心残り

おふくろ　おふくろ
毎日のように　訪ねてきた
血糖値が高い母親に
こっそり　おやつを運んでくる

だめですよ　お母さんは糖尿だから
小さい子供が叱られたように
いつも　残念そうに持ち帰る

そんな息子が愛しくて
心配で心配でならなかったあなた
自分の身体が利かなくても
出来ることは　自分でした
少しでも　元気で長生きしなきゃ
そう　思っていたのでしょう？

あなたが　急逝するなんて
一体誰が思ったでしょう
私たち以上に
きっと　家族は信じなかったでしょう

心残りでしょうね
あんなに　心配していた息子さんを残して
どんなに大人になったって
あなたには　小さな子供だったから・・・

そちらからは　見守れますか
そちらからも　見守れますか

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あ、歩けない・・・

　激務続きだった後、父の入院騒ぎで、すっかり身体にきていたが、メンテナンスを怠っていた。
　２，３日前から何となく違和感があったが、寝返りを打っても「ぎゃ！」と言ってしまうほどの激痛が足の付け根に・・・。柔軟体操でもして、開脚して「びちっ」って筋を痛めたかのような状態だ。しかし、全く身に覚えがない。
　昨日は仕事中、ずっと片足をひっぱて歩いた。そのうち、ひずみが膝にきた。このままでは、歩けなくなる。（勿論そんな大事ではなく、仕事に差し支えるほどの歩行状態になるという意味）
　いつもお世話になっている整体に電話するが、予約がいっぱいだ。肩こりや少々の腰痛なら我慢するが、このままでは翌日働けない。そこで友人に頼んで、他の整体に連れていってもらった。
　そこは以前、捻挫をしたときにお世話になったところだ。とにかく急いで何とか直すのには向いている。あの時も、その場で歩けるようにしていただいた。
　今回は、どうやら根はいたるところにあったようで、首、肩、腰、足、お尻、どこのつぼをおされても「ぎゃ！」であった。リンパの流れが悪いらしく、最後はリンパマッサージ。やってるうちに、シャープな痛みはなくなった。
　家に着いたときは、まだまだ痛かったのだが、今日はずいぶん楽だ。しかし、今回は本当にきつい。近いうちにもう一回メンテナンスの必要がありそうだ。
　明日も早いし、あさってはもっと早い。さしあさっては夜勤だ。イブは仕事だし、クリスマスは夜勤だし、３０日も大晦日も仕事だ！ええ？！いつメンテナンスしよう？？？

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一応退院

　今日、父が退院した。血液検査の結果がまずまずだったのが、一応の理由なのだが、実のところまだ食欲が出ているわけではない。
　徳島弁で言うところの
「たりかえって、てにゃわん」
状態なので、連れて帰ったというところだ。つまり「たる（あきる）・・・退屈してあきあきして」「てにゃわん（手に負えない）」から・・・という理由である。
　点滴につながれて、毎日ベッドに寝ているものだから、幻覚を見たり、妄想が出始めた。動けないから歩けなくなる懸念もあった。我が儘が出始め、だだをこねる。ドクターに相談すると、
　「自宅で養生する方が本人のためかも知れませんね。」
ということになった。善は急げで、今日のうちに連れ帰った。
　父はとにかく荷物が多い。透析の機械。接続の機械。それ以外の透析の為の小物たち。酸素。吸入器。それから、普通の入院グッズ。
　とりあえず、母とふたりで荷物を運ぶ。母に家の準備を任せて、父を迎えに行った。すると、待合室で親戚のおじさんが所在なく座っていた。
　「おっちゃん、どしたん？」
　「どしたんって、おじきから（父）電話あって、すぐ迎えに来いって・・・。来たら荷物はないし、お前らおらんし、わし、何したらええん？」
・・・・・。やられた。父のぼけぼけだ。おじさんに申し訳なくて、腰砕けた。
　退院してきたら、お粥とかぼちゃのスープを半分ずつ食べられた。このまま、ぼけぼけも体調も快復するといいな・・・。快復して欲しいなあ・・・。

