社会科学上の不満

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狂信者に対して

2013-01-26 00:01:01 | 社会常識と教育

 1900年代末どなたか忘れたが「20世紀は戦争の世紀、21世紀は宗教の世紀になるだろう」と予測された方がいた。確かに世界大戦は起こり難い情勢だ。皮肉にも核兵器やその他大量破壊兵器の存在がお互いを牽制しあう状況となっている。バラスオブパワーで均衡している。しかし宗教的過激派は後を絶たない。竹の子のように出現する。現在目立つのがイスラム原理主義者のグループと言うだけで、キリスト教にもヒンドゥー教にも仏教にも原理主義者は存在する。ある意味共産主義もその一つかもしれない。まだ多神教をベースとするヒンドゥー教や仏教などの方が、「異教徒は殺せ」と言う過激な原理主義者は生み難い。

 社会的な倫理観が宗教的倫理観から独立できていないことにその原因がある。中国共産党がチベットや新疆ウィグル問題でよく口にするのが、「毛沢東の遠征がなければ、未だに原始的な拘束から開放されていないだろう」と。これはその地域その時代では正しい認識だと思う。が、先進国には適用できない理屈である。これらの国では、盗みを働けば手を切断されたり、女性が不倫を行えば手だけをミイラ化されたり、鍋をテーブルに置く位置が異なれば死刑だったりと、因習に塗れていた。これらの因習を一掃するのには宗教を認めない共産主義は都合が良かった。

 宗教的因習に塗れている地域に先進国の常識は通用しない。この地域にはソ連と言う軍事力がドッカリ乗っかっていたから、問題が表面化しなかったと言う皮肉がある。そのソ連が、共産主義が内部に抱える矛盾(性善説と労働価値主義だと私は認識している)で崩壊すると、独立した。また押さえが効かなくなった、国とも呼べない地域勢力となる。その大半が中央アジアでありムスリム(イスラム)圏であった。

 冷戦時代は空軍力や海軍力の強化が求められたが、21世紀は警察力を内包した陸軍力が有用になってくる。治安維持能力である。その証拠に戦闘機が1世代移行すると言われるこの30年間に、装甲車や兵員輸送車、戦闘ヘリ、個人装備は2世代から3世代進歩した。進歩のペースが速いのだ、それだけ需要があるということだ。

 このような原理主義者(ムスリムだけではない)には、説得はムリである場合が殆どだ。殉教こそが自分が救われると思い込んでいる。そのような連中を説得とは、また多くの犠牲を出すだけである。誤解を恐れずに発言すると、狂信者は彼らの神の許に送ってやることが唯一彼らの救いなのである。

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