2010年代上半期の映画マイベストテン
日本映画篇
1位 「風立ちぬ」
2位 「終の信託」
3位 「桐島、部活やめるってよ」
4位 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」
5位 「キツツキと雨」
6位 「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」
7位 「川の底からこんにちは」
8位 「おおかみこどもの雨と雪」
9位 「戦争と一人の女」
10位 「ラストムービー」
次点 「鍵泥棒のメソッド」
選んではみたものの、鑑賞数が少なすぎて外国映画以上に強いて選べば感が強くなってしまった。
どれもそれなりに心を揺さぶられた映画ではあるけれども。
次点「鍵泥棒のメソッド」2012 内田けんじ
娯楽映画となると「面白くて夢がある」ものがよい。でも日本映画の場合アメリカ映画ではさほど重要視されていないもう一つの要素が必要となり「面白くて夢があって無理がない」映画が求められているように感じます。そうした脚本を書ける能力で内田けんじさん以上の人はいないでしょう
10位「ラストムービー」2014 古本恭一
ここ5年間で見た自主映画の中では1番感動しました。人生を肯定する映画。生き方に自信を持てと言われたような映画。自主映画代表でランクイン。
9位「戦争と一人の女」2013 井上淳一
戦争に行ったことはないからよくわからないけれども、人が人を殺すことが肯定される人間社会ではもっとも狂った状況に違いないと思っている。そうした状況で人間は大なり小なり狂っていくものではないか。
アメリカの映画監督たちも実際に戦場に行ってはいないだろうけど、少なくとも最近のハリウッドの戦争映画にロマンや愛や勇気に溢れたいい話は出てこない。いまだに日本は戦争映画でも落とし所として泣けるいい話にしようとしている雰囲気があり、疑問に感じる。
だから「戦争と一人の女」の狂った戦後世界の方が私としてはしっくりきた。戦争をきちんと恐れることで反戦は成立すると思う。
8位「おおかみこどもの雨と雪」2012 細田守
ゼロ年代はジブリ以外のアニメ作家が躍進した10年だった。でもゼロ年代を支えたアニメ作家たちの10年代前半はというと…
「東京ゴッドファーザーズ」の今敏(こんさとし)監督が2010年に亡くなり(遺作「夢見る機械」は未完成のままお蔵入り)、「秒速五センチメートル」の新海誠監督もまだブレイク前な雰囲気。
ゼロ年代に「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」という大傑作を手がけた原恵一監督は実写映画に挑戦(木下恵介監督の戦時中の日々を描いた2013年の作品「はじまりのみち」)したもののやはりアニメとは勝手が違うのか精彩を欠いた。評価する向きもあるが、私にはつまらなかった。「二十四の瞳」へのオマージュショットで、子供たちが重なり合って12人いるかどうか判らないなんてあんまりでしょ!
参考までに「クレしん オトナ帝国の逆襲」は「ALWAYS三丁目の夕日」に感動した人は絶対見るべき作品です。これが実は「ALWAYS」全否定の映画なんですよね。
話を戻して、ゼロ年代を風靡したアニメ監督たちがイマイチパッとしない中で細田守監督だけは安定した面白さを見せてくれた。「おおかみこどもの雨と雪」は期待通りに面白かった。ヒロインのガッハッハッって声の聞こえてきそうな大笑い顔の素敵なこと。大泣きと大笑いは細田ヒロインのトレードマークだ。
とはいえ「時をかける少女」「サマーウォーズ」といったゼロ年代傑作と比較すると地味な印象は否めない。
私はゼロ年代を日本アニメの脱ジブリ化の時代と評したが、10年代前半はジブリの王座奪還の時代となった。10年代後半の5年間で細田監督や原監督の巻き返しを期待する。
7位「川の底からこんにちは」2010 石井裕也
実は「舟を編む」未見なので石井監督代表はこちらで。
トップでもない、底辺でもない、中の下くらいにスポットを当てたところが素晴らしい。そうだ雇用が増えたといっても契約社員が増えただけの日本の2010年代は中の下クラス国民の増加時代なのだ。時代にあった映画のような気がする。
女子工員たちが社歌を歌うシーンはこの5年間のミュージカルシーンのベスト1だ。自虐でもない中の下魂を高らかに歌い上げて、笑いの果ての感動があった。
