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映像作品とクラシック音楽 第69回『ラスト・キャッスル』のテーマ曲と9.11

2022-09-11 21:17:00 | 映像作品とクラシック音楽
伊福部昭SF交響ファンタジー第3番について書く予定でしたが、ふとカレンダーを見ると9/11だったので、予定を変えて…

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9.11から21年
リンクは映画『ラスト・キャッスル』(2001年、ロッド・ルーリー監督、ロバート・レッドフォード主演)のためにジェリー・ゴールドスミスが作曲したテーマ曲ですが、曲名が「September 11th, 2001」となっています。

ラストキャッスルは別に9.11を描いた映画ではありません。

この曲名には二つの理由があり、一つは作曲されたのがまさにあの日、2001年9月11日だったからというもの。
出来すぎな話な気もしますが、実際『ラスト・キャッスル』の録音が行われたのは9月の初旬から20日ごろにかけてで、あながち嘘とか盛ったりとかってわけでもありません。

もう一つは本作の作曲中に、9.11の追悼公演の音楽の作曲依頼を受けたゴールドスミスが、作曲で忙しかったのもありますが、曲想的に追悼公演にぴったりというのもあって、この曲をその公演に捧げたのだというものです。

『ラストキャッスル』は不当な理由で軍事法廷で有罪となり陸軍刑務所に収監された「英雄」が、刑務所内の不正に憤って囚人たちを率いて反乱するというものです。

未曾有の脅威と惨劇に対して、米軍内の反乱物語のテーマを捧げるという作曲者の意図は何だったのでしょうか?
ま、単に忙しくて考える暇がなかったからなのでしょうが、それにしても廃墟となった貿易センタービルと、瓦礫に埋もれた星条旗なんて情景を思いながら、ついでにこの後のアフガンやイラクでの惨劇も含めてこの曲を聴くと、色々複雑な思いにとらわれます

貿易センタービルで亡くなった方々と、その後の戦争で亡くなった方々に、改めて哀悼の意を捧げたいと思います



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