名古屋名物といえば、きしめん、味噌煮込みうどん、味噌カツ、ういろ、手羽先などなどが有名であるが、私など学生時代に名古屋で育った人間にとって、懐かしい味というと、この「寿がきや」のラーメンである。名古屋人以外から見て、決して美味しい味では無いかも知れない?しかし、学生時代を名古屋で育つと「刷り込まれる」というか?安い値段で小遣いで食べることの出来るおやつ感覚のラーメン、私が中学時代普通のラーメンが150円くらいしていたときでも、寿がきやのラーメンは確か、60円くらいだったと思う。 乳白色のしゃびしゃびしたスープに少し伸びたような柔らかい麺。それと特に印象的なのは寿がきやの胡椒である。ホワイトペパーを此れでもか?とかけて食べるのである。色は豚骨系であるが味はかつおを使ったような和風だしである。子供の頃「寿がきや」のラーメンは蛇でだしを取っていると言われていたが、その真意は定かでない。昔、名古屋駅にあったお店は女性専門のお店だった。ラーメンとあんみつなど甘党のお店として遣っていた。
今は「ラーメン道」などと、小難しく、うん蓄を語りながら高級食品になった凝ったラーメン店が多い中、「寿がきや」のラーメンは今でも280円と庶民の食品として根付いている。名古屋に帰ってくると、無性に食べたくなるのが、この「寿がきやラーメン」と「山本屋総本舗の味噌煮込みうどん」である。是非、名古屋に来た時は食べて見て下さい。大の大人がネクタイをして入ると何となく恥ずかしい気持ちがする。