今回から駿台国際教育センターの中学・高校入試の各教科担当の先生方から
学習のポイントについてお伝えしてまいります。(掲載は不定期となります。)
第1回目は国語編です。以下先生からのコメントです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国語で多くの帰国生が悩み(苦手)とするのが物語文です。
特に【心情を読み取ることが苦手】というのが挙げられます。
今回はその原因とその改善に役立つお薦めの本をご紹介いたします。
帰国生がなぜ心情を読み取ることが苦手かというと、
物語文では「うれしい」や「悲しい」といった直接的な表現ではなく、
心情表現、文脈、場面の雰囲気などから読み手が登場人物の気持ちを
想像しなければなりませんが、帰国生の多くは日本の文化や習慣に慣れておらず、
そういった間接的な感情を表す表現を、理解しきれていないことがあります。
「うれしい」や「悲しい」という心情は分かっていても、物語文の中で、
それらが人物のしぐさや表情、どのような情景描写で表されているのか
分からなかったり、その心情を言いかえた別の表現を知らなかったりすること
があります。
そこで、特に心情に関する語彙を増やすためのお薦めの本をご紹介いたします。
------------------------------------------------------
書名:気持ちをあらわす「基礎日本語辞典」
著者:森田良行
出版社:角川文庫(角川ソフィア文庫)
-------------------------------------------------------
※中3生徒向けになりますが、他の学年の方にもお薦めです。
この本を読むことによって、日本語の微妙なニュアンスが掴むことができます。
「驚く」「感心する」「かわいそう」「気の毒」など、気分や、
感情を表す言葉が厳選されており、それらの言葉の大元の意味や使い方、
それぞれの違いが丁寧に書かれています。
保護者の方でも「なるほど」と思える1冊です。ご一読してみてはいかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
shk