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わいわい喧嘩

　父が入院して、家族間では毎日にぎやかな喧嘩が起きる。内容は実にくだらない。
　キヨちゃんが自宅に泊まると
　「寂しくて眠れない」
と訴える。そのくせ、病院で何日も眠れないと身体がもたない！と安定剤を飲み、爆睡して父の訴えに気づかない場合がある。どうせなら、自宅で飲めよ！と言うことになる。
　父は点滴につながれて、毎日寝ている物だから、たまには幻覚が出る。夕べは点滴の速度を調整するつまみが動くと思ったらしく、点滴の連結部を引き抜いてしまった。結果、点滴液は漏れるは、出血はするは・・・てな事態となったらしい。
　「だからな、お薬の影響で、そんな風に見えたんじゃわ。」
　「いや、動くんじゃ」
　「動かんって」
と、不毛な押し問答をする。
　食欲のない父は朝ご飯を８時からはじめて１０時までにようやく一口という日がある。かなり気長に、せかさずに見守る私でも、ついつい
　「もうそろそろ何か食べんと、薬の時間あるし、家に帰ってから困るで」
と言ってしまう。そこで
　「やいやい言うな。食えりゃ食うわ」
となる。
　腎不全の父はほとんど排尿がないので、尿意を催してから２０分尿器を当てて待ち、結局出ないことがざらである。介護職の私は慣れっこだが、キヨちゃんはそうはいかないのでついついせかしてしまう。
　「母さんは私より年寄りなんやし、介護の専門ちゃうんやけん、同じにはいかんよ。」
とフォローするのだが、父にしてみれば、娘には甘いわけで、私の手柄を見つけては
　「ほ～れ、お前とは違う。」
とやってしまう。キヨちゃんもそうなると少しは拗ねてしまう。　
　今日も何だかくだらない喧嘩を三人で繰り広げたが、夕方父がスープと焼き芋を少し食べられたので、帳消しになった。みんなで
　「よかったね～」
と言い合って終わった。
　最後にほっとしたキヨちゃんが好物のコーラを飲もうとしたら、いきなり吹いて大騒ぎになった。着替えた服も床もコーラまみれである。
　「ごめんよ。私そっと持ってきたんやけどなあ。時間もたってるし、部屋がそんだけぬくいんかなあ？」
と謝る私に、キヨちゃんはこう言った。
　「いや、母ちゃんが振ったんよ。」
・・・？なぜ？炭酸を？
　「底の方においしいのが、たまっとる気がして、混ぜてみたん。」
やはり、何と言ってもムードメーカーは彼女である。ん？トラブルメーカー？

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留守宅の猫

　父が入院して、キヨちゃんとふたりで交替で付き添っているものだから、我が家の猫は留守番ばかりだ。夜勤の晩には外で眠るのだから、慣れてはいるのだろうが、毎日昼も夜も留守だと、さすがにストレスも溜まるだろう。
　先日交替するときは、
　「あんまりよく眠むりよったけん、裏口を少し開けてきたよ～」
とキヨちゃん。すぐ私が帰るからいいか・・・と思っていた。
　さて戻ってみると、うちの愛猫は布団の中。よその猫がうちの台所で食事していた。まさに「泥棒猫」である。これでは困るので、やはり留守中は外でいてもらうしかない。
　私たちの身体も、床で眠るのでかちかちである。早く退院してほしい気持もあるけれど、しっかり食べられるようになってもらわなければ、元の木阿弥とも思えて微妙である。
　愛猫の方も、父の入院生活には慣れているはずだが、それでも探している。寂しさから普段甘えないキヨちゃんと寝るのだから、ストレスもあるだろう。家人がいる間は、そばを離れない。
　がんばれ！きっと食欲が出て、父ちゃん戻ってくるから！


