いつもなら、歌舞伎公演だと劇場の前には役者さんの名前が書かれた幟がならびますが、
今回は趣きが違います。
『NINAGAWA十二夜』公演のためにだけ劇場正面に用意されたイルミネーション(画像)。
美しいロンドンのウエストエンドの香りに包まれて松竹座をライトアップしております。
この3月、ロンドンのパーピカンシアターでの公演を終えて、6月の新橋演舞場に引き続いての
大阪松竹座の凱旋公演です。
話にはきいてましたが、ハーフミラーの舞台効果はスゴイです。凄すぎます。
幕開きでは、3階席のてっぺんまで映し出されて、異様な迫力です。
摩訶不思議な感覚が増幅されましたよ(笑)。
今回いちばん感心したのが亀治郎の「麻阿」という腰元。
シェイクスピアの原作では「マライア」の役です。
歌舞伎の時代狂言にとらわれず自由奔放に演じているのが、じつにいい。
着物姿で床を這う、食べながらしゃべる、花道の縁に腰をかけて足をぶらつかせる。
いささかエスカレートが過ぎるのではと思いますが、それでいて嫌味がない。
その限度がどこまで許されるか、それが難しいのですが・・・。
シェイクスピアの四代悲劇は傑作ですが、ラヴコメディなど駄作も多いことは
以前ブログで触れました。
シェクスピア劇は、歌舞伎役者のもっている”芸”の力で、芝居をふくらませて、
より面白くできる恰好の作品だと思うんです。
『十二夜』は、双子の兄妹の取り違えの喜劇です。
これら早替わりの趣向は、歌舞伎が得意とする範疇(はんちゅう)なんですね。
この公演が、単に「物珍しさ」や「話題性」だけに終わってほしくない、
と思いますのは私だけでしょうか・・・。
つぎに買い物です。
十二夜の「ロンドン公演Tシャツ」を劇場売店で買っちゃいました。
もともと現地のスッタフ用にと制作されたTシャツをバービカンシアターで発売したところ
大好評だったらしく、急遽日本公演のために、限定追加されたものです。
サイズは、L、M、Sの3種。なにぶん外人サイズのためご注意を。
(画像/左)は背面上部、(画像/右)は背面下部。前面は無地です。
ロンドンスッタフともお揃いとなる稀少なTシャツなんだそうですが、こんなの浅草の仲見世で
よく見かける外人好みのデザインですよね(笑)。
背面上部だけにしときゃいいのに・・・。失礼!つい本音を。
松竹座正面が見慣れない雰囲気になっているんですね~ ・・・大阪を離れたので懐かしさと淋しさの混ざった不思議な気持ちです。 お芝居を離れてはや半年、月日の流れるのは早いもです。 お芝居を観劇する時間がなかなかとれずに毎日が矢のように過ぎていく感じです。
十二夜Tシャツ、素敵じゃないですか☆ ワンポイントにしてほしかったのは同感ですね~
気が早いですが、8月の上方歌舞伎会の感想、楽しみに待ってます(^^)