大学院を修了し、社会人となった98年、99年。
自主映画はこの時期撮っていない。
1999年 私的ベスト(劇場鑑賞作品)
外国映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 41)
1位 シン・レッド・ライン (テレンス・マリック)
2位 アイズ・ワイド・シャット (スタンリー・キューブリック)
3位 恋に落ちたシェイクスピア (ジョン・マッデン)
4位 かさぶた (アボルファズル・ジャリリ)
5位 宗家の三姉妹 (メイベル・チャン)
6位 ファイト・クラブ (デビッド・フィンチャー)
7位 運動靴と赤い金魚 (マジッド・マジディ)
8位 ペイ・バック (ブライアン・ヘルゲランド)
9位 RONIN (ジョン・フランケンハイマー)
10位 ソルジャー (ポール・W.S.アンダーソン)
日本映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 31)
1位 大阪物語 (市川準)
2位 がんばっていきまっしょい (磯村一路)
3位 金融腐食列島 呪縛 (原田眞人)
4位 39 刑法第39条 (森田芳光)
5位 ガメラ3 邪神覚醒 (金子修介)
6位 秘密 (滝田洋二郎)
7位 ワンダフル・ライフ (是枝裕和)
8位 菊次郎の夏 (北野武)
9位 たどんとちくわ (市川準)
10位 落下する夕方 (合津直枝)
1998年 私的ベスト(劇場鑑賞作品)
外国映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 58)
1位 キャリアガールズ(マイク・リー)
2位 フラワーズ・オブ・シャンハイ (候孝賢)
3位 L.A.コンフィデンシャル (カーティス・ハンソン)
4位 恋愛小説家 (ジェームズ・L・ブルックス)
5位 ピースメーカー (ミミ・レダー)
6位 アウト・オブ・サイト (スティーブン・ソダーバーグ)
7位 カルラの歌 (ケン・ローチ)
8位 ブラス! (マーク・ハーマン)
9位 シーズ・ソー・ラブリー (ニック・カサベテス)
10位 ジョー・ブラックをよろしく (マーティン・ブレスト)
日本映画ベスト5 (劇場新作鑑賞本数 15)
1位 BLUES HARP (三池崇史)
2位 愛を乞う人 (平山秀幸)
3位 カンゾー先生 (今村昌平)
4位 四月物語 (岩井俊二)
5位 中国の鳥人 (三池崇史)
*****
99年
他に外国映画では「マトリックス」、「ライフ・イズ・ビューティフル」、「シックス・センス」が評価された。
「マトリックス」と「ライフ~」は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
「シックス・センス」は海外留学してた後輩が日本公開前におもいっきしネタバレ感想を言ってしまったので、全てを知った上で観に行ったので、超しらけモードで観たせいもあってあんま面白くなかった。
日本映画では「鉄道員(ぽっぽや)」、「御法度」が評価された。
「鉄道員(ぽっぽや)」は好きである。ラストなどかなり感動した。しかし広末涼子が出る中盤あたりのダレぐあいが減点要因である。「御法度」はあまり好きじゃない・・・のだが、後年に司馬遼太郎の原作読んだら、また観たくなってレンタルして観た・・・が、やはりそんなんでもなかった。キャスティングは最高だったと思う。
「シン・レッド・ライン」に深く感銘を受け、「アイズ・ワイド・シャット」を遺作に世を去ったキューブリックを悼み、「恋シェー」の面白さに抗えず、キアロスタミなんかよりよほど面白いイランの映画作家ジャリリの作品と出会い、ついに大物に化けた感じのフィンチャーの「ファイト・クラブ」に酔い、「ペイバック」「RONIN」「ソルジャー」に燃えて笑ってぶっ飛んだ99年だった。
日本映画も傑作ぞろいだ。実に充実したベストテンだ。しかし市川準の「大阪物語」の前には全てが一段低く見えた。
「がんばっていきまっしょい」の、希望の無い未来に向けて無駄でしかない情熱を燃やす女の子たちを追いかける残酷な視線も胸に残る。
98年。
