すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

拡声器なおばちゃん

2011-05-12 21:49:42 | ひとりごと
 田舎に限らず、どこにでも「世話焼きな」おばちゃんはいるものだ。社交的で、ちょっぴり図々しくはあるが頼りがいもある。地元の人の事はほっとけない。自分の家族のように心配し、走り回り、世話を焼く。
 私の周辺にも数人の「世話焼き」おばちゃんがいる。その中のあるおばちゃんに個人の携帯番号をゲットされた同僚が、時々召集をかけられる。そして、そのバトンは必ず私に来るのだ。
 一度目は「90を過ぎた独居のおばあちゃんが動けなくなった、何とかして。」という内容だった。行くと、民生委員、親戚、ご近所すべて招集されていた。テキパキと親戚も舌を巻く中で話を進めていく。
 二度目は認知症のおじいちゃんに家族が困っているという内容だった。休みに携帯にかかってきたという彼は、出勤して私にバトン。電話連絡して訪問日を決めて帰ったが、帰り着くと何故か私の家にそのご家族から電話。???何故個人の家に?とりあえず訪問日を変えて欲しいというので、変えて訪問した。
 お話を伺いながら、何故私の家の電話番号を知っていたのか気になっていた。まあ、狭い町なので知っていても不思議はないが、お嫁さんは
 「何から何までおばちゃんにお世話になって。すずさんの家の電話番号も教えてくれて、かけて日を変えなさいって。」
と言った。・・・あ、おばちゃん発進なのね。そして、日を変えたのにご主人とかはいないのだな・・・と思っていたら、息を切らしながらおばちゃんが到着。
 「昨日は私が都合悪かったんよ。」
 そう、おばちゃんの都合だったのだ。大人しいお嫁さんに代わって次々話を進めていく。
 こういう人は本当に大事なのだが、諸刃の剣だったりもする。悪気はないのだが、彼女たちには「守秘義務」がない上に、精一杯ご近所皆でお世話するが多分モットーなので、実は隠しておきたい家庭の事情も、思いっきりもれてしまう。そしてそれは尾ひれはひれが付いて・・・。
 偶然市役所であった人に
 「この前、○○さん家に行ったんだろう。おばちゃん言いよった。」
など声をかけられるのだ。
 最初に携帯ゲットされた同僚も
 「おい。××さんがこの前の家の事言いよったぞ。かなりオーバーな話になっとる。」
と話していた。そこで、市役所での話をすると
 「あちゃ~。あいつに話したという事は、スピーカーがスピーカーにつないだようなもんじゃ。町中知れ渡るぞ。」
と頭を抱えた。
 世話焼きおばちゃん・・・。それは本当にありがたい存在なのだ。しかし、しかしねえ・・・。

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コメント (3)
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