TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

短い命

2002-01-05 04:04:05 | インポート
テレビで、重病の子犬が注射で安楽死させられる様子を映していた。

この番組は、トロントの Humane Society (動物愛護協会)の特別番組。
政府の援助を受けず一般からの寄付だけで運営しているこの協会が、テレビを
通じて寄付を呼びかける目的でつくられたもの。
もとの飼い主に虐待を受け、ここで治療を施されて元気になり、里親のもとで
幸せに暮らしている犬たちの様子も紹介していた。

だがこの子犬は、とても助かる見こみがなく、生かしておくことはむしろ苦痛を
長引かせるだけ。世話してきた職員にとっても獣医にとってもつらい決断だが
安楽死が最も人道的だ。

職員たちが見守るなか、子犬の足に注射器の針がささる。次の瞬間、がくりと
首をたれ、息絶えた。あっという間だった。
短い命の終焉。職員の胸で眠り愛情こめて世話された、協会でのたった数日間
が、この子の唯一の楽しい思い出だ。

昨日は、クリントン前米大統領の愛犬、チョコラブのBUDDYが、車に轢かれて
死んだ。4歳の若さだ。クリントンのニューヨークの自宅のすぐそばで、
道路に飛び出したところをやられたらしい。

ファンクラブもできたこの「ファースト・ドッグ」の死は、大きく報道された。
きっと全国から花束が届いたり、お葬式も大掛かりなものが営まれるのだろう。

ほとんど誰の目にも触れずに消えた命と、世界中に注目された命。
どれもかけがいのない命に違いない。その命にかかわった人々の悲しみの大きさ
も、全く同じなのだ。


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