TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

死ぬ権利

2011-08-03 11:54:15 | カナダ話題
尊厳死の権利を求め、Farewell Foundationは最高裁に上告することを決めた。

不治の病におかされたSue Rodriguezが、安楽死の合法化を求める申し立てが却下されてから18年。
カナダでは、安楽死が合法化することはついになかった。現行法では、安楽死を幇助したものには最高14年の刑が科される。

世界を見渡せば、スイスの自殺クリニックが最も有名だろう。
重病人が世界中からやってくる。医師が処方箋を出し、実際の自殺幇助はボランティアによってアレンジされる。

アメリカでは、最初にオレゴン州が安楽死を合法化し、ワシントン州とモンタナ州がそれに次いだ。「死ぬ権利」は、次第に認められつつある。

私は、そうなって欲しいと思う。
昔々医療が発達していなかった頃は、人は力尽きて死ぬことができた。しかし、今の時代は、回復の見込みがない患者、命が尽きようとしている患者を無理やりに機械につなぎ、これでもかと無駄な苦しみをさせてからやっと引導を渡す。延命とは、一体誰のためのベネフィットなのか?

安楽死とは少し異なるが、日本での高齢者の終末医療の実態も今後は変わっていかなければならないと思う。誰もが遺言で、いざという時に延命措置を希望するかどうかハッキリと意思表示ができるようにならなければいけない。そして、医療機関は患者の意志を尊重し、延命措置を中止することが合法的にできるようにならなければならない。

四年前に亡くなったアメリカの友人を思い出す。
彼女は、脳の血管が破れて倒れ意識不明となった。運ばれた病院では、手術は不可能で回復の見込みがないと言われた。彼女は、遺言書に「延命はしないこと」と記載していた。彼女の夫は、彼女の意思を尊重することにした。病院側は延命装置をはずし、彼女は息を引き取った。

実にいさぎよく、鮮やかな最期であった。彼女らしい生き方であった。


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