『第65話 マカロニを殺したやつ』 昭和48年10月12日放送
主演:露口茂(山村精一)
助演:松田優作(柴田純)石原裕次郎(藤堂俊介)
出演:関根恵子(内田伸子)竜雷太(石塚誠)下川辰平(野崎太郎)小野寺昭(島公之)青木英美(永井久美)平田昭彦(西山隆行)/萩原健一(早見淳)フィルムバンク出演(#38、#52)
津田京子(木村夏子)松山達也(糸山譲)水谷邦久(井沢義男)沢村いき雄(タレコミ屋のロク)戸田春子(煙草屋のおばさん)田畑ゆり(松が根荘の主婦)池田生二(社長?)藤田漸(糸山の舎弟)亀井三郎(ビル工事の現場監督)山西道広(夏子の彼氏)桜井克明 島もとき ※ノンクレジット 今井和雄(鑑識員)若尾義昭(マスター)
プロデューサー:岡田晋吉 清水欣也(日本テレビ)梅浦洋一 梶山仗祐(東宝)
原作:魔久平 脚本:長野洋 小川英
撮影:安本英 美術:小汲明 照明:松田清孝 録音:吉岡昇
音楽:大野克夫 演奏・井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊
助監督:吉高勝之 擬斗:宇仁貫三 制作担当者:大曲暎一 現像:東洋製作所
協力:国際放映 企画協力:ジャックプロダクション
監督:山本迪夫
制作:東宝株式会社
覆面車:クラウン(70-26)セリカ(57-63)
マカロニが死んで3ヶ月。
山さんは地道に捜査活動を行い、各人も頭にマカロニを思いながら日々を過ごしている。
ただ、マカロニの事件が頭にありながら、日々の凶悪事件に忙殺されていく面々。
その中で、山さんに本庁への栄転話が。
それと同時にゴリさんのタレコミ屋からマカロニ事件犯人のような事を云っている男がいると情報が・・・。
山さんとしてはマカロニ事件の解決は自らの手で・・・という思いが強烈だったのは非常によくわかります。
自分が救った仲間がその直後に呆気なく殺されてしまった不条理さを引きずっていたことはよくわかるし、それを粘り腰の捜査で継続しているというのは山さんじゃないと出来ない事ですが、他のメンバーにしても糸山逮捕の際の豹変ぶりには、ずっと燻っていた思いが爆発した感じでしたが・・・。
ボスはそういう「仇打ち」に走ろうとするメンバーに叱咤したり、マカロニを羨ましいというジーパンに長さんが喝を入れたり。
ただ、ボスにしても長さんにしても思いは一緒だったのではと。
もし、この二人が糸山逮捕の現場に居たら、もしかすると同じ事をしていたかもしれないというのはあったのかもしれません。
ボスの叱咤は自分へのけん制だったとも思えますし、長さんにしても意味合いは違いますが、やはりそういう意味があったのではないかと。
冷静に居られるはずがない状況ですから・・・。
太陽初の「仇打ち」編は、あくまでも地道な捜査が主体に描かれます。
証拠が少ないマカロニ事件解決への焦りは山さんの栄転話で一気に噴出した感じですが、その焦りは怒りに変わり、それが行き場のない若者への怒りになり。
その藤堂チームの緩和剤になったのは、ジーパンの第三者的存在だったのかもしれません。
「また若者が死んだ」
山さんがどうしても許せなかったのは、
マカロニをはじめ、若者が死ぬことへの怒り、
若者の無軌道さ、
若者が若者を殺す不条理さ。
どうしても許せなかったんでしょうね・・・。
結局、糸山逮捕時の各人の暴走は山さん栄転を潰してしまいましたが、
そもそも山さんは本庁に行きたくなかったわけで、もとの鞘に収まった感じなのですが、井沢の死によってマカロニ事件の「真相」は闇の中・・・。
マカロニ編ではそういう不条理さというかスッキリ解決しない事件が多かったですが、
実際のマカロニ編最終回ともいえる本作でもその特徴が顕著に出ています。
犯人逮捕でめでたしという事ではないところは実は太陽らしいところではあると思います。
太陽では殉職編に限って言えば、そういう部分が多いですから。
たとえ犯人が解っていても、そういうモヤモヤが残る事が多かった。
それが、現実に動いている世界と、死んでいった者を背負うというリアルな部分を視聴者に植えつける巧みな技だったと言える気がします。
そのおかげで、未だに太陽を引きずっている私が居るわけですが・・・・(^_^;)
=ロケ地=
新宿副都心、マカロニ殉職の地は既に住友ビルらしい。が野村ビルに見えることもない・・・位置関係が掴めません(^_^;)
新宿ゴールデン街
西新宿界隈
新宿中央公園
新都心歩道橋
新宿伊勢丹前
成城通り