お客様からの注文で「ランドセルタイプのバッグを作って」と言われて試作中です。最初は「背中に密着したランドセルタイプは形の硬い竹では合わないのでは?」とお答えしたのだが、「どうしても、作ってほしい!」ということで、試作しているところです。担当は工房一の粘り腰の遠藤君、作ってはやり直し、作ってはやり直す、相当な忍耐が要る仕事です。
本体の竹の部分が出来上がり、今は蓋の部分や持ち手になる、皮の部分の調整に入っている。手の長さをどれくらいにするか?型紙で皮になる部分を作り、実際に背負ってみる。今は白い型紙だが、実際はバッグと一緒の黒の皮が付く。なんとなく行けそうだ。皮の部分の形状とどこに取り付けるか?強度の問題はないか?など細かい打ち合わせをして、彼に任せた。もともと、彼が考案した書類入れを見て、「このバッグを背負えるようにして欲しい」と御注文頂いたものなのだ。
私の工房では、工房の作品として販売して後のアフターフォローなどメンテナンスを安心して使っていただいているが、作品には作った人のデザインを尊重して、デザインを起こした人にデザイン料も還元している。それでないと、新しい作品のアイデアも出てこないし、特に若い人の将来を考えると、こういった試作が一番育ててくれるのだ。