水中花水谷八重子という女優
寒牡丹八重子のあとに八重子なし 嵐楓子
水谷八重子の舞台には常に気品がただよっていた。
八重子が舞台にあらわれると、一瞬、客席にざわめきのさざ波が立つ。
舞台用語では「ジワ」がくるという。
彼女は亡くなるまで「ジワがくる」女優であり続けた。
このたび没後30年を追悼して、「初代水谷八重子写真展」が銀座の資生堂で開催され、
見てきました。
展示された写真から往年の輝かしい舞台が偲ばれて、素敵な時間をすごしました。
写真展が開かれた資生堂ビル
わたしは、水谷八重子さんとは二度お会いしてます。
1度目は京都・南座のロビーでお目にかかりました。
2度目は銀座で、3丁目の和装小物の「くのや」さんでした。
彼女のいちばん好きな花は「冬バラ」だそうです。
「弱そうで強いから」と何かの本で読んだことがあります。
わたしの長いおしゃべりは無粋というもの。
水谷八重子の舞台写真をアップしましたので、ごゆっくりとご覧になってください。
これらの写真には、透きとおるようなさわやかさの中に、どこか芯の強さが伺えます。
水谷八重子は「冬バラ」のような人でした。
↑『鹿鳴館』 影山朝子
新橋演舞場、名古屋の中日劇場と観ております。
↑『金色夜叉』 宮 (貫一)中村吉右衛門 ↑『明治一代女』<新富座茶屋の二階> 叶家お梅
↑『十三夜』 せき (父親)大矢市次郎
↑『大つごもり』 みね
↑『蛍』 とき
↑『鶴八鶴次郎』 鶴八 (鶴次郎)中村勘三郎 ↑『寺田屋お登世』 登世
↑『智惠子抄』 智惠子
感動して、お芝居が終わってから、しばらくは席を立てませんでした。
↑『婦系図』<めの惣> お蔦
↑素顔の水谷八重子 出雲大社にて
お疲れさまです