「ムトゥ・踊るマハラジャ」が公開され、瞬間湯沸かし器的にマサラ・ムービーのブームが訪れ、そして一瞬でブームは終わった。ただ「ムトゥ」は面白かったし、「ボンベイ」とか力作も結構観れて良かったのだが、最近じゃほとんど劇場でお目にかかることはないインド映画である。スーパースター・ラジニカーントとか聞くと、懐かしくクスクス笑える人は結構多いのではなかろうか。
他に「グッド・ウィル・ハンティング」、「プライベート・ライアン」もあった。
スピルバーグ好きの私が、一時、スピルバーグが妙に嫌いになった発端が「ライアン」である。しばらくスピルバーグ作品がひたすらつまらなく感じた時期を乗り越え、またスピ好きになったのは2004年の「ターミナル」のおかげである。
「スターシップ・トゥルーパーズ」、「CUBE」なんかも人気があった。
「スターシップ~」はなぜベストテンに入れなかったのか、今にして思うと不思議だ。「CUBE」は安っちくてバカっぽいだけの映画であんま好きになれなかった。同監督が後年に撮った「カンパニー・マン」の方がよほど好きだ。
日本映画は「HANA-BI」が評価された・・・がいまだにこれが北野武の代表作だとは思えない。
同じ暴力系作品でも「その男凶暴につき」「3-4×10月」「ソナチネ」なんかの方がずっと好きだ。とはいえ、これらは面白いが「普通」の映画である。「HANA-BI」はくどくどと挿入される北野画伯の絵など、常軌を逸した映画であったことは確かだと思う。編集の巧さは北の作品でもトップクラスだ。それでも久石譲の耳障りな音楽に不快感を覚え、物語的にもさしたる感動もなく、やはり何か腑に落ちない映画であるし、何より唯一もう一度観たいと全く思えない北野映画だ。
ちなみに私的に北野作品ベストは「菊次郎の夏」である。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」も公開された年である。私も観た。ちゃんと劇場で。つまらなかった。
「秘密と嘘」に続いてマイク・リーの傑作「キャリア・ガールズ」が公開され、この監督が心から好きになった。
候孝賢の「フラワーズ・オブ・シャンハイ」を褒める人間など極めて少数派だろう。自分でもこの映画の良さを巧く伝えられないし、自分の意見も気持ちも整理できない。候孝賢の映画はいつもそうだ。だが徹底的にボクの心を締め付けるのだ。
男優は「ピースメーカー」「アウト・オブ・サイト」のジョージ・クルーニーに魅せられた。
「ピースメーカー」の敵を皆殺しにしてもニコリともさせない演出は凄いと思った。
ケン・ローチにマーク・ハーマン、「トレスポ」をけっ!と思った自分だが、一足遅くイギリス映画の魅力にはまり出した。
「ジョー・ブラック」のマーティン・ブレストと松岡錠司は、ひたすら人物の写るカットばかりを紡いでいくところが似ていると思う。
日本映画は全然観なかった。
多分、90年代後半が三池崇史の絶頂期だったと思う。この翌年には「DEAD or ALIVE 犯罪者」を発表しているし。
もっとも三池崇史のボルテージが下がったのではなく、観てるこっちが飽きてきただけなのかもしれない。
平山の「愛を乞う人」はたいしたことないよと言いたくなる衝動にかられる「泣き」の映画だが、そんじょそこらの泣き映画とは比較にならないほど徹底的に泣かせにくるパワーみなぎる作品だ。千住明のあのギター(?)のテーマ曲かかるだけで泣けてくる。ビデオも手に入れ、10回観て10回とも泣いたこまった作品である。
岩井俊二の最高傑作は・・・「リリィ・シュシュ」か「花とアリス」か・・・だが、一番ボクが愛している作品は「四月物語」である・・・
*****
参考
1999
アカデミー賞 「恋に落ちたシェイクスピア」
キネマ旬報日本映画第1位 「あ、春」
キネマ旬報外国映画第1位 「恋に落ちたシェイクスピア」
1998
アカデミー賞 「タイタニック」
キネマ旬報日本映画第1位 「HANA-BI」
キネマ旬報外国映画第1位 「L.A.コンフィデンシャル」
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自主映画はこの時期撮っていない。
1999年 私的ベスト(劇場鑑賞作品)
外国映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 41)