満島ひかりさん、ウルトラマンマックスの時から好きだったけどまさかこんなに化けるとは思いませんでした。歴代ウルトラヒロインでは最高の出世ですね。いや、ブレイクはゼロ年代末の「愛のむきだし」だけど、私の個人的な印象では「川の底からこんにちは」の彼女が最高です。熱い役よりやる気ない雰囲気の方が似合ってます。
6位「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」2010 石井隆
90年代の石井隆監督は神がかっていた。作る映画、Vシネ、全部面白かった。最高傑作は「ヌードの夜」だと思っていて、その続編が作られて公開されたのが2010年だった。
終盤の展開に難ありだが、序盤から中盤にかけての濃密濃厚残忍でエロい長回しはまぎれもない石井隆節で、90年代以上に磨きがかかっていたように思えて、それだけで満足だった。
2010年代によみがえった90年代の遺物。でもまだ禍々しい血の色の輝きを見せていた。
5位「キツツキと雨」2012年 沖田修一
沖田監督の作品も「横道世之介」「滝を見にいく」未見なのでこれを暫定代表に。
もっと評価されていい映画だと思う。何度か書いたけど沖田監督はスクリーンに映っていないものを見せて、聞こえるはずのない音を聞かせる。ラストの砂浜の監督椅子のなんと雄弁なことか。10年代の日本映画でラストシーンなら1、2を争う名シーンだ。
4位「ばしゃ馬さんとビッグマウス」2013 吉田恵輔
泣く=名作とは思わないけど、10年代の映画で洋画も含めた中で一番泣いた映画であることは間違いない。
夢を諦めたことのある中年世代と、夢を諦めきれずにまだ追っている中年世代に見て欲しい映画。あるいは映画や演劇で表現しているアマチュアたちに捧げられる映画。
夢は絶対にかないます!って言うトップアイドルより、よく聞け、夢は絶対にかなわん!って言う芸人さんの言葉の方が支えになる歳になってしまったことを思い出させる切ないけど元気になる偏愛映画。
3位「桐島、部活やめるってよ」2012 吉田大八
正直4位以下は強いて選んだ感のあるランキングだけど、この辺から満足感の強いランキング…なんていってもうトップ3。日本映画あまり観なかったなあと反省。
映画を作る話はやっぱり自分が自主映画なんてやってるからどうしてもひいき入るのは認めるが、意図したわけじゃないけど5位4位3位と映画作りに関する映画だ。
イケてないグループだった中学高校時代の自分を見つけたみたいで(その割に神木隆之介君はイケてる顔してるけど)、それでいてイケてるグループが不在の桐島の件で右往左往している中で、引かず媚びず省みず撮影を続ける主人公に自分の進む道は間違ってないと勇気付けられた気がした。ラストの夕陽、美しかった。
2位「終の信託」2012 周防正行
正直に言うとこの映画見るまで周防監督を世間ほどには評価していなかった。そんな私を一発で改心させたものすごい映画だった。これを見ずに「舞妓はレディ」観てもそんなに評価しなかったかもしれない。
クライマックスシーンは血が沸き立つのを感じた壮絶なシーンだったが、凄いのはそのクライマックスシーンは2人の人間が座って喋るだけという映画らしからぬシーンだったということだ。
挿入カットの類いはなしで、ほとんど首から上しか動かない2人。しかもそんなやりとりが40分も続くのだ。誰だってもう少しは「映画っぽく」したくなるシーンを、周防監督は小細工一切なしで撮りきる。その前の90分くらいで積み重ねてきた事を信じきって、会話という形で爆発させる。できないでしょ。演劇だってもっと動き入れるでしょ。でもやり切るのだ。そして最高のシーンにしてしまうのだ。
映画を愛している。映画に愛されている。格の違いを感じた映画だった。
1位「風立ちぬ」2013 宮崎駿
宮崎駿監督の映画をマイベストの1位にあげる日が来るとは思わなかった。もちろん劇場作品は全部観ているけど、どちらかと言えば批判対象で、映画好きとの議論が盛り上がるから観ている感じだった。
そして監督が言うところの引退作で、やられた。ハウル、ポニョ、脚本だけだかコクリコ坂と幻滅続きで、宮崎駿監督はもう力を失った、何も残っていないと決めつけていた。だからこそ、ゼロ年代は細田守監督や原恵一監督に希望を見ていたのだ。
それが、遥かな境地に飛んで行ってしまった。これで引退なんて酷い。やっと心底敬愛できるようになったのに、どっかに行ってしまった。
ちなみに
◎カリオストロ
△ナウシカ
◎名探偵ホームズ(ナウシカの併映の)
△ラピュタ
◎トトロ
×魔女
×豚
△もののけ
◎千と千尋
×ハウル
×ポニョ
◎風立ちぬ
こんなに自分にとってベストとワーストで揺れた映画作家は他にいない。きっとそれこそがこの映画作家の偉大さの証なのだ。
