・・・よくぞ内容までふみこんでくださいました。
まずはそこに感謝を。
とても長い題名であり、難しそうな内容であり、どうかと思いましたが敢えてそのままにしました。
この会議は、
◇障害者自立支援法(平成17年法律第123号)と障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第 81号)をふまえ、障害者の雇用・就労支援に関し、雇用、福祉、教育等の関係機関の連携が極めて重要であること。
◇また北海道障がい福祉計画において定められた、地域における雇用、福祉、教育等の関係機関の連携体制を構築すること。
・・・といった目的から東胆振地区障がい者雇用支援地域合同会議として設置されました。(会議資料より抜粋させていただきました。)
簡単にいうと、障がい者の雇用に関しての地域の関係機関の連携と情報共有、普及啓発をしていこうというものです。
私が紙風船のセンター長に就任したのが昨年2011年8月。
当時は、地域合同会議のことは知らずにおりました。
2012年度になり、伊達市にある「胆振日高障がい者就業・生活支援センター すて~じ」さんから連絡をいただき、今年度構成機関として参加させていただいております。(私が存じ上げていなかっただけで、以前も紙風船は参加協力しておりました。)
参加構成機関は、この胆振地区、日高地区それぞれの地域で活躍されている福祉施設やハローワーク、行政の障がい者雇用担当者、そして教育分野からは高等養護学校の先生等、そうそうたるメンバーです。なにより、職親会を代表とする障がい者雇用を企業として支えてくださっている方々も参加されています。(今回も、苫小牧、門別、新ひだかの職親会からご出席されていました。)
福祉、教育、行政、雇用現場それぞれの立場からお話が聞ける貴重な機会です。
ただ残念なことに、このような参加者がせっかく集まれるものの、時間が足りずに話あいが途中で終わってしまう印象が残ります。それでも、お顔を合わせてご挨拶できたことで、今後直接ご相談等できるきっかけを作らせていただいております。
8月8日の会議では、
1)北海道におけるジョブコーチ支援の現状
2)東胆振地区ならびに日高圏域における就労支援事業所の取り組み(実践報告 3施設)
3)意見交換
がおこなわれました。
特にジョブコーチ(※)については、企業の立場から
「障がい者雇用について、企業側の立場にたってみてくれる貴重な存在」
「ノウハウのすばらしさ(養成研修をとおして)」という意見があげられ、もっと必要性があるのではないか、皆はどう考えているのかと問いかけられました。
私が感じた印象では会場にいる全員がジョブコーチの必要性を感じていたと思います。そういった意見も聞かれています。ただ現状、人数が不足していることが一番の理由としてあげられていました。ただし、報告の中では「ジョブコーチの人数は少なく『ジョブコーチ支援』は少ないかもしれないが、各就労支援事業所では『ジョブコーチ的支援(=支援の方法としては、ジョブコーチ支援同様のことをしている)』を行っている」とのことでした。
また、札幌市では独自に平成23年度より「ジョブサポーター制度」というジョブコーチとは別の認定制度があると紹介されました。特にこのジョブサポーターを活用して、以前から要望のあった養護学校の生徒さんたちへの「在学中からの支援」に役立っているそうです。不安定になりやすい移行期(卒業して就労へ・・・といったこの移行する時期)に支援ができることは、当事者・ご家族・もちろん企業の方にとって、とても意義のあることだろうと感じました。
(現在のジョブコーチ制度は、在学中からは利用できない。)
また別の意見として、ジョブコーチの活動をしている事業所から「信頼関係作りの大切さと実際の支援期間の短さによる大変さ」についてお話がありました。人数不足のことだけではない制度自体の見直しが必要な部分かと感じました。
就労へむけて、定着へむけてとい不安定になりやすい(当事者の気持ちも、企業側の受け入れる不安もすべて含めて)時期だからこそ、信頼関係作りが非常に大切であり、それには、ひとりひとり関わる時にある程度の時間も必要となること。その信頼関係の形成によって、うまくいくいかないが大きく左右されること。
現在の1号ジョブコーチ制度では、資格を持っている人がいたとしても、依頼があったときには自分の所属する施設の対象者だけではなく支援する必要があり、そうなると先の信頼関係作りに課題が残ることになります。(お互いをよく知らないままに、「信頼して一緒に歩む」としていかなければならない。技術の問題もあるかもしれないが、決してそれだけではないだろう。)
私は昨年紙風船にくる前まで、地域で暮らす精神・知的・発達の障がいをもつ方々の生活支援をおこなっておりました。その時も一番大切だったのは信頼関係づくりと「その人の生活にちょっとお邪魔する」という感覚でした。
いくら便利で簡単なやり方があったとしても、当事者にとってはただの選択肢のひとつです。その人がどうしていきたいか、どんなやり方があるか、新たなやり方を知っていくか、多少不便でもこれまでの慣れたやり方で安心して取り組んでいくかetc・・・それらは当事者本人の希望、体調、周囲の環境、緊急度合等々様々な視点で考え、判断や決断を尊重することが必要でした。
その時に支援者としてできることは、
☆その人が理解できるように情報を伝えること(=伝えたのに理解していない状況を、対象者のせいにしていないか?の点検。伝わるように伝えることが支援者の義務、という私のモットーです。)
☆寄り添うこと
☆尊重すること
です。・・・ある程度の、共に過ごす時間が大切だと思っておりました。
就労支援では、主役がふたりです。当事者と、企業と。
支援者に求められるものも幅広く、お互いの立場からになります。
どちらかだけに偏るのもおかしいですが、その時期・場面・状況に応じて「今の比重はこっち優先。でも次の状況ではこっち」など臨機応変さ、見極めの大切さ、それらを相手にわかるように伝えることが必要になるのでしょう。
紙風船は、まだまだこれからたくさんの学びをしていくところです。
メンバー皆の思いや考え・意見を聞き、企業の方々からも同様に聞き、スキルアップレベルアップめざしていきます。
ちなみに紙風船は、先述にもあったように定着支援(=就職後の支援)において「ジョブコーチ的支援」をおこなっております。もっと詳しく知りたい!と思われた方、ぜひご連絡ください。
いずみまさこ
※ジョブコーチ(職場適応援助者)支援とは?
障がいのある方、事業主の方に対して、就職できるよう、また、長く働き続けられるようにきめ細やかな支援を行うものです。
ジョブコーチは、会社を訪問して作業のやり方について助言したり相談に応じます。(当事者、事業主の両方を支援)
雇用の前後を問わず、必要なタイミングで支援を行い、障がいのある方が職場に適応できるような助言や改善の提案を致します。(障害者職業センター発行 「ジョブコーチによる支援のごあんない」より抜粋)