親戚回り

　今日は例の案内状を持って親戚を回った。
　朝、一番に近所の理髪店に自前のカラーリング剤を持込して染めてもらう。実は写真の前に染める予定だったのだが、パーマとの間がなくて出来ず、それ以降も忙しくてかなり酷い状態をスプレーでしのいでいたのだ。だからようやく染める事ができて、ほっとした。
　それからキヨちゃんと買い物。買い物の後でキヨちゃんも一緒に親戚へ。結婚写真も持参して見て貰った。父の姉に当たる伯母からは、
　「姉さんの若い頃に似てる。」　
と言われた。姉さんとは父の一番上の姉、つまりピンクの事だが（つまりは実の婆ちゃん）、さすがにばあやんの若い頃は知らないので・・・。でも、隔世遺伝？
　親戚回りの途中、見かけない青年が通りかかった。気安く伯母たちに挨拶をして、さわやかに去って行った。
　誰だか気になって聞くと、幼馴染（同級生）の再婚相手だと言う。ということは、帰っているってことであり、急いで電話した。明日は帰るというので、少しして彼女を訪ねる。
　この前あったのは１５年以上前かもしれない。徳島市内にいた頃はしょっちゅう会っていたが、彼女が市内からいなくなったりして、疎遠になった。
　会うチャンスもあったが、邪魔が入ったりして会えなかった。そして同窓会の時はお父様の初盆で・・・。だから本当に久しぶりである。
　幼馴染はいい。会った瞬間に子どもに戻る。わ～って声掛け合って、抱き合って、昨日も話したように話せる。
　「で、いくつなの？」
と年を聞くと、
　「え？私？・・・って、同級生じゃって（笑）。」
と相変わらずボケをかます彼女。
　「前会ったのいつだった？前の成人式の時は・・・。」
と私が同窓会を言い間違えた。
　さんざん笑っておいて
　「前の成人式の時は何で会えなかったっけ？」
とつられて間違える奴。
　笑いながら話を戻して、お互いのだんな様情報を交換。私と反対で、彼女のだんな様は六歳年下。その上童顔だから本当に若い。
　特に次の約束もしなかったが、これもまたいい。また会えたら同じように話せると思う。
　明日は高校、大学時代の同級生と会う。これも楽しみだな。


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キヨちゃんの疑問

　くりりんが来るまで、長く二人きりだったので、キヨちゃんも何かと気疲れがするらしい。勿論、くりりんは優しいし、キヨちゃんも仲良くしている。しかし、それでも、多分お互いに気を使う部分があるのは当然だろう。
　まず、くりりんが実家に帰って二三日、しみじみキヨちゃんが言った。
　「二人じゃと、どれば～もおかずがいらん。」
断っておくが、決してくりりんがフードファイターなわけではない。そして、私は結構食べるほうである。しかし、やはり大の男と、女・年寄りでは敵うはずもない。
　その上、父が現役だった頃は別として、長い闘病生活の頃は、とにかく食べさせる事が仕事なくらいだったから、本当にお供えほどしか食べない人だった。だから、キヨちゃんの中で計算が出来ないのだろう。
　それから、キヨちゃんが真剣に聞いた一言が、私のつぼになってしまった（ごめん、くりりん）。
　「くりちゃん・・・。生まれつき、あの頭なん？」
！！！！！？？？？爆爆！！！
　そうきたか～。あまりに見事なスキンヘッドだからだろうが、そうくるとは思わなかった。
　「いや、元々は髪の毛あったよ（って私も知らないけど）。」
　「ほんなら、何でないん？」
　「・・・・（言葉をどう選んだらいいのだ？）、えっと、だんだん抜けて・・・、今も少しはあるらしいけど・・・、きちんと剃って・・・。」
　だめだ、どうも上手く言えない。
　「何で剃るん？」
　「だから・・・、その、ちょこっとあるよりは、さっぱりするでえ。」
私もしどろもどろである。
　でもまあ、何とか納得は言ったらしい。大体、うちの父だっていい感じの頭だったのに、キヨちゃんも何を言い出すのか。
　その話をくりりんにしたら大うけ。スーパーポジティブシンキングのくりりんは
　「今まで隠していた人も、隠さずに町を歩くようになったのは僕のお陰だと思うよ。」
と、素人のスキンヘッドの走りだと豪語する。さらに
　「お母さんに見せたかったなあ～。野口五郎の（頭の）僕。」
・・・・・。それは、私も是非観たかった（いろんな意味で）。


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