今回は、大分前に書いた『お蔵入りビルダー小説』をupします。
『お蔵入り』させた理由はズバリ!
つまんないから
書き直そうと下書きだけとっておいたんですが、書き直す気力も無く
最近ネタも無いし載せちゃえ!
って感じです。
( ̄▽ ̄;
今までupした小説の中では最悪のクオリティー(今までのも酷かったのに、更に・・・!!!)なんですが、もういいや。
っていうか、もういいんだレイン。
そんな訳で、流石に今回は真剣にスルーして下さい。
<(_ _)>
**************************************************************
俺、ニック・オービル。
アナハイム・エレクトロニクス社の社員。
でも実はデラーズ・フリートの
スパイなのさ。
整備員として連邦軍戦艦アルビオンに乗艦し、ガトーを基地内に紛れ込ませガンダム2号機奪取を援助するって役目だ。
そして遂にその日は来た。
【迂闊な『バルフィッシュ作戦』】
作戦開始時間は午後6時。
空を見上げると、夕暮れを夜の闇が包み込もうとしている。
俺は今、アルビオンが寄航しているオーストラリア・トリントン基地から北東10kmにいる。
物音一つしない無人の荒野に一人待つ俺は、景色とは裏腹に緊張感で脳がハンマーで殴られたようにじんじんと脈打っていた。
『散歩してくる』と言って連邦軍からバギーを借りてきたが、あまり時間を食っては連邦に怪しまれる。
今次作戦の根幹を成す『バルフィッシュ作戦』。
連邦軍トリントン基地より『ガンダム2号機及び核ミサイル強奪』する当作戦が成功しなければ『星の屑作戦』の発動はありえない。
失敗の許されない作戦の成否は『秘密裏の行動』に全て掛かっていた。
早く!一刻も早くガトー少佐と合流しなくては!
『…ブラウエンジェルからバルフィッシュ。ブラウエンジェルからバルフィッシュ』
焦る気持ちが俺に2度目の通信機を握られた。
連邦に傍受されては事だ。
俺は慎重に、小声で無線へ声を吐き出した。
『バルフィッ・・・』
『オービルと言ったな。制服は大尉の物しかなかったのか?』
振り返るとガトー少佐がそこにいた。
さっきまで無人の荒野だったのに、何の気配も無く俺の背後をとるとは!
流石、『ソロモンの悪夢』と恐れられただけはある。
少佐は言うなり、部下数人と俺のバギーに乗り込むとバギーのアクセルを踏み込んだ。
『すみません、少佐』
走り出したバギーの助手席に慌てて乗り込んだ俺は素直に詫びた。極秘行動の為、心なしか声も小さくなる。
少佐には詫びたものの、今少佐が着ている連邦の大尉の制服も入手が困難で、少佐の部下の分までは準備できなかったのだ。
部下の方々には基地潜入までバギーの後ろでホロを被って隠れてもらうしか無い。
そんな苦労を知ってか知らずか大きく頷いた少佐は、突然、大声を張り上げた。
『
出撃の信号弾はどうしたぁぁぁぁぁ!』
はっ??????
『し、しかし! 本作戦の成否は正に奇襲にあります!』
あっけにとられる俺をよそに、部下が制止した。
そ、そうだよ!
何考えてんだよ!この人っっ!!!
『
これしきで敵に看破されるようでは、所詮天は私に味方を・・・あろうはずがない! 撃てぇっ!!!』
ば、バカっ!
誰か、このバカを止めろっっ!
『了解!』
りょ、了解?!
了解なの?!
直後、部下の発射した信号弾が上空50m付近まで立ち上り、夜空と煌々と染め上げた。
やっちまった!
そう思っている間に、前方数kmに迫ったトリントン基地の警告灯が一斉に発光し、
モビルスーツ隊全部隊にスクランブルが掛かるのが見てとれた。
『敵影確認!』
やっぱりバレたじゃん!
『
バカな!作戦が看破されたのか!』
そりゃ、看破されるだろうよ!
『オービル、貴様、二重スパイではあるまいな!』
な、何でそうなる!?
「た、大佐、信号弾を上げれば、敵に発見されるのは当たり前では・・・。」
俺が恐る恐る言う声に一同は少佐に注目した。
『
オービルと言ったな。
・・・二度と忘れん。』
図星を言われた事に逆切れ!?
凄みのある声を突き刺しながら少佐は憎憎しげに俺を睨んだ。
・ ・・って睨まれても・・・。
『デラーズ=フリート』残存の部隊に告ぐ。
もはやキミたちに戻るべき場所はない。
速やかに降伏せよ!
キミたちには、すでに戦闘力と呼べるものがない事を承知している。
無駄死にはするな!』
連邦軍の降伏を呼びかけるアナウンスとともにモビルスーツ大部隊の進撃が始まった。
こちらはバギー1台だし、確かに戦闘力は無いよなあ・・。
も、もうダメぽ。
「いいか。一人でも多く突破し、アクシズ艦隊へ辿り着くのだ」
少佐は踵を返し部下に指示した。
その顔には悲痛な決意が刻まれていた。
・・・って、
アクシズ艦隊ってなんだよ!
『我々の真実の戦いを、後の世に伝える為に!』
・・こんな真実、伝えちゃダメだろ!
『ぬあぁぁぁ!』
し、少佐!
うわっ!
バギーで特攻?!
し、死ぬ!
・・・俺は気を失った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『・・・所属確認とれてませんが、運転席の者は大尉です。』
連邦兵の声で俺は目を覚ました。
気を失ってから、まだ数分と経っていないようだ。
俺はまだバギーの助手席にいた。
運転席には気を失ったままのガトー少佐がいる。
そして俺達の乗ったバギーは数十人の武装した連邦兵に完全に包囲されていた。
「オービル!」
武装した連邦兵を掻き分け、見知った同僚が姿をあらわした。
「オービル。まさかあなたがスパイだったなんて。」
アナハイムで同僚だったニナの声が耳に痛い。
「ジオン野郎!立て!」
後ろの座席にいたガトーの部下数人が「確保」され、連行されていく。
連邦兵の声に目を覚ましたのか、ガトー少佐はゆっくりと上半身を起こすと、ぐるりと首を俺に向けた。
「オービルとか言ったな!貴様スパイか!」
少佐は開口一番、焦点の合わない眼で俺に言った。
・・・寝ぼけてるよ、この人・・。
「ガトー!」
そんな御寝呆け少佐にニナが駆け寄る。
『こちらの大尉はニナさんの知り合いでしたか。』
横にいた連邦の士官が少佐を見ていう。
『
・・・私の恋人です。』
ニナが驚くべき言葉を口にした。
(・・・こ、恋人???
ガトー少佐とニナ・パープルトンが??)
「ニナ・・・バープルトン、か・・・。」
しばしの沈黙の後、寝惚けた少佐はつぶやいた。
・・・ホントに恋人なんだ・・・。
『こちらの大尉はジオンの工作部隊に騙されていたようだ。
ニナさん、あなたが介抱してあげなさい。』
連邦兵の部隊を指揮しているらしい男が、そっとニナに言った。
あっけにとられる俺の前でニナがガトー少佐を支えながら去っていく。
・・・って、ちょっと!
あ、あの!
お、
俺は、どうなるんだぁぁぁぁぁ!
-
完-