銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

一の湯(東京・沼袋)

2021-03-06 06:35:00 | 銭湯
#一の湯





西武新宿線
#沼袋駅
▲沼袋駅


▲路線図はこんな感じ



私事で大変恐縮なのだが、今回はここまで来るまでかなり大変だった。
経路をたどると、
JR横浜線・新横浜→東急東横線・菊名→東京メトロ副都心線・渋谷→東京メトロ副都心線・新宿三丁目→東京メトロ丸ノ内線・中野坂上→都営地下鉄大江戸線・中井→西武新宿線・中井→西武新宿線・沼袋と、途中で自分が今どこにいるのか見失うほどだった。




▲こんな遠いのに、何となくの気分で来てしまった…


▲北口に降りよう








▲改札口


▲改札口を抜けて


▲左折


▲夕日がまぶしい


▲進むと


▲ここでストップ


▲右を振り返ると、来た道の右側にもうひとつ道がある


▲思い出マグロというお店の左側の道に進むと




▲奥に一の湯がある




▲左にまわったところ


▲全景。いろんな政党のポスターが張ってある。いかにも銭湯らしい景色






▲到着


▲中に入ると、こんなパネルが。真ん中にはなぜかくまモン


▲右には自動掃除機。おそうじ大吉くんと名付けられていた。これが動いていると、足元がちょっと邪魔なような…。しかし入り口から遊び心満載である


ここが意外だったのは、10年前にリニューアルしているのに、なんと番台形式だったことだ。
リニューアルしてもなお番台なのは、自分が知る限りここが初めてかもしれない。やはり番台へのこだわり(メリット)があるのだろう。
客の立場でも思うのだが、人の目でしっかりと管理する姿勢は必要なのかもしれない。昨今のプライバシーの問題と相克するけれども。
そんな前置きはさておき、右の扉を開けて中に入ると、受付を覗いたら誰もいない。あれ?と思いながら、声を掛けようか逡巡していると、60代前半ぐらいの女性がそのタイミングでやってきた。
ここはSuicaも利用できるらしく、財布からSuicaを出すと、光の早さで端末にスイッチを入れてくれた。手際の良さから利用頻度が高いようだ。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると、「小さいのでしたら2枚お貸しできますが?」と言われた。無料で2枚! サービスが厚い。
ただお店に無駄な負担は掛けたくないので、「1枚で大丈夫です」と1枚だけ貸りることに。しっかり洗剤の匂いがして肌触りも良く、質が高い。お金を出しても感心するレベルである。


先ほども述べたとおりここは番台であるが、脱衣場スペースと休憩所スペースが一体となっていて、スーパー銭湯とも一般の銭湯とも違う面白い作りである。
受付の目の前には長いすとテーブルが並び、ほとんどの入浴客がパンツ一丁で新聞を読んだり、ビールを飲みながらテレビをみてたり、まるで自宅のようにくつろいでいた。
その横にドレッサーと洗面台がある。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲おじさん達の憩いの場になっていた


右奥に進むと左右にはロッカーが並ぶが、こちらもかなり変わっている。
右側手前は常連客用の私物置き場で、ものすごい数の桶がビッシリ置いてあった。壮観ですらある。
その奥側がロッカーで、ロッカーの上にはかなりの漫画本がズラリと並び、熱心に漫画を読んでる人たちがいた。
さらに脱衣場スペースの真ん中には、全面ガラス張りで中が見通せる形の喫煙所がある。その喫煙所の奥に小さいながら中庭があった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲写真だと一段しかないが、訪れたときは二段か三段重ねで、マンガ喫茶かというぐらい漫画本が積み重なっていた


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯のみ。客がいらない服を持ち寄って、別の客がほしければ持ち帰るというもの


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲喫煙所の奥にある中庭

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲これは見逃してしまったが、軟水と硬水が持ち帰られるらしい


こんな感じで、初見からするととにかく色々あってビックリした。
また人がめちゃくちゃ多いせいか、建物自体は綺麗なのだが、かなり賑やかで雑多感がある。店主の女性は時間をみつけてダスキンを掛けていたが、一部で床が濡れたままになっていた。


