椿咲く春なのに。
重たい春の雪の翌日散歩に出た。雪は残っていたが道はアスファルト舗装だから乾いている。家々の庭にはこの時期椿の花が咲いている。赤が多いが、白、ピンクもある。
「椿咲く春なのにー」の出だしで始まる歌は韓国の国民的歌手チョー・ヨンピルが歌った『釜山港へ帰れ』だが、昨日は加藤登紀子の歌う「鳳仙花」を聞いた。加藤登紀子がまだもう少し若かった頃の音源で、低音の響きが冴えている。
『鳳仙花』は朝鮮の民衆の抵抗の歌で、韓国ドラマでもこの歌を歌う場面があった。
「赤い鳳仙花、お庭に咲いたよ。灼けつく夏の日、暑さも知らず、可愛い娘は爪先染めたよ」と始まる歌詞で、鳳仙花の花はその時代、時代で象徴するものが違うのだろう。
鳳仙花は花の後、種を作り、遠くへはじけよと歌う。そして秋風が吹く頃、娘は爪先剃ったよで終わる。
娘は抵抗の列に加わったのだと私は解釈した。
半島の国朝鮮は大陸からそして海を越えた日本からの侵略に苦しめられてきた歴史がある。そして今なお分断の国である。この歌はまだまだ歌い継がれていくのだろう。
日本にこのような民衆の抵抗の歌があるだろうか。
日本は無自覚・無抵抗の国だ。そしてコロナウィルスで終わる気がする。最低最悪の政権と共に。