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ベスト監督
周防正行「終の信託」「舞妓はレディ」
ベスト女優
麻生久美子 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」「グッモーエビワン」
満島ひかりさんもすばらしいのだけど、出る作品にいつもピタッとハマる麻生さんをベスト女優に。この人の演じる役はいつも泣ける。自分より年令ちょい下で、少し昔に感じていたことを言ってくれるような存在。
ベスト男優
保留
普通に考えると「終の信託」で見事な演技を見せた役所広司さんなのだけど、演技と関係ないことだけど「ガレキとラジオ」の一件でイメージ悪くなっちゃってな~
下手でもいいんだって教えてくれた「風立ちぬ」の庵野秀明さんも印象深いのだけど、そうは言っても下手すぎたよな~ってことで保留とさせていただきます。
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さて5年後。2010年代のベストテンではどんなテンになっているのでしょうか。
また映画で会いましょう
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自主映画制作団体 ALIQOUI FILM
最新作「チクタクレス」
小坂本町一丁目映画祭Vol.12 入選
日本芸術センター映像グランプリ ノミネート
日本映画篇
1位 「風立ちぬ」
2位 「終の信託」
3位 「桐島、部活やめるってよ」
4位 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」
5位 「キツツキと雨」
6位 「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」
7位 「川の底からこんにちは」
8位 「おおかみこどもの雨と雪」
9位 「戦争と一人の女」
10位 「ラストムービー」
次点 「鍵泥棒のメソッド」
選んではみたものの、鑑賞数が少なすぎて外国映画以上に強いて選べば感が強くなってしまった。
どれもそれなりに心を揺さぶられた映画ではあるけれども。
次点「鍵泥棒のメソッド」2012 内田けんじ
娯楽映画となると「面白くて夢がある」ものがよい。でも日本映画の場合アメリカ映画ではさほど重要視されていないもう一つの要素が必要となり「面白くて夢があって無理がない」映画が求められているように感じます。そうした脚本を書ける能力で内田けんじさん以上の人はいないでしょう
10位「ラストムービー」2014 古本恭一
ここ5年間で見た自主映画の中では1番感動しました。人生を肯定する映画。生き方に自信を持てと言われたような映画。自主映画代表でランクイン。
9位「戦争と一人の女」2013 井上淳一
戦争に行ったことはないからよくわからないけれども、人が人を殺すことが肯定される人間社会ではもっとも狂った状況に違いないと思っている。そうした状況で人間は大なり小なり狂っていくものではないか。
アメリカの映画監督たちも実際に戦場に行ってはいないだろうけど、少なくとも最近のハリウッドの戦争映画にロマンや愛や勇気に溢れたいい話は出てこない。いまだに日本は戦争映画でも落とし所として泣けるいい話にしようとしている雰囲気があり、疑問に感じる。
だから「戦争と一人の女」の狂った戦後世界の方が私としてはしっくりきた。戦争をきちんと恐れることで反戦は成立すると思う。
8位「おおかみこどもの雨と雪」2012 細田守
ゼロ年代はジブリ以外のアニメ作家が躍進した10年だった。でもゼロ年代を支えたアニメ作家たちの10年代前半はというと…
「東京ゴッドファーザーズ」の今敏(こんさとし)監督が2010年に亡くなり(遺作「夢見る機械」は未完成のままお蔵入り)、「秒速五センチメートル」の新海誠監督もまだブレイク前な雰囲気。
ゼロ年代に「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」という大傑作を手がけた原恵一監督は実写映画に挑戦(木下恵介監督の戦時中の日々を描いた2013年の作品「はじまりのみち」)したもののやはりアニメとは勝手が違うのか精彩を欠いた。評価する向きもあるが、私にはつまらなかった。「二十四の瞳」へのオマージュショットで、子供たちが重なり合って12人いるかどうか判らないなんてあんまりでしょ!
