個人的評価:■■□□□□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
ものすごい金をかけた超大作のはずなのに、低予算テレビドラマを観てる気にさせる(くらい安っぽい画づくりばかりする)のはこの監督の一種の才能だろうか。
説明台詞多すぎで、喋らすだけで上映時間の大半を使ってしまいそうな脚本を作った人々も責任のがれはできまい。
久々に再会した人々に立ち話で説明台詞を延々続けさせるなど、撮影時間短縮・低予算ゴマカシのためのテクニックではないか? 予算60億をウリにする作品でなぜそんなチンクシャなストーリーテリングに付き合わされねばならん。
金かかってるっぽい見所はクライマックスシーンくらいで、後は特撮スペクタクルほんのわずかの他は面白くもない説明シーンが延々続く。
中盤の見せ場となるべき羽田空港大爆破シーンはほんの数秒、何カットかだけ。空港破壊シーンよりコンビニ火災シーンの方に時間を長く使うなどエンターテインメント精神が破壊的に欠如しているとしか思えない。
ケンヂ(唐沢寿明)の気持ち的には自分の店であるコンビニ炎上の方が、羽田空港破壊よりショックが大きいかもしれないが、彼が全てを敵に回してでも悪と戦おうと決意させる動機としては、たかがコンビニ一軒はあまりに小さすぎる。
そのコンビニ炎上までのくだりも映画ファン幻滅必至の酷さだ。
数十人のカルト教団信者に取り上げられた赤ん坊。そこにやってくるケンヂ。1対30~40の戦いである。圧倒的不利な状況をいかに打破して子供を救うのか・・・と嫌が応にも期待させられる。
ところがケンヂが何をしたかと言えば、10秒程度のもみ合いへし合いをした後に赤ん坊を奪取して出てくるのみ。
この映画の作り手たちは、もみ合いへし合いするだけのシーンが面白いとでも思ったのだろうか?
その後、赤ん坊を取り返そうとする信者たちにユキジ(常磐貴子)が犬をけしかけるのだが、だったら最初から犬をけしかけてから信者の中に飛び込み赤ん坊を奪還するとした方がまだマシだったろう。
タイでのオッチョ(豊川悦司)のアクションも銃を討つ敵に真っすぐ向かっていってやっつけるというアクション。強いというより無謀にしか見えない。殺陣を考えるのがメンドクサイだけだったのではないかと思ってしまう。
その他にもがっかりポイントが多すぎる。
レーザー銃はその威力を見せる事無く終わる。
ともだちコンサートの百人くらいの観衆たちに捕まったケンヂは何もされずに外に出されるだけ。(しかもケンヂはそのまま退散)
中盤、ケンジがテロリストとして指名手配されるに至った経緯も、説明台詞で語られるのみ。陰謀にはまり追いつめられていくサスペンスを全部すっとばして説明台詞だけで感情移入させようというのか?
とにかく喋ってばかりで見せ場の無い展開。その喋る部分の演出も問題だ。
冒頭の刑務所のシーンで、漫画家が面白くも何ともない台詞を延々喋るのだが、このキャラ少なくとも第一部においては少しも本筋にからまずまったく重要ではないキャラだ。にもかかわらず彼のつまらない長ゼリをアップでカットを刻んで描く。しかもご丁寧に感情移入をうながすためのBGMまで付けて。くどい。くどすぎる。
つまらない長ゼリなんて引きのワンショットでさっさと済ませばいいのだ。
もちろんそれ以前の脚本段階で、つまらない台詞をなるべく少なくする努力が必要だ。
しかし、この映画はつまらない台詞を増やし説明シーンをバカ丁寧に撮り、一方でアクションシーンやスペクタクルシーンを減らし短くしてさっさと済まそうとする。
真逆だ。
大予算娯楽映画の発想ではない。
狭くるしく安っぽいセット。驚きの無いカメラワーク。上映時間の割に少ないスペクタクルシーン。不親切で喋り過ぎの脚本。無駄にくどい演出。
続編は、いまのところ観たいとは思わない。これだけつまらないとハットリくんの正体とかどうだっていい。
ちなみに原作は未読。原作者が脚色としてクレジットされているが、映画の脚本家としていい仕事したとはとても思えない。自分のペースで止まったり戻ったりパラパラ進めたりできる漫画での観賞の方が楽しめそうだ。
この監督、止まりどころや進めどころを決定的に間違っているような気がしてならない。
********
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
ものすごい金をかけた超大作のはずなのに、低予算テレビドラマを観てる気にさせる(くらい安っぽい画づくりばかりする)のはこの監督の一種の才能だろうか。
説明台詞多すぎで、喋らすだけで上映時間の大半を使ってしまいそうな脚本を作った人々も責任のがれはできまい。
久々に再会した人々に立ち話で説明台詞を延々続けさせるなど、撮影時間短縮・低予算ゴマカシのためのテクニックではないか? 予算60億をウリにする作品でなぜそんなチンクシャなストーリーテリングに付き合わされねばならん。
金かかってるっぽい見所はクライマックスシーンくらいで、後は特撮スペクタクルほんのわずかの他は面白くもない説明シーンが延々続く。
中盤の見せ場となるべき羽田空港大爆破シーンはほんの数秒、何カットかだけ。空港破壊シーンよりコンビニ火災シーンの方に時間を長く使うなどエンターテインメント精神が破壊的に欠如しているとしか思えない。
ケンヂ(唐沢寿明)の気持ち的には自分の店であるコンビニ炎上の方が、羽田空港破壊よりショックが大きいかもしれないが、彼が全てを敵に回してでも悪と戦おうと決意させる動機としては、たかがコンビニ一軒はあまりに小さすぎる。
そのコンビニ炎上までのくだりも映画ファン幻滅必至の酷さだ。
数十人のカルト教団信者に取り上げられた赤ん坊。そこにやってくるケンヂ。1対30~40の戦いである。圧倒的不利な状況をいかに打破して子供を救うのか・・・と嫌が応にも期待させられる。
ところがケンヂが何をしたかと言えば、10秒程度のもみ合いへし合いをした後に赤ん坊を奪取して出てくるのみ。
この映画の作り手たちは、もみ合いへし合いするだけのシーンが面白いとでも思ったのだろうか?
