高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

職人仲間 12

2007年06月19日 08時44分10秒 | 職人仲間

_007_6今回の東急でのお隣さんは、私達の大先輩この道60年の籐細工職人の小峰さん。「おしゃべりも職人芸のみせどころ」と色紙が掲げてある。この人の頭の柔らかさには脱帽である。70歳を過ぎてパソコンを初め、ホームページ、ブログを作り、自在にキーボードを操る。

いつも時代の流れを見ながら、作品作り、営業方針、販路開拓などを考えておられる。60年間も第一線で活躍し続けることは至難の技だ。作品も昔は籐家具のほか、乳母車や揺り篭など、安い東南アジアや台湾から入ってくる籐製品との競争に勝ち残り、健康に良い、趣味豊かな高級家具に変えて来た。今は高齢者社会を見据えて介護用品などお年寄りをターゲットにした作品が多い。

_022_1いつも時代を先取りして、果敢に挑戦している若き戦士である。奥さんと二人で日本中を飛び回り、何処の売り場に行っても確実に売り上げを作っていく。我々年下の者にも決して威張ることなく気持ちよく接してくれる。どこぞのどなたかに見直させてやりたいですナ。今日もパソコンを片手に全国を走りまわっている。なんと持っていたパソコンは私と同じパナソニックのレッツ・ノートであった。

_008_8 小峰さんの直ぐ後ろは同じく東京の「東京手書き友禅」の小倉君。笑顔の爽やかな人で、なかなかの男前、歌手の「福山雅治」に似た甘いマスクと甘い声で若い女のお客様を引き寄せている。(きっと、この人はホストクラブに行っても成功するナ)

流れるようなラインと淡い色使いで、優しい表情の作品を書き上げて行く。女性から見ると、うっとりさせてくれるのだろう。彼の売り場を見ていると、お客様も30代、40代の綺麗なお客様が多い。(多分に小倉君の趣味が入っているのだろうが?)

_014_8呉服の世界などは特に酷く、生産者と消費者の間の中間マージンに沢山取られ、お客様に渡る頃には高額な作品になってしまっている。「訳あって高い」のなら納得できるのだが、業者が間に何軒も入ることで高いものになってしまうのはどう考えても可笑しい。

昔のように「良いものだけを作っていれば良い」という時代ではない。生産者も直接お客様に自分の作品の持っている魅力や価値を伝えなくてはいけない時代になったのだ。彼らのような、若い有能な職人がどんどん増えてくれればまだまだ職人の世界も広がっていくのだが!

竹工房オンセ

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