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経過報告

　父が入院してから、母と交替で付き添っている。普通の患者なら、別に付き添うほどでもないのだろうが、透析をする以上、必ず家族のサポートがいる。
　父の食欲はまだまだだが、今朝はラスクを３枚食べた。お昼にはりんごを二切れ食べられた。夕飯には少し早かったけれど、おやつ頃、フルーツサンドイッチを食べられた。
　血液検査の結果が思いの外良かったらしい。主治医から
　「順調ですね。早く退院出来そうですね」
と言われた。おやつは、その話の後だったから、その言葉も力になったのかも知れない。
　点滴があっての体力だから、早く食事だけでクリア出来るようにならなければ、退院とはいかない。でも、このまま少しずつ快復してくれれば、それは遠くない気がする。
　さあ、明日は４時半起きでがんばるぞ！

ところで・・・。監査はどういうわけか、延期になり・・・。気の抜けない日々だ。

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入院・・・入院

　今日、父が入院した。２３日には元気に電動車椅子で出掛けていたのに、その後食欲がなくなった。私が激務に追われて、サインを見逃している間に、体力も落ちた。父のような病人にとって、栄養不足はあっという間に体力を奪うのだと思い知った。
　いつもの通院日。ドクターに現状を報告。予定になかったレントゲンと血液検査をした。
　「ごはんが食べられないようですので、点滴で補いましょう。」
ということになった。私には
　「このままでは、お命にかかわりますので」
と付け加えた。
　まただ・・・。もう何回こういうことがあったろう。４年前はもう駄目かと覚悟した。それでいながら、２年後の父の喜寿と両親の金婚式を目標にした。それまで生きさせてみせる！それが出来たらきっと長生き出来る。そして、それは達成できた。
　去年の秋は主治医に
　「この冬は越せないかもしれません。」
と言われた。奥歯をかみしめて、母には話さなかった。しかし、これも裏切った。
　今回もそうでないと言い切れるはずがない。何度でも裏切ってみせる。私は負けない。
　今夜は母に任せて、私が帰宅した。ゆうべも寝てないのだから、早く休もうと思っていたのに、思いついてトイレ掃除を始めた。清潔な芳香がするまで一心に磨いた。
　家人が入院中に、こまめに掃除などをしていると
　「いよいよいけなくて、葬儀の準備をしている」
と誤解を招くことがあるから、夜にする。
　かつて母が掃除をして
　「死ぬと決まった訳でもないのに・・・」
と口さがなく言われたことがあった。でも、今私には分かる。何かせずにはいられなかったのだ。
　まだまだ始まったばかり。負けるもんか！負けるもんか！

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パワフルおでん

　毎日忙しい私を、キヨちゃんはとても心配している。けれど、私が帰り着く頃はいつも夢の中なので、どれくらい遅いかは実は分かっていない。
　「明日早いんだろう！早う寝ない。」
普段夜８時にこんなことを言うキヨちゃんである。２３時までの勤務の後残業しているなんて知ったら、倒れるかもしれない。
　２日は午後からの勤務だったが、午前から出勤した。お弁当も２回分用意した。するとキヨちゃんがお手製のおでんを持っていけと言うのだ。
　「ようけ作ったんじゃけん。ようけ持っていきな。」
レンジ対応の容器に入れて、持参する。暖かいおでんはとても有り難かった。
　さて、食事時間。おでんをチンしていただいた。
　じゃがいも。これは家の畑でとれたほくほくのお芋だ。練り物も美味しい。大根も我が家のもの。たまごはいい色に煮上がっている。すじ肉は・・・。ん？すじ肉・・・？
　肉は確かにすじ肉が入っていた。しかし、それ以外にもすじ肉とは思えない物が肺っていたのだ。それはどう見ても「カルビ」と「レバー」だった。
　なんとパワフルなおでんだろう。お疲れモードの私のためだろうが、あなどれない。さすがはキヨちゃん！！

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１２月・・・かあ・・・

　今年もとうとう師走に突入した。年賀状も書いてない。大掃除もしてない（正確に言うと小掃除も出来てない・・・）。クリスマスの予定もなければ、忘年会もまだ決まってない。今日激しく霰が降った。まだ冬タイヤに換えてない。急がなくては・・・。
　時間ばっかり慌ただしいのに、追いつかない。穏やかに年末を迎えられるといいな。監査が終われば、穏やかな生活に戻れるだろうか？もしかしたら、そうではないかもしれないけれど、それでも、区切りにはなる。早く終わればいいのに。

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