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『旧ザク』(ザクⅠ MS-05)【設定】

2021-04-19 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は、「ザクⅠ MS-05」について、です。


『ファーストガンダム版ザクⅠ』

私的に、
『ザクⅠ』=この『ファーストガンダム版ザクⅠ』=『旧ザク』
です。

では「オリジン版」は、というと、↓になります。


『オリジン版ザクⅠ』

いやあ、頭身からスタイルから何から何まで違うので、「見た目」的に別物です。
しかし、比較するのに差がありすぎても酷いので、『オリジン版ザクⅠ』デザイナーのカトキ・ハジメ先生の『ファーストガンダム版ザクⅠ』を提示してみます。


『ジオノグラフィー 黒い三連星専用ザクⅠ』

うーん、もとの画像が小さいからピンボケですねぇ。
せめて、「オリジン版」も「黒い三連星」にして、並べてみますか。



とりあえず、設定の相違から色が違う(オリジン版は「開戦前」、ジオノグラフィは開戦後「教導機動大隊」時か?)のは無視します。
だいぶ寄せられましたが、寄せられた故に、違いもハッキリしてきます。
「オリジン版」の方がマッシヴですねぇ。
肩幅は広いのに、左肩アーマーは小さい。お腹は丸い。
まあ、「お腹の丸み」は「ガンプラ HGUC 黒い三連星専用ザクⅠ」では、大分「丸い」解釈で造形されてますから、スタイルには目をつぶりますか。
モールドで言えば頭部の2線モールドも、ジオノグラフィ版は無いですが、これも「ガンプラ HGUC 黒い三連星専用ザクⅠ」には有るので無視で。
しかし、上腕のモールドや腹部の装甲は、無視できない程の完全な別物です。


(『赤丸の部分』がまったくの別デザイン。)

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)

設定について、まず明確なのが、『オリジン版ザクⅠ』。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式HPにおいて、『黒い三連星用』や『シャア用』いずれも『ザクⅠ』について、『初期量産型』と紹介されています。
『ファーストガンタム』上の『ザクⅠ 初期量産型』は、『MS-05A』。
つまり、『オリジン版ザクⅠ』は、『MS-05A』という事になります。
そうすると必然的に、『ファースト版ザクⅠ』は、『MS-05B』。

2つの違いとすれば『ファースト版ザクⅠ(MS-05B)』は、『オリジン版ザクⅠ(MS-05A)』に比べ、

①『前腕モールド本数が少ない。』
②『腹部装甲が簡略化されている』

という特徴があります。

①「モールドが少ない」=「装甲板の分割が大雑把になった」という事。
②も「装甲板」が簡略化している

と、共通した変更です。
つまり「MS-05A」から「MS-05B」への変更は、

①「細かい装甲分割では無い」=「装甲を細かく開放する必要性が減った」=「故障によるメンテナンス」がほぼ不要になった。
②「「装甲板」の簡略化」=「製造・組立て時の工程が減る」=「量産スピードが上がる」
③「装甲板の分割・細分化」=『実体弾の被弾時の衝撃を吸収』する設計から、『腹部(中枢)』のような重要な箇所等を限定して、「装甲板の一体・簡略化」=『装甲の剛性が強化』する設計へと装甲板への設計コンセプトを変えた。

見方を変えれば、

○「故障時のメンテナンス重視」だったMSが、安定してきたので、「量産スピード」重視に転じた。
○重要なパーツ限定で『衝撃分散設計』だった装甲板を『剛性強化設計』へ変更した。

・・・というところでしょう。

ただし「ファースト版ザクⅠ」の設定には、
「ザクⅠ実戦型「MS-05A」ロールアウト。総製造数は27機。」
という設定があります。
しかし、「オリジン版ザクⅠ」=「MS-05A」とした場合、「総生産数 27機」は描写を見る限り、少なすぎます。
「ルウム戦役」で登場する「デニム機ザクⅠ」「スレンダー機ザクⅠ」も「オリジン版ザクⅠ」ですし、言えば「オリジン」に登場するザクⅠは全て「オリジン版ザクⅠ」でしょうから。
そうすると、「ファースト版ザクⅠ」の設定にある
「ザクⅠ改善型「MS-05B」ロールアウト。総製造数は793機。」
のうち、半数くらいは「オリジン版ザクⅠ=MS-05A」と同じ装甲板を使った、外見は「MS-05A」と同じ中身だけ改善された「MS-05B」というのが存在したのかもしれません。

『マスターアーカイブ モビルスーツ MS-06 ザクII』によると、


『マスターアーカイブ モビルスーツ MS-06 ザクII (マスターアーカイブシリーズ)GA Graphic・著』

ザクⅠ「MS-05A」と「MS-05B」の違いは
「外見上に大きな差異は無く、「小型熱核反応炉」がZAS社からH&Y社に改善された事が大きい。」
とあり、本来の設定ではMS内部の変更による差のようですし、外部装甲が「MS-05A」のままの「MS-05B」が存在しても不思議ではありません。

ちなみに、「MS-05A」に先駆け、民間用「作業モビルスーツ」として発表された「YMS-05」は、「デベロッパーズ」を見る限り「ファーストガンダム版」=「MS-05B」と同じデザイン。


(コミック『デベロッパーズ』(カドカワ)山崎峰水氏・著)

それらをまとめると、

①ザクⅠの祖先「YMS-05」は、「ファーストガンダム版」と同じボディデザインで商品化。
「YMS-05」が「ファーストガンダム版」と同じボディデザインで発表した理由は、「MS-05B」時と同じで「生産性」と「コスパ」重視した結果。
②軍事用として統合した「MS-05A」の際に、「オリジン版」のボディデザインに改変。
「オリジン版」ボディデザインへ変更した理由は「メンテナンス性」を重視した結果。
③ツィマット社「ヅダ」との競合時は、「試作機同士でのコンペ」という条件だった為、「YMS-05」を使用。但し「商業用の小型熱核反応炉」だった為、コンペ主催者へ申請し「(MS-05Aと同じ)軍事用の小型熱核反応炉」に乗せ換え、コンペに参加。
④「MS-05B」へ改変後に、メンテナンス性から生産性・剛性へ重視する改善を図る為「ファーストガンダム版」と同じデザインで「YMS-05」が採用していた外装へ戻す。

といった事が「ザクⅠ」の外装遍歴だったって事でしょう。

という事で今回は以上です。
こういうデザインの差異は「ガンプラ」作ってる人が得意そうな話題ですよね。
次回は以前「記事にする」話題にしていながら放置していた
『「ザクⅠ MS-05S」と「MS-06A」について』です。
更新は週末24日、土曜日を予定してます。


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