参考までに「クレしん オトナ帝国の逆襲」は「ALWAYS三丁目の夕日」に感動した人は絶対見るべき作品です。これが実は「ALWAYS」全否定の映画なんですよね。
話を戻して、ゼロ年代を風靡したアニメ監督たちがイマイチパッとしない中で細田守監督だけは安定した面白さを見せてくれた。「おおかみこどもの雨と雪」は期待通りに面白かった。ヒロインのガッハッハッって声の聞こえてきそうな大笑い顔の素敵なこと。大泣きと大笑いは細田ヒロインのトレードマークだ。
とはいえ「時をかける少女」「サマーウォーズ」といったゼロ年代傑作と比較すると地味な印象は否めない。
私はゼロ年代を日本アニメの脱ジブリ化の時代と評したが、10年代前半はジブリの王座奪還の時代となった。10年代後半の5年間で細田監督や原監督の巻き返しを期待する。
7位「川の底からこんにちは」2010 石井裕也
実は「舟を編む」未見なので石井監督代表はこちらで。
トップでもない、底辺でもない、中の下くらいにスポットを当てたところが素晴らしい。そうだ雇用が増えたといっても契約社員が増えただけの日本の2010年代は中の下クラス国民の増加時代なのだ。時代にあった映画のような気がする。
女子工員たちが社歌を歌うシーンはこの5年間のミュージカルシーンのベスト1だ。自虐でもない中の下魂を高らかに歌い上げて、笑いの果ての感動があった。
満島ひかりさん、ウルトラマンマックスの時から好きだったけどまさかこんなに化けるとは思いませんでした。歴代ウルトラヒロインでは最高の出世ですね。いや、ブレイクはゼロ年代末の「愛のむきだし」だけど、私の個人的な印象では「川の底からこんにちは」の彼女が最高です。熱い役よりやる気ない雰囲気の方が似合ってます。
6位「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」2010 石井隆
90年代の石井隆監督は神がかっていた。作る映画、Vシネ、全部面白かった。最高傑作は「ヌードの夜」だと思っていて、その続編が作られて公開されたのが2010年だった。
終盤の展開に難ありだが、序盤から中盤にかけての濃密濃厚残忍でエロい長回しはまぎれもない石井隆節で、90年代以上に磨きがかかっていたように思えて、それだけで満足だった。
2010年代によみがえった90年代の遺物。でもまだ禍々しい血の色の輝きを見せていた。
5位「キツツキと雨」2012年 沖田修一
沖田監督の作品も「横道世之介」「滝を見にいく」未見なのでこれを暫定代表に。
もっと評価されていい映画だと思う。何度か書いたけど沖田監督はスクリーンに映っていないものを見せて、聞こえるはずのない音を聞かせる。ラストの砂浜の監督椅子のなんと雄弁なことか。10年代の日本映画でラストシーンなら1、2を争う名シーンだ。
4位「ばしゃ馬さんとビッグマウス」2013 吉田恵輔
泣く=名作とは思わないけど、10年代の映画で洋画も含めた中で一番泣いた映画であることは間違いない。
夢を諦めたことのある中年世代と、夢を諦めきれずにまだ追っている中年世代に見て欲しい映画。あるいは映画や演劇で表現しているアマチュアたちに捧げられる映画。
夢は絶対にかないます!って言うトップアイドルより、よく聞け、夢は絶対にかなわん!って言う芸人さんの言葉の方が支えになる歳になってしまったことを思い出させる切ないけど元気になる偏愛映画。
3位「桐島、部活やめるってよ」2012 吉田大八
正直4位以下は強いて選んだ感のあるランキングだけど、この辺から満足感の強いランキング…なんていってもうトップ3。日本映画あまり観なかったなあと反省。
映画を作る話はやっぱり自分が自主映画なんてやってるからどうしてもひいき入るのは認めるが、意図したわけじゃないけど5位4位3位と映画作りに関する映画だ。
