昨日、大分テレビの取材があったと書きましたが、本日の6時過ぎのニュースで大分地方では放送されているようだ。残念ながら、私の所は電波が届かなくて見ることが出来ない、後日、録画していただいたものを見せて貰おう。
今回のミラノ行きは、そもそも、さかのぼる事4年前、私と今回のメンバーの毛利達夫氏と二人で、「海外に別府竹細工を紹介したいね。」とそんな思いからスタートした。その時は、ニューヨークのギャラリーと交渉したりしたのだが、私は同じ年にドイツのシーボルト博物館からの展示会要請もあり、「2兎を追うもの1兎を得ず」の諺にしたがってドイツだけにしたのだ。それが、もう少し、事業を大きくして、竹組合を通じて、海外に向けて発信してみたい有志を募って再出発したのが2年前、3年計画で「海外事業展開グループ」を船出させたのだ。最初は5人で始まったのだが、途中で一人降り、現在4人で発表することになった。
まず、最初に紹介するのは、今回のメンバーの中の長老の「由布」さん。別府竹製品協同組合の理事長でもある。メンバーの中の顔であるとともにマスコット的な存在である。荒物の花篭を作らせたら、現在この人の右に出る人はいない。独特の重厚感のある、こてこての演歌の世界のような作品つくりが由布さんの持ち味である。
今回も「この作品は長崎の《平和の像》をイメージして作った」と言い張るのだが、平和の像の格好まで真似をしてくれたのだが、絶対に判らない。作者の意図とは別に作品に存在感があるので、それはそれでいいのだ。しかし何かの解説で、決して「平和の像」の事は言わないほうが良いと思う。
どの作品も大きさが60センチから80センチある大作ばかりである。
20年ほど前に、私は由布さんに「竹縄」の作り方を教わるために3ヶ月ほど由布さんの工房で働かさせていただいた事がある。研修申し込みであったが、「そんな面倒なことより、家の仕事を手伝いながら覚えろ!」と。短い期間であったが、ここでの勉強が現在も私が竹細工を生業としている礎を作ってくれたようだ。ヒゴこしらえの速さ、ダイナミックな仕事の流れ、または、手の抜き方など、職人仕事はこうなんだと教えて頂いた。20年経って、この「由布さん」と一緒にミラノで展示会が出来るなんて幸せなことである。