その後、赤ん坊を取り返そうとする信者たちにユキジ(常磐貴子)が犬をけしかけるのだが、だったら最初から犬をけしかけてから信者の中に飛び込み赤ん坊を奪還するとした方がまだマシだったろう。
タイでのオッチョ(豊川悦司)のアクションも銃を討つ敵に真っすぐ向かっていってやっつけるというアクション。強いというより無謀にしか見えない。殺陣を考えるのがメンドクサイだけだったのではないかと思ってしまう。
その他にもがっかりポイントが多すぎる。
レーザー銃はその威力を見せる事無く終わる。
ともだちコンサートの百人くらいの観衆たちに捕まったケンヂは何もされずに外に出されるだけ。(しかもケンヂはそのまま退散)
中盤、ケンジがテロリストとして指名手配されるに至った経緯も、説明台詞で語られるのみ。陰謀にはまり追いつめられていくサスペンスを全部すっとばして説明台詞だけで感情移入させようというのか?
とにかく喋ってばかりで見せ場の無い展開。その喋る部分の演出も問題だ。
冒頭の刑務所のシーンで、漫画家が面白くも何ともない台詞を延々喋るのだが、このキャラ少なくとも第一部においては少しも本筋にからまずまったく重要ではないキャラだ。にもかかわらず彼のつまらない長ゼリをアップでカットを刻んで描く。しかもご丁寧に感情移入をうながすためのBGMまで付けて。くどい。くどすぎる。
つまらない長ゼリなんて引きのワンショットでさっさと済ませばいいのだ。
もちろんそれ以前の脚本段階で、つまらない台詞をなるべく少なくする努力が必要だ。
しかし、この映画はつまらない台詞を増やし説明シーンをバカ丁寧に撮り、一方でアクションシーンやスペクタクルシーンを減らし短くしてさっさと済まそうとする。
真逆だ。
大予算娯楽映画の発想ではない。
狭くるしく安っぽいセット。驚きの無いカメラワーク。上映時間の割に少ないスペクタクルシーン。不親切で喋り過ぎの脚本。無駄にくどい演出。
続編は、いまのところ観たいとは思わない。これだけつまらないとハットリくんの正体とかどうだっていい。
ちなみに原作は未読。原作者が脚色としてクレジットされているが、映画の脚本家としていい仕事したとはとても思えない。自分のペースで止まったり戻ったりパラパラ進めたりできる漫画での観賞の方が楽しめそうだ。
この監督、止まりどころや進めどころを決定的に間違っているような気がしてならない。
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うーん、セリフが多いようには感じなかったのは、なぜでしょう。
実はしょぼい、というのが漫画のコンセプトにもあるんですよ。その辺のどこか安っぽさと、昭和のしょんべン臭い空気と、妙な近未来的な按配が混ざり合ってたと思います。
きっと、浦沢にも、「おれの漫画読んでるだろ!」みたいな驕りも根底にあるかもしれませんね。
あたしは、漫画になかった音を楽しめました。
字面でいくら「ぎゃわわーーーん♪」とかやられても、さっぱり伝わらなかったのですが、結構腹に来る音はよかったです。
原作にあるカット割などを気にしながら撮ったみたい
ですよ。監督が言うには。
原作自体もそんなにアクションが満載って感じではなかったし。まぁ原作を読んでた僕は十分楽しめました。
原作読んでる事前提の作品であるかもしれないですし、しょぼさは狙いもあるのかもしれませんが、画作りの下手さと、台詞のわざとらしさはいかんともしがたいものがあるなあ・・・と思ったんですよね。
原作者が強いと映画がダメになるケースも多いんですよね
>あさださま
原作読んでれば映画は見なくても良さそうですね