1位 シン・レッド・ライン (テレンス・マリック)
2位 アイズ・ワイド・シャット (スタンリー・キューブリック)
3位 恋に落ちたシェイクスピア (ジョン・マッデン)
4位 かさぶた (アボルファズル・ジャリリ)
5位 宗家の三姉妹 (メイベル・チャン)
6位 ファイト・クラブ (デビッド・フィンチャー)
7位 運動靴と赤い金魚 (マジッド・マジディ)
8位 ペイ・バック (ブライアン・ヘルゲランド)
9位 RONIN (ジョン・フランケンハイマー)
10位 ソルジャー (ポール・W.S.アンダーソン)
日本映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 31)
1位 大阪物語 (市川準)
2位 がんばっていきまっしょい (磯村一路)
3位 金融腐食列島 呪縛 (原田眞人)
4位 39 刑法第39条 (森田芳光)
5位 ガメラ3 邪神覚醒 (金子修介)
6位 秘密 (滝田洋二郎)
7位 ワンダフル・ライフ (是枝裕和)
8位 菊次郎の夏 (北野武)
9位 たどんとちくわ (市川準)
10位 落下する夕方 (合津直枝)
1998年 私的ベスト(劇場鑑賞作品)
外国映画ベストテン (劇場新作鑑賞本数 58)
1位 キャリアガールズ(マイク・リー)
2位 フラワーズ・オブ・シャンハイ (候孝賢)
3位 L.A.コンフィデンシャル (カーティス・ハンソン)
4位 恋愛小説家 (ジェームズ・L・ブルックス)
5位 ピースメーカー (ミミ・レダー)
6位 アウト・オブ・サイト (スティーブン・ソダーバーグ)
7位 カルラの歌 (ケン・ローチ)
8位 ブラス! (マーク・ハーマン)
9位 シーズ・ソー・ラブリー (ニック・カサベテス)
10位 ジョー・ブラックをよろしく (マーティン・ブレスト)
日本映画ベスト5 (劇場新作鑑賞本数 15)
1位 BLUES HARP (三池崇史)
2位 愛を乞う人 (平山秀幸)
3位 カンゾー先生 (今村昌平)
4位 四月物語 (岩井俊二)
5位 中国の鳥人 (三池崇史)
*****
99年
他に外国映画では「マトリックス」、「ライフ・イズ・ビューティフル」、「シックス・センス」が評価された。
「マトリックス」と「ライフ~」は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
「シックス・センス」は海外留学してた後輩が日本公開前におもいっきしネタバレ感想を言ってしまったので、全てを知った上で観に行ったので、超しらけモードで観たせいもあってあんま面白くなかった。
日本映画では「鉄道員(ぽっぽや)」、「御法度」が評価された。
「鉄道員(ぽっぽや)」は好きである。ラストなどかなり感動した。しかし広末涼子が出る中盤あたりのダレぐあいが減点要因である。「御法度」はあまり好きじゃない・・・のだが、後年に司馬遼太郎の原作読んだら、また観たくなってレンタルして観た・・・が、やはりそんなんでもなかった。キャスティングは最高だったと思う。
「シン・レッド・ライン」に深く感銘を受け、「アイズ・ワイド・シャット」を遺作に世を去ったキューブリックを悼み、「恋シェー」の面白さに抗えず、キアロスタミなんかよりよほど面白いイランの映画作家ジャリリの作品と出会い、ついに大物に化けた感じのフィンチャーの「ファイト・クラブ」に酔い、「ペイバック」「RONIN」「ソルジャー」に燃えて笑ってぶっ飛んだ99年だった。
日本映画も傑作ぞろいだ。実に充実したベストテンだ。しかし市川準の「大阪物語」の前には全てが一段低く見えた。
「がんばっていきまっしょい」の、希望の無い未来に向けて無駄でしかない情熱を燃やす女の子たちを追いかける残酷な視線も胸に残る。
98年。
「ムトゥ・踊るマハラジャ」が公開され、瞬間湯沸かし器的にマサラ・ムービーのブームが訪れ、そして一瞬でブームは終わった。ただ「ムトゥ」は面白かったし、「ボンベイ」とか力作も結構観れて良かったのだが、最近じゃほとんど劇場でお目にかかることはないインド映画である。スーパースター・ラジニカーントとか聞くと、懐かしくクスクス笑える人は結構多いのではなかろうか。
