初雪・・・遅いかな?のけぶでございます<(_ _)>
茹だるような暑さから秋は1ヶ月ぐらいで冬。
夜になるとプラスマイナスを行き交う気温(^_^;)
さて、11/12サンテレビ・太陽放送。
1975年末時効を迎えた3億円事件に対しての太陽的解釈解決編、犯人役は大和田伸也さん、そしてテキサス初の射殺・・・・#177を放送。
射殺された平凡な男が実は3億円事件に関わっていた。その男が寄ったという遊園地でたまたま別件の容疑者を見つけたテキサスは遊園地の職員に命を助けてもらう。そして捜査を進めているうちにあの職員が3億円事件に関わっており、今回の殺人犯ではないかという疑惑が持ち上がる・・・・テキサス初の射殺事件+実際に発生して当時時効寸前で日本中の話題になっていた3億円事件を題材にした異色作です。
先に逝去された畑嶺明さんの脚本です。
藤堂「でもな、お前は・・・何も間違っちゃいなんだよ。」
【地上波】サンテレビ・テキサス&ボン編
11/12(日)
11:00~11:54
ドラマ 太陽にほえろ!(テキサス・ボン編 第10話)
サンテレビ1(地上波)
第177話 50.12.05 海に消えたか三億円 (テキサス)
レギュラー:藤堂俊介
石原裕次郎
三上順
勝野洋
田口良
宮内淳
山村精一
露口茂
石塚誠
竜雷太
島公之
小野寺昭
野崎太郎
下川辰平
矢島明子/木村理恵
セミレギュラー:西山隆行/平田昭彦
ゲスト:大和田伸也
波多野憲 柴田昌
関戸純 高橋ひとみ
沖順一郎 市川治 峰恵研 加藤茂雄 作間功 山下啓介
福田真知子 岩田安生 安藤花生 記平佳枝 今村亮子 吉中正一 長谷川まゆみ
脚本:畑嶺明 小川英
監督:児玉進
平凡で真面目なサラリーマン・江藤が何者かに拳銃で射殺された。
家族の話では全く心当たりが無いという。ところが江藤の指紋が1968年に発生した三億円強盗事件に使用されたカローラに残されていた不明指紋と一致。七曲署および特捜本部は俄かに色めき立った。
江藤は殺害された当日、昼休みに遊園地に出かけたらしく、テキサスが聞き込みに向かったが、そこで以前拳銃密輸をしていた山口を見かける。テキサスの顔を見た途端逃げ出す山口はジェットコースターの線路に逃げる。追ったテキサスはレールの隙間に足首を挟んでしまい、あわやジェットコースターに轢かれるところを係員の木島に助けられる。
テキサスは親切な木島に感謝するが、のちに山口が木島に江藤を殺害したものと同じ拳銃を売ったことを知り、激しいショックを受ける。そんな折、ボンは江藤と木島が喫茶店で言い合いをしていたことを聞き込んで来る。一方、第二の殺人が発生、久保という男が殺される。捜査の結果、江藤も久保も木島も同じ大学の同級生であったことがわかる。
さらには第4の男の存在も発覚し、テキサスたちはその男の行方を追うが、すでに木島は第4の男に対し行動を開始していた・・・・。
実際に発生した1968年の三億円事件が時効を迎えるため、この当時は日本中で話題騒然となっていた時期で、太陽もそのタイムリーな題材を取り入れた異色作。さらにはテキサスが初めて「直接的な射殺」を初めて経験、それも自分を救ってくれた男を・・・という、テキサスの困惑と苦境も合わせて描く為、印象に強く残る話です。
ゲストには大和田伸也さんを迎え、テキサスとの出会いの時は爽やかな感じが、その二人が結局は対峙するという不条理を描きます。
昭和の未解決大事件の一つといえば1968年の「三億円事件」。
多くの証拠が残っていながら逮捕に結びつかず、結果的には時効になってしまったのがこの放送の5日後。
事件自体の犠牲者は居ませんが、容疑者等の2次的被害者を出したとも言われています。
それに有名なモンタージュは証言に似た亡くなった人物の顔写真をそのまま使用していたなど、後年になって色々と出てきていて、色々な解釈で近年でも映画化されている事件です。
でも、若い人は知らないでしょうね・・・・(^_^;)
なので、その「三億円事件」の実際に起きたとかフィクションだとかを判別することは、この作品だけ見ては難しいかもしれません(^_^;)。
ただ、当時はもう暗黙の了解で事件自体の説明は不要だったわけで、それだけ誰もが知っている事件でしたね・・・。
なので、三億円担当・今井警部が「カローラ」って云っても、解ったし。
ということで、「三億円事件」がお分かりにならない方は検索してみてください(^_^;)
太陽でも題材的に実際の事件を取り入れることはありますが、これほどストレートに扱うのはこの作品のみ。
木島役の大和田さんは当時の人気若手俳優として活躍していた頃だったので、話題性も十分。
その大和田さんに、本編では未使用だった白バイ隊員の扮装をしてスチール撮りをしたり。
当時の太陽の番組的な勢いをここでも感じます。
太陽的事件の解釈は、真面目に働いていた若者犯人グループは社会に不条理を感じて自分たちの自己実現の為に事件を起こして、奪った金については手を付けないように約束、リーダーだった木島が金を預かっていたが、時が経つにつれその金を奪おうとした木島以外の仲間を木島が許せず、次々に殺害していき、最後にのこった五十嵐を殺害する前に海に金を放棄し、五十嵐の許へ向かうが、テキサスに射殺される・・・・というもの。
太陽での三億円犯人グループはあまり時効の意識が無く、あくまでも金の誘惑に負けた人間と自分たちの理想と約束をそのまま引き摺る人間が居たということになっています。
事件自体の犠牲者と直接的被害者が居なかった事が表立っていたこの時期なので、犯人グループに罪の意識は希薄だったという考え方だったと思います。
だからこそ、今回の一番の犠牲者はある意味自業自得の部分のある木島と仲間たちではなく、テキサスだったということは云えると思います。
木島にジェットコースターに轢かれる寸前で助けられるテキサス、命の恩人で真面目な木島になかなか疑いの目を向けられない彼が、結局は仲間の五十嵐の居場所を探し出し、木島を追いつめるわけですが・・・。
テキサス初の直接的射殺・・・助けられた男を自らの銃弾で葬ってしまった彼の心情は察して余りあるものがありますが、今回はヒューマニストであるボスが非情さを見せたという部分もあったかと思います。
いつもは部下に「射殺命令」を下しても、どこかで射殺して欲しくないという心情が見え隠れしていたボスですが、今回はあの状態で五十嵐を離したのはどう考えてもいつものボスらしくないと・・・。
ただ、これは木島の性格に寄っている部分が多く、真面目な木島が、アンモラルな殺人という行為をしているところで、逆に説得の余地は無いと見ていたのかもしれません。
なので、あれ以上の説得は効果が無いと判断したものと私は解釈しています。
ただ、その木島への引導を渡す的な役割をテキサスに担わせたと言う部分でボスの非情さが見えるかと・・・。
サラッとも観られる作品ですが、色々な引っかかりがあったりする、不思議な作品です。