浴室の扉を開けると、スペースは意外とそんなに広くないという印象を受ける。真ん中には、島カランが2つ並んでいた。
左の壁にもあるが、右壁はなし。
島カランの右端のみハンドシャワーで、あとはぜんぶ固定シャワー。
手前左側には立ちシャワーがある。
立ちシャワーもハンドシャワーと固定に分かれてて、固定側は2つのプッシュボタンがあり、どれがコールドでどれがホットなのか不明だった。
使ってみたところ、手前(右)が水で、奥(左)がお湯だ。表記してくれないと一見さんには分からない。
カランは少し高い位置に作られているので、慣れないと使ってて違和感があった。お湯が体にぶつかると周辺に跳ねやすく、まわりにも気を使ってしまう。


浴槽は奥にあって、一つの湯船である。リニューアルしても、ここでもやはり古いタイプにこだわってるようだ。
湯船の左側に座湯とハイパージェットが並ぶ。真ん中がミクロンバイブラと岩盤石。いろんな鉱石を砕いて焼き固めたもので、赤外線やマイナスイオンが出るらしい。
最後に右端がホットバス。
ホットバス??
最初はなんだろコレと思い、ボタンを押すと(押すのボタンが逆さまだった)すぐに反応しないのだが、そのうちに肩ほどの高さにある両脇から、ゴボゴボと音を立てて熱湯が吹き出してきた。手で触れるとめちゃくちゃ熱くて、たぶん50度ぐらい。
とはいえ混ざってしまえばそんなに熱くなく、追い焚き機能みたいなものか。
なんの果物か分からなかったけれども、柑橘類のかなりデカいの(ボンタン?)がいくつもプカプカ浮いていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲富士山に鶴のタイル絵。大胆な構図が目を引く


最初はこれだけなのかな?と思って入り口に戻ると、入り口右側になにやら秘密の通路のようなものがみえた。
奥に進むと、その通路左側にはミストサウナがある。
中に入ると、凝った椅子が対面に並び、ミストの量が半端なく多い。天井から吹き付けてるらしく、スペースはそんなに広くないのに奥がうっすらとしか見えない。しかもかなり熱い。一般の銭湯にあるような暖房レベルではなく、全身が熱気に包まれるので気持ちいい。


さらに通路の正面奥にも扉があり、こちらは露天風呂だ。こんな駅前にあるのにしっかり広さも確保されていて、雰囲気もあってもとても良かった。
作りは岩風呂で、詰めれば5人ぐらいは入れる広さだろうか。熱さは41度前後とややぬるめである。
天井は日差し防止の簾(すだれ)が敷いてあるが、真ん中は四角い窓が開かれているので青空を仰ぎ見ることができる。外気浴用の腰掛けもあるので、そこで体を冷やすことができた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲奥にある小さな庭の演出も洗練されて
凝ってる


最初は室内だけを見たときに、なぜこんなに人気があるのだろうと思ったが、全体を眺めると色々な仕掛けが多く、きめ細かい気遣いが見て取れる。人気なのもすこぶる納得である。


一方で、入浴客はマナーに関してあまり良くなかった。
カランに私物が置きっぱなしだったり、露天風呂では床に座って唾を吐いてるなど、ほかの銭湯では見られない振る舞いが散見された。


ここは入り口横に表彰状が吊されており、アットホームな銭湯として評価されているらしい。
たしかに店主の対応やサービスの質はとても素晴らしく、客のくつろぐ姿をみると、第二の我が家という感じがした。
古い形式を踏まえながらも最新式のアップデートも試みており、なかなかユニークな銭湯だった。




【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 沼袋
経路 北口駅前
周辺の環境 飲食店

●空間演出
建物外観 近代的な建物
壁画・眺望 タイル絵
統一感 あり
置物 漫画本
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、ハイパージェット、ミクロンバイブラ、ホットバス、露天風呂
サウナ あり
温度 42、3℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 素晴らしい
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 60代の女性
客層 多彩な年齢層


【案内】

住所
〒165-0025
中野区沼袋1−39−10

電話番号
03-3386-2836

アクセス
西武新宿線「沼袋」駅下車、徒歩1分

休日
水曜

営業時間
16:00−25:30
日祝は15:00−25:30

※東京銭湯ホームページ転載