TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

SAR犬の不思議

2006-01-11 07:28:28 | インポート
今夜は、三回目のクラブ・ミーティング

会員の全員一致により、めでたく私たちはこの老舗の犬クラブの会員となる。
正真正銘の(笑)雑種を飼ってるのはうちだけで、「どんな犬なの?」と
聞かれ「All Canadian」と答えるたびにみな、ちょっとひいてしまう(爆)。
「いいのよ、大丈夫よ。大丈夫」と言ってくれたプードル飼いの上品な老婦人が
いたが、一体なにが「大丈夫」なのだろう?よくわかんない世界。

ま、でもここの会員は私が生まれる前から犬の世界にどっぷりつかっている
方々ばかりで、訓練や繁殖などそのへんの獣医よりずっと知識が豊富だ。
獣医もたくさん会員にいるが、やはり普通の町の獣医より犬に詳しい。

ところで、今日のミーティングでは災害救助犬に関する講演があった。
実際にこの州で十年以上SARにたずさわっている男性が、パワーポイントで
SARの訓練や実際のサーチの例など説明。とても興味深い内容だった。

おもしろいなと思ったのは、「SAR犬の場合、服従訓練はほどほどに」という点。
普段からリードなしで散歩しているとか。確実なボイス・コントロール下に
ある犬なら、当然それでいっこうにかまわないわけだ。

それと、live犬がたまたま死体を発見したような場合、犬はすごく落ち込む
のだという。三日ぐらい勤務を休んで遊んでやらないとダメなんだそうだ。
死体に慣れてるcadaver犬でさえ、たまには別のタイプのサーチに参加させて
やらないと精神的にまいってしまうとか。おもしろい。犬にも、悲劇的な最期
の重さがわかるのだろうか。それとも、ハンドラーの心が通じるのだろうか。

Lauriの飼ってるシェルティの父犬は、SAR犬だった。
仲間のシェパードやラブが発見できなかった遭難者を見つけるお手柄もたくさん
あったそうだ。しかし、サーチで有害物質に触れることが多いため若くして
ガンで亡くなった。シェルティで5歳は若すぎる。SAR犬の運命だ。


モドキの世界へようこそ

2006-01-10 15:31:49 | インポート
今週末は、二度目のUSDAA競技会。

夫のアイスホッケー試合と重なっていたため三種目しか出られなかったが、
スタンダードで首尾よく二つともクリーンラン、タイトルを二ついただく。
CGCクラスで一緒だったKathyが応援に来てくれた。Bradyもスタンダードで
クリーンランして、リボンをもらってきた。良かったね!

それにしても、こっちの競技会のゲートキーパーは大変である。
出走表には犬の名と犬種名が記入されていて、確認ができるようになっている
のだが、なんといっても「もどき」が多い昨今(爆)、誰が誰だかサッパリ
わからないのだ。こないだのNADACもそうだけど、例えばドーベルマンと書いて
あるからドーブを期待してると、似ても似つかない犬だったりする。黒白まだらの
なんちゃって黒ラブとか、でかすぎるパピヨン、尻尾のないスムースコリー、
どう見てもピットな黄ラブ…。

彼らはみな、「純血種」としてアメリカン・ケネルクラブに登録している犬だ。

金さえ払えばなんでもOKのケネルクラブ。
ま、クラブの権威はずいぶん前から失墜してるし、いまどきペーパーに書いてある
ことを本気にして神棚に飾っているお人よしもいるまいが(笑)、ここまでの
ていたらくを見せられると、吐き気がする。

こっちの連中はそういう傾向をべつに不自然とは思ってないらしい。
「子犬の時は小さかったからビーグルで登録する予定だったけど、今このコは
生後半年で60ポンドもあるのよ。だからハウンドってことにしようかと思って」
とかしゃべってる。な?んかなあ?。

ま、他人のやってることはどうでもいいが、しかし、こっちまで巻き添えに
しないで欲しい。「TABIもボーダーコリーで登録したら?」とか、会う人ごとに
言われるといーかげんにせえ!と言いたくなるよ。

AKCの競技会はもっとすごくて、「モドキ」だらけらしい。
怖いもの見たさで行ってみようかな。


僥倖

2006-01-07 15:24:31 | インポート
昼間はポカポカして、犬の散歩は半そででも充分なくらい。

公園の、カラカラに乾いた芝生の上でゴロゴロ転がるTABI。
くるりと身軽に起き上がっては、ダーッと駆けていく。なにがそんなに
おもしろいんだか、ただ駆けることが好きな子だ。有り余るエネルギーは、
子犬のころから変わらない。

「TABIはいつも元気ね。6歳にはとても見えない」とよく言われるが、
確かにこのコはトシをあんまりとらないタイプらしい。いずれ長寿村に入る
かもしれない(笑)。知人の犬や周囲にいる犬があれよあれよという間に
どんどん老いていく一方で、このコはただ一頭「ポーの一族」みたいだ。
おとなりにたまに遊びにくるボーダーコリーは、TABIと同い年だが、関節が
ダメで走るどころか歩くのもやっとだ。それも毎日の投薬のおかげで歩ける
とか。かわいそうに。

初めて授かった犬が、素直で健康に育ってくれた。
僥倖とは、こういうことなのだろうか。
まぶしいくらい元気で明るいTABIを見ながら、心の中まであたたかくなる。


月日のうつり

2006-01-03 17:58:23 | インポート
今日で正月休暇が終わり。

クリスマスも正月も、こっちはあっさりしたものだ。無休で開けてる店が
多くてびっくりする。働き者の日本人だって正月くらいは休むというのに。

さて、正月だし和服を着て夫と一緒にお寿司を食べにいく。
いったんは羽織を着たのだが、暑くて脱いでしまった。1月というのに信じられ
ない暖かさだ。このままでは体がなまってしまいそうだ。

この着物も桐の下駄も、十代のころに仕立てたものだ。
どちらの店も老舗だったが、今はもうない。母が贔屓にしてたのに、残念だ。
小さな個人経営の店が、どんどん消えていく。里帰りするたびに、町並みが
ガラリと変わっている。子供のころに遊んだ路地も、集団登校の桜並木も、
みな道路の拡張工事で消えてしまった。

なつかしい思い出も、どんどん色あせて、いつかは消えてしまうだろう。