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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

大日本人 [監督:松本人志]

2007-06-20 02:57:42 | 映評 2006~2008
【個人的評価 ■■■□□□】(6段階評価 ■□□□□□:最悪、■■■■■■:最高)
松本人志が好きだろうが嫌いだろうが、あの狂った様に長いだけで何の工夫もないインタビューは絶対につまらないので二度とやらないでほしい。
彼のレギュラー番組なら、確実にカットされているだろう。
「映画でしかできないことをしなければ意味がない」・・・というようなことを言っていた松本監督であるが、なるほど、「つまらなくてもカットしない」・・・は映画ならではだ。

*****
巨大化ヒーロー変身前の人物の物語を、オーソドックスなストーリーテリングではなく、インタビュー形式で進める・・・というアイデアはいいと思う。
しかし、そのアイデアを出したところで、満足してしまったのだろうか。
インタビュー自体がとにかく退屈で長くて、眠気すら誘う。
時間的に全編の大半を締めるインタビューシーンで何のひねりも入れないというのは映画として致命的ではないかと思う。
インタビュー映像の背景に何かが写るとか、インタビュー中に物語が二転三転していくとか・・・インタビューで綴ろうというワンアイデアだけで満足せず、もっと面白くもっと面白く、と考えるのが映画作家である。
CG合成によるバトルシーンとインタビューシーンを繋ぐ編集には面白いところもあったけど

まだ、インタビューだけなら良かった。演技力があまり関係ないから。
しかし、マネージャーとの喧嘩、元妻との喧嘩などを勝手にカメラまわして撮りました、みたいなシーンでは俳優たちが普通に芝居をすることになるのだが、ここで松本人志の演技の下手さが問題になる。台本的につまらないシチュエーションで、映像に何の工夫もなく、しかも下手な芝居がたらたら続く。
これが本気で面白いと思ったのか?それとも確信犯的につまらなくしたのだろうか?

ひたすらボケ続けるだけのインタビューでは、インタビュアーの突っ込みが弱いからダメなんだろうと思うが、監督としては観客たちに突っ込んでほしかったのかもしれない。

*****
・・・とけなしまくったものの、インタビューシーンを除いては、そんなに悪くもない。
変身基地に向かう大佐藤を延々追いかける長回しは、この映画で唯一のドキュメンタリータッチな演出が実を結んだショットと言えるだろう。
CGバトルは金かかったコントで面白かった。ヒーローが子供や老人を誤って殺すというギャグセンスは嫌いじゃない。
ラストの対決も、予測不可能と言えばたしかにそう。
国際政治を皮肉ったかのような展開を、ちゃっちい上に、段取りぼろぼろなミニチュア特撮セットで展開するところなどは、映画でそういうことを論じること自体をバカバカしいと茶化しているようにもとれる。(風刺が下手なだけかもしれんが)

「あっけにとられる」映画であることは確かで、変わった映画見てしまったなという不思議体験はできたし、猛省すれば次回作は良くなりそうなので期待もこめて、「最悪」とまでこき下ろしはしない。

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2 コメント

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TB有り難うございました (海音)
2007-06-20 23:39:35
 映画は今でもいまいちの評価なんですが、BRUTUSの大松本論特集を読んで、彼のDVD作品を本当に観たくなりました。やっぱり、彼個人には興味がつきません。夢にまで出てきました(笑)
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コメントどうもです (しん)
2007-06-27 01:19:39
>海音さま
私も嫌いじゃないんですね
飽きずに懲りずに、第二作目、三作目と撮っていった時にはじめて「大日本人」の評価が定まるのかもと思っています。
返信する

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