今回防衛費の増額に「外交で」と発言している無責任で無知なコメンテーターが多々いるが、孫子は「兵は国家の大事なり」と言っており、近代兵学の祖クラウゼビッツは「戦争は外交の延長線上にある」と言っており、ビスマルクは「外交とは右手で握手、左手にダガー(両刃の短剣)」と言っていることもご存知ない。外交は武力(軍事力)の裏付けが無いと片手落ちである。それで良くコメンテーターをやっていられるものだ。テレビ局の考えと一致するからだろうが、テレビ局の上層部ももう一度政治学の基礎からやり直したほうが良い。
また何かにつけ「スイスが永世中立国だから」と寝言を言うバカものがいるが、スイスは国民皆兵の国ということは発言しない。「スイスが永世中立国だからバチカンの警護をしている」などと寝言を言っている輩がいるが大きな間違いである。スイスは山国であり現在と異なり昔は産業がなかった。故に男は傭兵として出稼ぎにヨーロッパ中に出ていた。スイスの傭兵はウィリアム・テルに代表されるように強兵であった。そしてある時同じ村の傭兵同士が敵味方になった。この時最後までこの同じ村の傭兵は戦い双方全滅した。故に忠誠心も高いと言うことでヨーロッパ中から引き合いがあった。イタリア統一の戦闘の時最後までバチカンを守って全滅したのはスイスの傭兵部隊だけだった。故に現在もバチカンはスイス・ガードを採用している。その全滅した村の出身者を中心に。格好はピエロみたいなスイス・ガードもその装備は最新鋭の武器で武装されている。
また第二次世界大戦時ドイツと国境を接し進攻されなかったのはスイスだけだ。決して永世中立国だから侵攻しなかったわけではない。非武装中立のベルギーやルクセンブルク、スゥエーデンは侵攻されている。武装中立国で国民皆兵のスイスは傭兵が一時代前まで主な産業だったため、ヒットラーも山岳戦の不利を考慮し進攻しなかったというのが、現在の世界の常識である。ベルギーもルクセンブルクもスゥエーデンもこの時の「非」を改めて現在は武装中立国となっている。日本の平和ボケの方々だけが「永世中立国だから侵攻しなかった」と言っているが明かな寝言である。
現在一般市民で対空機関砲を所有できる国はこのスイスだけだ。普通の家屋の屋根が開き対空陣地となるのは国民皆兵のスイスだけである。