イケてないグループだった中学高校時代の自分を見つけたみたいで(その割に神木隆之介君はイケてる顔してるけど)、それでいてイケてるグループが不在の桐島の件で右往左往している中で、引かず媚びず省みず撮影を続ける主人公に自分の進む道は間違ってないと勇気付けられた気がした。ラストの夕陽、美しかった。
2位「終の信託」2012 周防正行
正直に言うとこの映画見るまで周防監督を世間ほどには評価していなかった。そんな私を一発で改心させたものすごい映画だった。これを見ずに「舞妓はレディ」観てもそんなに評価しなかったかもしれない。
クライマックスシーンは血が沸き立つのを感じた壮絶なシーンだったが、凄いのはそのクライマックスシーンは2人の人間が座って喋るだけという映画らしからぬシーンだったということだ。
挿入カットの類いはなしで、ほとんど首から上しか動かない2人。しかもそんなやりとりが40分も続くのだ。誰だってもう少しは「映画っぽく」したくなるシーンを、周防監督は小細工一切なしで撮りきる。その前の90分くらいで積み重ねてきた事を信じきって、会話という形で爆発させる。できないでしょ。演劇だってもっと動き入れるでしょ。でもやり切るのだ。そして最高のシーンにしてしまうのだ。
映画を愛している。映画に愛されている。格の違いを感じた映画だった。
1位「風立ちぬ」2013 宮崎駿
宮崎駿監督の映画をマイベストの1位にあげる日が来るとは思わなかった。もちろん劇場作品は全部観ているけど、どちらかと言えば批判対象で、映画好きとの議論が盛り上がるから観ている感じだった。
そして監督が言うところの引退作で、やられた。ハウル、ポニョ、脚本だけだかコクリコ坂と幻滅続きで、宮崎駿監督はもう力を失った、何も残っていないと決めつけていた。だからこそ、ゼロ年代は細田守監督や原恵一監督に希望を見ていたのだ。
それが、遥かな境地に飛んで行ってしまった。これで引退なんて酷い。やっと心底敬愛できるようになったのに、どっかに行ってしまった。
ちなみに
◎カリオストロ
△ナウシカ
◎名探偵ホームズ(ナウシカの併映の)
△ラピュタ
◎トトロ
×魔女
×豚
△もののけ
◎千と千尋
×ハウル
×ポニョ
◎風立ちぬ
こんなに自分にとってベストとワーストで揺れた映画作家は他にいない。きっとそれこそがこの映画作家の偉大さの証なのだ。
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ベスト監督
周防正行「終の信託」「舞妓はレディ」
ベスト女優
麻生久美子 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」「グッモーエビワン」
満島ひかりさんもすばらしいのだけど、出る作品にいつもピタッとハマる麻生さんをベスト女優に。この人の演じる役はいつも泣ける。自分より年令ちょい下で、少し昔に感じていたことを言ってくれるような存在。
ベスト男優
保留
普通に考えると「終の信託」で見事な演技を見せた役所広司さんなのだけど、演技と関係ないことだけど「ガレキとラジオ」の一件でイメージ悪くなっちゃってな~
下手でもいいんだって教えてくれた「風立ちぬ」の庵野秀明さんも印象深いのだけど、そうは言っても下手すぎたよな~ってことで保留とさせていただきます。
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さて5年後。2010年代のベストテンではどんなテンになっているのでしょうか。
また映画で会いましょう
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自主映画制作団体 ALIQOUI FILM
最新作「チクタクレス」
小坂本町一丁目映画祭Vol.12 入選
日本芸術センター映像グランプリ ノミネート