団塊シニアのひとりごと

定年退職して14年目になりました、定年後の生活で
日々感じたことを伝えたいと思ってます。

笑って72歳の生涯を全うした男性

2024年10月23日 | 老後の生き方

絵本作家の伊勢英子氏は夫のノンフィクション作家、柳田邦男

氏との対談集「はじまりの記憶」の中で実父についての思い出

を語っている、銀行員で退職後は画家として生きた父とのエピ

ソードは心温まるものがあった。

 

進行がんで余命4ヵ月と告知された父は家で絵を描き続けてア

トリエで死ぬ生き方を選んだ、酸素の管を鼻につけモルヒネで

痛みを抑えながら展覧会出品の絵を描き続け10ヵ月を見事に

生ききった、それは壮絶という言葉など全然にあわないユーモ

アとペーソスにあふれた10ヵ月だったという。

 

ユニークなのは告知をうけてまもなく誕生日に免許証の書き換

えに行った、もう自分で運転できない体力だったからタクシー

での往復「もうすぐ死ぬのに更新してどうするの?」という母

に「ばか、免許証がないとあの世で運転できないじゃないか」

といった父。

 

67キロあった体重が50キロになりMSコンチン止血剤、咳止

め、安定剤など14種類もの薬を服用していたそんな時期でさ

え飄々としていた、泣くかわりに笑い、周囲の人をも笑わせ7

2歳の生涯、死を目前にしてこんな生き方ができるなんて、素

晴らしい人間力に心を打たれた。


私が経験した実家じまい

2024年10月22日 | 老後の生き方

私が実家じまいを考えたのは母が認知症になって高齢者施設に

入居したときである、築60年の一軒家で住宅が密集しており、

空き家になることで空き巣や放火のリスクが懸念された、月2

回新幹線で家の掃除と近所への挨拶を2年間続けた。

 

現在日本では空き家が870万戸もあるという、全住宅の14

%である、なぜ空き家の処分が進まないのか?面倒だからであ

る、更地にすれば固定資産税が5倍から6倍になるし、親が認

知症だと売却できない、私の場合も母が施設に入居して生きて

る間は売却できなかった。

 

 

さらに空き家の状態でも固定資産税、光熱費の支払いも発生す

るし、後見人制度を活用すればいいと国では推奨してるが正直

使い勝手が悪い、第三者に通帳を渡して管理されるので家族に

とっては不便である、親が生きてる間に家族信託を利用すれば

家を売却できるが、親が元気な時は実家の処分の話をしたがら

ないので現実的には難しい、母が亡くなって4ヵ月で実家じま

いが完了したが思いのほか手続きが煩雑なため空き家が放置さ

れてることが、わかる気がする。

 

 


ひとり暮らしの高齢者が貧しいというのは本当だろうか?

2024年10月17日 | 老後の生き方

現在一人暮らしの高齢者は630万人(男性230万人、女性4

00万人)と5人に1人が一人暮らしである、また高齢の一人暮

らしの相対的貧困率(収入から税・社会保険料を引いた手取り額

が10万円以下)が男性230万人のうち38%、女性400万

人の52%と非常に高い、さらに生活保護受給の162万世帯の

約半分が高齢世帯である。

 

実際高齢者の無年金者は90万人、低年金者も含めると600万

人と言われてる、そのなかで女性のひとり暮らしの3割の人の年

金受給額が月3万~4万円である、昔は国民年金しかない自営業、

特に農家世帯が高く低年金、無年金の人が多かった。

 

夫が亡くなれば国民年金しか加入してないので遺族年金もでない、

本人が年金未加入だと無年金で困窮してしまう、しかし一人暮ら

しの高齢者の資産状況がわからない、実際年金が月3万円でも預

貯金が5千万円もあり有料老人ホームに入居してる高齢者もいる

だけに必ずしもデータだけでは判断できない、だから一人暮らし

の高齢者が貧しいとうのは本当だろうか?と思ったりする。


認知症で苦しんだ両親のこと

2024年10月16日 | 老後の生き方

昔は認知症が発症する前に亡くなっていたものだが今は長生きにな

り死ぬ前に多くの人が認知症になるようになった、私の両親は二人

とも幻覚症状の出るレビー小体型認知症で父は14年前の85歳の

とき、母は6年前の94歳のときだった。

 

認知症になったら何もわからなくなるから本人は苦しまないのでは

と思ってたものだった、しかし父が亡くなって遺品の整理をしてた

ときに見つけたメモ書き「何でこんな認知症なんかになったんだ、

苦しい、つらい」本人が一番異変に気づいて傷ついて言い知れぬ不

安を抱えてたことを知った。

 

母もそうだった、明日がどうなるかわからない苦しみ、高齢者施設

に入り、家に帰りたいのに帰れない苦しみ、さらに老いて弱くなっ

ていく情けない自分との闘い、過去と未来がつながらない不安な状

態、自分のことで精一杯だった亡き両親の姿が今でも脳裏に焼きつ

いている。

 

 


私がブログのつながりを感じる時

2024年10月15日 | 老後の生き方

リアルな世界で本音をぶつけ合う、例えば人生について真面目

に議論したりできる友人がどれだけいるだろうか?ふと考える

ことがある、ブログで生き方や人間関係について書いてるけれ

どリアルな世界で話せる人間はこの齢になるとほとんどいない。

 

