昨年末、突如プレバンで受注開始したガンプラ『HG フルアーマーガンダムMSD』。
嫌な日常を一瞬塗り替える素晴らしいサプライズでした。
公式にも『フルアーマーガンダム』として設定がアップされましたね。
まず、この「フルアーマーガンダム」はMSDなのに型式番号が「FA-78-1」。
ORIGIN版がベースであれば「FA-78-01」とでもなりそうなのに、MSVを踏襲しています。
解説もほぼMSVと同様。強いて違いを言えばMSV設定に多い「ペーパープラン」的表現が無い事くらい?
「フルアーマーガンダム」は設定として「マスターアーカイブ」で深掘りしてますが、やはり「ペーパープラン」という可能性は残していました。
【マスターアーカイブ モビルスーツ FA-78-1 フルアーマー・ガンダム】
しかし最近、「ROBOT魂vera.n.i.m.e」に連動した、小田氏によるコラム「MS開発秘録」でMSV設定が追加・改変されており、「ペーパープラン」との噂はあったが実在し運用されていた旨の定義付けが成されました。
このコラムによれば、以下のポイントが気になるところ。
「フルアーマーガンダムのベースとなるガンダムタイプは、RX-78-2仕様(一部RX-78-1仕様)の5機」
「フルアーマーガンダムは3タイプで、「FA-78-1」「FA-78-303」「FA-78-400」」
「フルアーマーガンダムはノースポール級戦闘空母(強襲揚陸艦)に8機収容され、UC0079年12月にルナツー宙域でジオングによく似たモビルスーツと交戦した大型で灰色の連邦軍攻撃機に、ガンダム型と同じ頭部が確認されたとする目撃証言が残されている」
ベースとなるガンダムタイプRX-78-2仕様(一部RX-78-1仕様)の5機を、4号機~8号機とすれば、昨今のM-MSVやゲーム等の外伝と矛盾がでます。
しかし、「ノースポール級戦闘空母(強襲揚陸艦)に8機収容」とあることから、5機とも相違しており、連邦軍はガンダムタイプを「FSWS計画」の為に増産したとみるのが正しいでしょう。
とすれば、当初の増加装甲テストとして4号機~8号機を一時的に使用し、後日ガンダムタイプ8機を増産しフルアーマータイプとしたと考えれば(4号機~8号機は外伝ストーリーに流れる)三方良しな話になります。
ROBOT魂のリアルマーキング版パッケージには
「ジオングによく似たモビルスーツと交戦した大型で灰色の連邦軍攻撃機に、ガンダム型と同じ頭部が確認された」
をイメージしたようなシーンがデジラマ化されてますが、この公式の商品画像に複数のフルアーマーガンダムが認められる事からも、
「RX-78-2(及びRX-78-1)仕様のガンダムタイプを追加生産していた。」
事で間違いないでしょう。
【ROBOT魂ver.a.n.i.m.eフルアーマーガンダム・リアルマーキング】
フルアーマーガンダムが3タイプで、「FA-78-1」「FA-78-303」「FA-78-400」という点は、MSV-Rと矛盾するんですが、MSV-Rの「Bタイプ」「陸戦フルアーマー」等はあくまで「FA-78-1」ベースの亜種であって、「FA-78-303」「FA-78-400」とは別の系譜に分かれたとするしかないですかね。
「(重装)フルアーマーガンダム7号機」は型式番号が「(H)FA-78-3」と、「FA-78-303」に酷似してるので、実は同一だった・・・でも(乱暴ですが)良い気もします。
小田氏はフルアーマーガンダムの生みの親みたいなものですし、コラムにはアレックスとの整合性も配慮されてましたので、この「MS開発秘録」は新たなフルアーマーガンダムの定義になりそうです。
そして、このコラム=公式とすれば、「RX-78-2(及びRX-78-1)仕様のガンダムタイプは8号機以降も追加生産されていた」事になります。
ガンダムタイプが追加生産された事は、当初の「RX-78-1~8」程の部品精度を求めず、カタログスペックを満たす事のみを目的とした増産するとすれば、「陸戦型ガンダム」を数十機製造できる程の厳しい精度の完成品では無い「当初のガンダム>増産したガンダム>ジム」くらいのレベル感で比較的容易に可能そうです。
そして、この増産とFSWS計画をベースに劣化・量産開発したのが「RX-81 ジーライン」と考えれば、正史に無理なく組み込めそうです。
昨今、「いったい一年戦争にガンダム何機いるんだよ!」と物議を醸していましたが、現代の「ガンダム増産問題」の答えの1つを小田氏が示してくれたのかもしれませんね。