいところだろう。
話を戻すが、通路の先を行くと露天風呂である。室内と比べると非常に贅沢な空間を確保しており、入った瞬間に開放感を感じる。
めちゃくちゃ広いわけではないのだが、外気浴のスペースをしっかり確保しており、露天風呂自体も一般の銭湯にしてはけっこう広い。
しかも面白いことに、なんと露天風呂の中に壺湯が2つ設置してある。
出典:東京銭湯ホームページ引用
露天風呂は、微細音波によるシルキー風呂で、壺湯は白湯。
壺湯自体は小振りであるが、こうした露天風呂ははじめてなので驚いた。
温度は、少し低めで40℃ぐらいだろうか。天井部分は、金属製の簀の子のような形で覆っており、雨は防げないものの、日差しは遮ってくれる。近くには、銭湯の煙突もみえる。
それとここは、太陽光発電でお湯を沸かしているらしく、そのあたりは銭湯業界の先駆者らしい。
このように全体的にみると時代の潮流を先取りしようとする意欲に満ちており、なかなか面白い銭湯だった。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 三ノ輪
経路 スカイツリーを目指す
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 ビル型
壁画・眺望 富士山
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう
★設備
休憩所 フロント横、脱衣場
脱衣所 きれい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 ジェットバス、座湯、ミクロバイブラ、電気風呂、寝湯、薬湯(漢方)、露天風呂、壺湯
サウナ
温度 41.5℃、40℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 とてもよかった
清潔さ きれい
貸しタオル あり(30円と100円)
備え付け あり
◆人
受付 30代の夫婦
客層 高齢者、中高年、親子組
【案内】
住所
〒111-0021
台東区日本堤1−4−5
電話番号
03-3875-2885
アクセス
東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅下車、徒歩10分
休日
水曜
営業時間
14:00−24:00
日曜、祝日は12:00から営業
※東京銭湯ホームページ転載