そう考えると私がブログで書いたものにアクセスしてくれる人

たちが一日平均3000人前後いることは貴重なことだ、リア

な世界では考えられない、そして価値観や生き方に一人でも

感してくれる人がいてくれたらこんなうれしいことはない。

 

そんな時こそ私にとってブログのつながりを感じる瞬間である、

「同じ感覚を持ってる人とつながりたい」そのことにこだわり

を持って、もう少しブログを続けていきたいと思っている。


死んだあとのことは誰にもわからない

2024年10月12日 | 老後の生き方

人間は必ず死ぬ、生きてる限りすべての人は必ず死ぬ、それは今日

かもしれないし、明日かもしれない、病気や災害、死は常に思いが

けない形で襲いかかってくる、それは老若男女関係ない。

 

死ぬときはどんな人だって孤独だ、そこには貧富の差も社会的地位

もない、ひとりで生きて、ひとりで苦しみ、ひとりで死ぬ、そして

骨になりそれきっりになるがその人の記憶は遺族や友人の中で生き

ている。

 

死んだ後も人生は続く、死後の世界もあるという説、死んだら無に

なる、肉体がなくなればなにかもおしまいという説、いずれも生き

ている人たちが言ってることで死んだあとのことは誰にもわからな

い、私はそう思っている。


私にとって心のよりどころは

2024年10月11日 | 老後の生き方

他人から全く理解されなくても自分ひとりで熱中できてひとり

で楽しむことができるものを持ってることは心強い、いわゆる

自分だけの世界、自分だけの価値観を持っことは安心感につな

がる。

 

私が若い頃はいつでも本や音楽が身辺にあった、私に影響を与

えた本や音楽、それが出発点だった、いまだに自分にとって心

のよりどころである、ささやかな自分だけの世界、半世紀たっ

ても変わらない宝物である。

 

読みたくなる本と聴きたくなる曲があるだけで日々の景色が大

きく変わるものである、自分だけの世界を持てたときの安心感

があってはじめて自分を取り戻し、人間らしくなれると信じて

いる。


夫が亡くなり一人暮らしで困ったことは?

2024年10月10日 | 老後の生き方

現在65歳以上の女性の一人暮らしは約400万人いると言わ

れてる、実際夫を亡くし一人暮らしになり困ったこと、戸惑う

ことは何だろうか? 力仕事、近所親戚付き合い、病気のとき

や防犯面などが挙げられる、そんな一人暮らしの高齢女性の声

を集めてみた。

 

■膝を痛めているので重い荷物を持てない、ガーデニングが大

好きだけど大きな鉢を動かせない(70歳)

 

■高い所の掃除や蛍光灯の交換には困ります、踏み台にのって

作業して落ちて骨折した知人がいるのでお金を払って業者に

頼んでます(69歳)

 

■主人が亡くなってから実家の財産のことでもめ事が起きま

した、私は言えないタイプなので男の人がいないのは困りま

した(65歳)

 

■町内の行事や法事など私しかいないので何でも行かねばな

らず忙しいです(68歳)

 

■小さな物音にも敏感になってしまい家に居るのが怖かった

ので、なるべく友人や知人を訪ねたりお稽古事に出歩いてい

ました(71歳)

 

■熱が出て寝込んだときに辛く病院に行くことも薬を買いに

行くことも出来ず困りました(75歳)

 

■なぜか寝つくのに時間がかかるようになりました、夫から

精神面での安心感をもらってたように思います(70歳)

 


老いていく自分を見つめながら

2024年10月08日 | 老後の生き方

人は誰でも年齢を重ねるごとに身体は確実に衰えていく、どうし

てもあちこちの具合が悪くなってくる、しかもひとつが治らない

うちに別のところが悪くなるといった感じで心身の衰えはいやで

も進行してくる。

 

老いて病が来る場合、もう完治することよりも痛みを伴わないま

ま死まで続けば、それは自分にとってありがたいと思うことがあ

ると言った闘病者の声に共感することがある。

 

実際経験のモノサシが役に立たない、それが老いるということ、

他人の老後は参考にならない、誰もが自分の老いに対してはアマ

チュア、だからほとんどの人は迷いながらも自分の考えで自分な

りの老後を生きてるはずである。

 

楽しく生きるためには健康でありたい、誰もがそう願っている、

私自身老いていく自分を見つめながら、一日一つでも愉快だと

思えることがあればそれでよしとそんな思いで生きている。

 

 


70代夫婦年金生活での介護とお金の問題

2024年10月07日 | 老後の生き方

雑誌プレジデントの特集「介護とお金の問題」で70代夫婦の

年金生活について掲載された、夫の年金25万円、妻の年金6

万円、合計31万円と年金生活者として最も恵まれた層といえ

る、定年退職後は悠々自適に暮らしていた。

 

しかし3年前にご主人が脳梗塞を患い、現在は要介護3に認定

されて在宅介護を受けている、持ち家のほか預金が2千万円あ

るが家計の支出は月33万円と2万円の赤字である、中味を見

ると公的介護の自己負担が2万7千円、通院時のタクシー代や

夜間のおむつの取り換え等ヘルパーを介護保険外で頼んでるた

め7万1千円と大きい、さらに食費が6万円と外食もあり多い。

 

こう見ると年金が十分、預金も2千万円と恵まれてるが脳梗塞

になり介護状態になったことで生活が一変、不足分は預金から

充当してるものの在宅介護ができなくなったら有料老人ホーム

の入居を考えないといけない、こう見ると絶対安泰ということ

はないのかもしれない。