社会科学上の不満

政治・経済上の不満のハケ口(左翼出入り禁止)
外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

中東でムスリム宗派間の紛争激化か?

2016-01-11 00:00:21 | 外交と防衛

【カイロ時事】サウジアラビアからの報道によると、ジュベイル外相は3日、イランとの外交関係を断絶すると発表した。
 外相はその上で、サウジに滞在するイラン外交官全員に対し、48時間以内に国外に出るよう要求した。イラン駐在のサウジ外交官は、既に退去したという。
 イスラム教スンニ派の盟主を自任するサウジと、シーア派の大国イランが関係を断てば、中東各地で激化する両派の対立に一層拍車が掛かるのは避けられない。過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭で混迷する中東情勢は、さらなる問題を抱え込んだ形だ。
 断交表明は、テヘランにあるサウジ大使館や、イラン北東部マシャドのサウジ領事館がイランの群衆に襲撃された事件を受けた措置だ。
時事通信 1月4日(月)5時27分配信

 世界でシーア派とスンニ派とが共に同じモスクで礼拝しているのは日本のモスクだけだそうだ。それ程、ムスリム内の宗派争いは凄い。以前知人のトルコ人(スンニ派)がイラン人(シーア派)を指して「あいつら気違いだ」と言い放っていた。日本人がよく解らない世界である。

 せっかく米国の経済制裁が終了したイラン、ISで混乱する中東が更に混乱する。サウジの王家の一部がISに資金援助していたのが問題の根本か?民衆を煽り操作する道具として「宗教」は非常に便利なものである。が、終着地点を定めずにこの道具を使うと終わりなきドロ沼の情況に陥る。千年以上もこのような情況であるに未だ気付かないのか?それが当たり前の情況になっているのであろう。

 ムスリムの最大の欠点は、物事が上手くいかないと「インシャ・アラー(神の御心のままに)」と逃げることである。失敗の本質を分析し改善する態度に大きく欠ける。前述のトルコ人(日本在住)の知人が良く口にしていた。

 サウジ・アラビアはその名称が示すようにアラブ人の国であり、イランはペルシャ人の国である。民族が全く異なる。旧約聖書の時代から争っている。そして宗派の違いで争っている。忘れてならないことはイランが核保有国と言うことである。これは厄介な事である。

 イランVSサウジVSイスラエルと三巴の様相が中東の大枠であり、これにシリアやトルコ、イラク、アフガンなどなどが絡んでくる。最近はISなども絡んできた。石油の利権だけではないのである。

 米国が介入するか?これが大きな問題である。基軸通貨ドル=石油のOPEC体制を変える動きが米国にある。自国の油田採掘やシェールガス開発など、まさか金本位制に再び戻るつもりか?サウジやOPEC諸国のお守りにさすがに疲れたようだ。米国が「自由と民主主義」と言う国是とも言える概念と全く異なるサウジに肩入れするのは、ドル=金からドル=石油体制にしたためである。ドル基軸通貨体制を守るため中東に直ぐに介入するのである。

 米ロEU等の大国が介入しなければ、イラン・イラク戦争のように小競り合いをダラダラ続けるだけである。イラン・イラク戦争は約10年も続いた。その間、多くの孤児や難民が生じる。孫子やクラウゼビッツの言う「戦争は短期決戦がよい」とは長引けば民衆に要らぬ負担をかけるためだ。タレントのサヘル・ローズもイラン・イラク戦争の孤児だそうだ、故に彼女は戦争を人一倍憎んでいる。

  養母に非常に感謝しているサヘル・ローズ

 民衆に負担をかける宗教、本当に神の言葉か?コーランを省みてはどうだ?いやさすれば日本人のような無神論者は殺す事になるか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする