亡母の一周忌のため、日本へ里帰りしてきた。
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お天気の良い一日。お寺の庭には、しだれ梅がたわわに咲いて、あたりに甘い優しい香りを漂わせていた。早朝の墓所には、お掃除の人のほかは誰もいない。私は一人、お線香をあげて手を合わせる。
新型コロナで大騒ぎの最中に帰国したものだから、あちこち物々しく、2003年のSARS騒動を思い出させた。実はあのときも、ちょうど日本へ緊急帰国する用事があったのだった。全くやってることは、ちっとも変わってない。
滞在先のホテルで久しぶりに日本のテレビでも、とスイッチを入れると、どこもコロナの話ばかり。ほかに報道するものがないってことか。いかにも平和な国である。
「マスクかけなかったら、地下鉄にも乗れないのよ!」との友人の脅しを完全無視し、マスクなしで東京じゅうを地下鉄を駆使して移動しまくり、元気いっぱい楽しい滞在となった。
今回は、実家があった場所も訪れてみた。
数年前に売却したのち、Googleマップでどんな様子か確かめたことはあったが、実際に足を運んだことがなかった。地下鉄の駅から、通い慣れた道を歩いてゆくと、なつかしの元我が家。家は外壁を塗り直したほかは、全く変わっていない。小雨が降ってきたので、バッグから折りたたみ傘を出してゆっくり開閉しながら、通りの向こう側からその家を眺める。
「行ってきまーす」と言いながら、幼い日の私が玄関を開け、「行ってらっしゃい、車に気をつけてね」と母の声があとを追いかけてくるのを眼前にしても不思議はないほど、昔のままなのだ。でも、今ではそこに知らない家族の暮らしがある。
その帰り、地元のダイソーで思い切り買い物(と言ったって、千円足らず)してスッキリ!