NPO法人日本語検定委員会による第14回「日本語大賞」で入
選した中学一年生の女性の「言葉を受け取って」に注目した、
彼女は小学4年生まで介護が必要な認知症の祖母と暮らしてい
た、一番大変だったのはお母さんで精神的にも肉体的にも疲弊
していくのを目の当たりにしていた。
そんな祖母が「幼稚園は楽しかったかい?」と小学4年生にな
ったのに何度も聞かれ、うんざりしてだんだん嫌いになりキツ
イ言葉を投げかけたりすることもあった、そんなある日、祖母
の部屋に食事を持っていくと、ふだん無口な祖母が「ご飯もっ
てきてくれてありがとう、つらい思い、いっぱいさせてごめん
ね」と言ったことに驚いたものの、そっけなく「大丈夫、気に
してないよ」という言葉しか返せなかった。
翌日祖母は亡くなった、家族に負い目を感じ感謝と謝罪の言葉
を最期にいってくれた祖母の気持ちは?それなのに喪失感より
解放感があった自分に嫌悪、もっと優しく素直に祖母に語りか
けることができなかった孫娘の後悔の念、そして在宅介護の厳
しさを物語ってる内容だった。