他に「グッド・ウィル・ハンティング」、「プライベート・ライアン」もあった。
スピルバーグ好きの私が、一時、スピルバーグが妙に嫌いになった発端が「ライアン」である。しばらくスピルバーグ作品がひたすらつまらなく感じた時期を乗り越え、またスピ好きになったのは2004年の「ターミナル」のおかげである。
「スターシップ・トゥルーパーズ」、「CUBE」なんかも人気があった。
「スターシップ~」はなぜベストテンに入れなかったのか、今にして思うと不思議だ。「CUBE」は安っちくてバカっぽいだけの映画であんま好きになれなかった。同監督が後年に撮った「カンパニー・マン」の方がよほど好きだ。
日本映画は「HANA-BI」が評価された・・・がいまだにこれが北野武の代表作だとは思えない。
同じ暴力系作品でも「その男凶暴につき」「3-4×10月」「ソナチネ」なんかの方がずっと好きだ。とはいえ、これらは面白いが「普通」の映画である。「HANA-BI」はくどくどと挿入される北野画伯の絵など、常軌を逸した映画であったことは確かだと思う。編集の巧さは北の作品でもトップクラスだ。それでも久石譲の耳障りな音楽に不快感を覚え、物語的にもさしたる感動もなく、やはり何か腑に落ちない映画であるし、何より唯一もう一度観たいと全く思えない北野映画だ。
ちなみに私的に北野作品ベストは「菊次郎の夏」である。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」も公開された年である。私も観た。ちゃんと劇場で。つまらなかった。
「秘密と嘘」に続いてマイク・リーの傑作「キャリア・ガールズ」が公開され、この監督が心から好きになった。
候孝賢の「フラワーズ・オブ・シャンハイ」を褒める人間など極めて少数派だろう。自分でもこの映画の良さを巧く伝えられないし、自分の意見も気持ちも整理できない。候孝賢の映画はいつもそうだ。だが徹底的にボクの心を締め付けるのだ。
男優は「ピースメーカー」「アウト・オブ・サイト」のジョージ・クルーニーに魅せられた。
「ピースメーカー」の敵を皆殺しにしてもニコリともさせない演出は凄いと思った。
ケン・ローチにマーク・ハーマン、「トレスポ」をけっ!と思った自分だが、一足遅くイギリス映画の魅力にはまり出した。
「ジョー・ブラック」のマーティン・ブレストと松岡錠司は、ひたすら人物の写るカットばかりを紡いでいくところが似ていると思う。
日本映画は全然観なかった。
多分、90年代後半が三池崇史の絶頂期だったと思う。この翌年には「DEAD or ALIVE 犯罪者」を発表しているし。
もっとも三池崇史のボルテージが下がったのではなく、観てるこっちが飽きてきただけなのかもしれない。
平山の「愛を乞う人」はたいしたことないよと言いたくなる衝動にかられる「泣き」の映画だが、そんじょそこらの泣き映画とは比較にならないほど徹底的に泣かせにくるパワーみなぎる作品だ。千住明のあのギター(?)のテーマ曲かかるだけで泣けてくる。ビデオも手に入れ、10回観て10回とも泣いたこまった作品である。
岩井俊二の最高傑作は・・・「リリィ・シュシュ」か「花とアリス」か・・・だが、一番ボクが愛している作品は「四月物語」である・・・
*****
参考
1999
アカデミー賞 「恋に落ちたシェイクスピア」
キネマ旬報日本映画第1位 「あ、春」
キネマ旬報外国映画第1位 「恋に落ちたシェイクスピア」
1998
アカデミー賞 「タイタニック」
キネマ旬報日本映画第1位 「HANA-BI」
キネマ旬報外国映画第1位 「L.A.コンフィデンシャル」
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
90年代終わりの映画を観ていないこと観ていないこと・・・まだまだ観なければいけない作品がたくさんあります。
あぁ、インド映画ブームとか懐かしい(笑
今じゃ「ボリウッド」って言葉はあるものの、日本ではすっかりインド映画は観れなくなりましたね。
でもインドは世界で一番映画を作っている国みたいなのに、なぜ日本に来ないのかが少し不思議でもあります。
岩井監督の最高傑作は同じく2作品だと思います。
でも「四月物語」はその中でも大切に思いたくなる作品ですよね。