クリスマスイブ、私はいつも通り仕事を終え、携帯を見るとキヨちゃんからの留守電。
「父ちゃん、熱あるんよ。一日何にも食べない。」
帰りにコンビニで、食べられそうな物をいくつか買いそろえて帰宅した。しかし、コーヒーを1口飲んだだけ。熱はおそらく脱水だろうと思われるが、嘔気があって、受け付けない。朝の薬が吐き出した形でゴミ箱にあった。
「明日、食べられなければ、往診頼んで点滴してもらおう。」
そう決めた。
クリスマス、私は夜勤なので、午前中買い物に行く予定だった。朝、父に食事を勧めるも拒否。苦しい上に、酸素の加減か脱水の加減か、支離滅裂な事を言う。
「透析の液に栄養があるから、食べんでも死なん。」
「医者やお前らは間違うとる。食えないのだから、食わない。」
「透析止める!」
そのひとつひとつに、説明をする。透析を止めては生きられないこと、食べない結果入院したこと、血液検査に顕著に現れてること。それでも、無茶苦茶な我が儘が続く。それが無茶苦茶であればあるほど、父が苦しいのだと分かるから辛い。話すうちに涙があふれてきた。少しきつく叱った。
「どれだけ、母さんや私が心配してると思いよるん。父さんが食べないなら、医者を呼 ぶ、それでもだめなら救急車を呼ぶから!」
朝は、スープを私が口に運んで、わずかに3さじ飲めただけだった。近所の医師に電話する。午後点滴に来てくれた。途中腕が腫れて(液漏れ)、電話。繋がらず、友人ナースから携帯に電話して貰う。ほどなく診療所のナースから電話。
「たこかん、つまんでみて。血逆流する?」
「あ、します。」
「なら、完璧には漏れてないだろうから、行くまで少しずつ落としていても大丈夫。」
指示通りゆっくり点滴を落としながら待った。しばらくして、ナース到着。点滴再開した。点滴液が入るごとに、父の表情が楽になる感じがした。
夕方、血糖値が低い。当然だ、食べてないのだから。点滴は糖尿があるので、生理食塩水だけにしてもらったのだ。以前同じような状況で、救急病院で糖質のある点滴をしたら、血糖値が恐ろしいことになった経緯があったからだ。結果、血糖は上がらない。
ブドウ糖を白湯で溶いて飲ませる。クリスマスなのでちょっとショートケーキを二口ほど勧めてみる。
「ひどい(すごい)もんじゃのう。むかむかせんぞ・・・。」
点滴の効果絶大だ。普通の意見である。そして、夕飯をほんの少しだが食べられた。
枕元には大阪の友人が送ってくれた鶴が貼ってある。父を心配して折ってくれたのだ。たった3羽だけれど、とても心を込めて丁寧に折ってくれているのが一目で分かった。
「ありがたいな・・」
父もしみじみ言った。実は彼女も闘病中だ。きっと私より、人の痛みには敏感だろう。それだけに、本当に有り難い心遣いだ。
がんばろうな。父さん、母さん。たくさんの近所の人や、親戚や、友人に支えられて、私たち家族は頑張れる。だからこそ、がんばらなきゃ。
ここをクリックしてお立ち寄りください。
「父ちゃん、熱あるんよ。一日何にも食べない。」
帰りにコンビニで、食べられそうな物をいくつか買いそろえて帰宅した。しかし、コーヒーを1口飲んだだけ。熱はおそらく脱水だろうと思われるが、嘔気があって、受け付けない。朝の薬が吐き出した形でゴミ箱にあった。
「明日、食べられなければ、往診頼んで点滴してもらおう。」
そう決めた。
クリスマス、私は夜勤なので、午前中買い物に行く予定だった。朝、父に食事を勧めるも拒否。苦しい上に、酸素の加減か脱水の加減か、支離滅裂な事を言う。
「透析の液に栄養があるから、食べんでも死なん。」
「医者やお前らは間違うとる。食えないのだから、食わない。」
「透析止める!」
そのひとつひとつに、説明をする。透析を止めては生きられないこと、食べない結果入院したこと、血液検査に顕著に現れてること。それでも、無茶苦茶な我が儘が続く。それが無茶苦茶であればあるほど、父が苦しいのだと分かるから辛い。話すうちに涙があふれてきた。少しきつく叱った。
「どれだけ、母さんや私が心配してると思いよるん。父さんが食べないなら、医者を呼 ぶ、それでもだめなら救急車を呼ぶから!」
朝は、スープを私が口に運んで、わずかに3さじ飲めただけだった。近所の医師に電話する。午後点滴に来てくれた。途中腕が腫れて(液漏れ)、電話。繋がらず、友人ナースから携帯に電話して貰う。ほどなく診療所のナースから電話。
「たこかん、つまんでみて。血逆流する?」
「あ、します。」
「なら、完璧には漏れてないだろうから、行くまで少しずつ落としていても大丈夫。」
指示通りゆっくり点滴を落としながら待った。しばらくして、ナース到着。点滴再開した。点滴液が入るごとに、父の表情が楽になる感じがした。
夕方、血糖値が低い。当然だ、食べてないのだから。点滴は糖尿があるので、生理食塩水だけにしてもらったのだ。以前同じような状況で、救急病院で糖質のある点滴をしたら、血糖値が恐ろしいことになった経緯があったからだ。結果、血糖は上がらない。
ブドウ糖を白湯で溶いて飲ませる。クリスマスなのでちょっとショートケーキを二口ほど勧めてみる。
「ひどい(すごい)もんじゃのう。むかむかせんぞ・・・。」
点滴の効果絶大だ。普通の意見である。そして、夕飯をほんの少しだが食べられた。
枕元には大阪の友人が送ってくれた鶴が貼ってある。父を心配して折ってくれたのだ。たった3羽だけれど、とても心を込めて丁寧に折ってくれているのが一目で分かった。
「ありがたいな・・」
父もしみじみ言った。実は彼女も闘病中だ。きっと私より、人の痛みには敏感だろう。それだけに、本当に有り難い心遣いだ。
がんばろうな。父さん、母さん。たくさんの近所の人や、親戚や、友人に支えられて、私たち家族は頑張れる。だからこそ、がんばらなきゃ。
ここをクリックしてお立ち寄りください。