Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

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庭に侘助が・・・・

2012-12-20 | 本日の○○


雪のなかで、ひそやかに咲いた紅花の小花に逢う。はっとする。侘助である。小輪の紅花をつけている。
                                     ( 自署『 すわやま余情 』 暮しの手帖社刊 より)

20年前に書いた拙文には「紅」と書いている。

神戸淡路大震災後に増築して、庭も少しだけ広くなった。

およそ7~8年も花をつけなかった侘助が今年は咲いたのである。

「白玉」とよばれる侘助である。 

 


侘助は「椿」の一種だという。

たしかに椿に似ているが「椿」ではない。

そのひかえめな風情が、枯淡を尊ぶ茶人の間に、切り花として愛好されてきた。

松本清張に『五瓣の椿』という小説があるが、茶花としていけるときは,蕾のほころびかけたもの、葉は清めて奇数に使うという。


 

庭に咲き誇ったわびすけ『白玉』。

 

   渡辺淳一さんの小説『ひとひらの雪』の中で、主人公が侘助を見てこう語っている。

   「白い花から、茂みの手前につくばいがあり、奥に灯籠が見える。その影にでも咲いたのか、いずれにしても侘助

   が咲く庭なら、静かな趣きのある庭に違いない」

   趣きのある庭といえば、鎌倉の尼寺・栄勝寺の山門のすぐ脇にある「侘助」に感動したことがある。

   それは、「枯淡」というにふさわしいお庭だが、控えめで、慎ましく、紅色の花をつけた「わびすけ」だった。

   なんでも後に市の天然記念物に指定されたらしいが、 この古木の風雅な姿を今も忘れることが出来ない。

   年が明けると、新年会で上京しますが、時間があればまた鎌倉まで足をのばしてあの「侘助」に再会したい、
   そう思っています。

  

           

 

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