TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

弱い立場

2002-01-08 04:34:25 | インポート
またひとつ、お散歩コースがなくなってしまった。

朝、いつものようにTABIを連れて近所の学校のグランドへ。
すると、校舎の通用口が開き、初老の男性(たぶん高校教諭)が顔を出した。
「ここは犬立ち入り禁止だぞ!さっさと出ていけ!」

ここにはTABIが子犬の時から散歩に来ている。近所の犬飼い仲間もここに集まるし、
よくグランドで会っては犬同士で遊んでいる。今まで何も言われたことは
なかった。

TABIのリードを引き寄せて、立ち去ろうとする私に最後に彼はこう投げつけた。
「今度おまえらを見かけたら、警察に通報するからな!いいか!わかったら
とっとと出て行け!」

知らなかったとはいえ犬を連れて入ったのは、明らかに私の過失であり、良いわけの
余地もない。しかし、学校の入り口にはどこにも「立ち入り禁止」のサインは
ないし、実際私たちとすれ違いざまにゴールデン(それもノーリード)を
連れた女性が入っていった。おそらく誰も、ここが犬禁止区域だとは知らない
に違いない。

また、その男性の強い口調、とくに最後のセリフは、たぶん私が東洋人で
なかったらこうは言わないだろう、というような侮蔑的感情がこもっていた。

今まで私もTABIも、学校の施設を破壊したことはないしフンは必ず始末していた。
あんなまるで犯罪者を見るような目つきでどならなくても、静かにただ立ち去る
ように言うだけですんだはずだ。とくに「警察云々」は言いすぎだ。

しかしだ。
この市の犬に関するきまりは厳しく、犬飼いの立場はとても弱い。
駄目と言われたら、おとなしく引き下がるしかない。

また、私が日本人であるための差別も、これは仕方のないことだ。
夫が言うように、「おまえはあくまでガイジン、よそ者」なのだ。

カナダでガイジンである私が生きていくこと、また犬を飼うこととは、
こうした不愉快な出来事を日常茶飯事として暮らすということなのである。


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