すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

待てない!曲げない!

2017-09-29 22:10:31 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはとにかく待てない。そして、自分が納得するまで意地を通す。
 どこの家でもそうだろうが、ふる~い布団などがある。勿論、物のない時代から爺ちゃんや父母が買いためたものだから、どれほど「ボロ」になっても「財産」というイメージがある。
 それでも、使っていたり時々出して干していればいいが、そんなこと出来もしないし、軽い羽毛布団や、安物でも軽くて良い布団がある時代、重くて今更打ち直しもしない綿布団は使う事もない。
 とは言え、これはキヨちゃんの財産だから、邪魔だろうが無駄だろうがそのままにしていた。ところが、今回ようやくキヨちゃんが思いたって、
 「あの布団を捨てる。」
と言い出した。
 それは是非もない。調べると月1回の資源ごみの日でも出せると言う事なので、10月の収拾日までに整理しようと言う事になった。
 ところが、思いたったら待てないキヨちゃん。私の休みにでもすればいいものを、一人で押し入れ中の布団を引っ張り出した。しかも、収拾日まで2週間以上ある。前もって言ってあったが聞いていない。
 「重かった。出すだけは出したけん、小さくまとめておいてくれ。」
と言うので、くりりんが、
 「収拾日までにちゃんとします。」
と伝えた。当然休みだとか、仕事を早く終われた日でないと無理だ。
 しかし、キヨちゃんは待てない。翌日仕事から戻ると半分片付いている。聞くと近所のおじさんを雇って1時間がかりで片づけたのだという。
 「鬱陶しい。母ちゃんこんな片づかんの好かん。あのままや置けるか!」
・・・って、誰が広げたのだ、こんな中途半端な時期に、しかも一人で。こういう事をしておいて、痛いの、しんどいの、母ちゃんがせなする人おらんの、と「クゼツ」を言うのでたまらない。
 昨夜もイラッとして喧嘩になった。勿論、一人で片づけた事もあるが、布団を整理したら私たちの部屋の押し入れに入っている「私たちのものでない」荷物をそっちへ移せるという有難い話のついでに、「キヨちゃんにとって必要ない」私たちの荷物について、
 「何や分からんもん、納屋にでも運べ。」
と言い出したのだ。
 昔からそうだ。本に興味のないキヨちゃんは、物の高さ調整に私の教科書を挟んだくらいだ。他人の物にそれほどクールなくせに、それこそ私から見たら「どうでもいい」物に執着を見せる。そのあたりでイラッとしたのだ。
 勿論、いつものように朝にはリセットされたキヨちゃんだが、日中またムクムクと感情が盛り上がったのか、今朝は捨てるものリストに追加して貰った最も大きな綿布団が、仕事を終えて帰ると「キープ」組に回っていた。しかも、また一人で片づけし、
 「お前らの押し入れもしようと思ったが出来なかった。」
と言う。おいおい、勘弁してほしい。触られなくて良かった。
 「執着と言い、物言いと言い、やっぱりちょっとボケてきたんじゃない?」
冷静にくりりんは言う。
 それならそれで問題だし、ただの悪年ならそれも問題だ。やれやれ・・・。

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コメント (2)
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