高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

注文品

2007年08月28日 06時59分24秒 | 作品紹介

今日から、浦和伊勢丹での「大九州展」に出店のため、東京に出発します。昨日は8月末までに請け負った注文品を仕上げて発送作業。通常の作品の追加オーダーであれば、問題なく製作時間だけ頂けば作り上げます。しかし、全然別個の「お客様の頭の中」だけにあるものの注文品には苦労するのです。まず、素人の方はサイズをはっきり言わない。「ちょっと大きく、ちょっと高く」という表現をする。これが一番曲者で、実際作って見ると「こんなに大きくない!」とかノタマウ。次に困るのが色の問題だ。「この色で」と指定を頂くのだが、相手が天然素材の分、同じ染料で同じ条件で染めても、元の竹の質によって染め上がりが若干違いが出てくる。それなのに、別注品で一個だけ染めるとなると、近い色は出るのだが全く一緒にはならない。その所を事前に説明するのだが、中には判って貰えない時もある。以前にも 「乱れ編みの篭」の注文のとき「これは景色が違う」と言われ「えっ!」(乱れ編みとは、ざっくりと規則無くその時その時の雰囲気で差し込んでいく篭)外形とか、サイズは同じなのだが、「景色が違う」と言われた時は思わずこちらも「景色とは何ですか!」と言いたくなってしまった。

_001_18この作品もお客さまの注文で、もともとの篭はもっと口の狭い、寸胴型のフリーバスケットであるのだが、「もっと口を広げてボリューム感のある物に!」という要望である。注文を受ける時も「えー、そんなんの大丈夫?」と思ってしまったのだが、作り上げて見ると案外面白い物に仕上がった。大きさは横幅51センチ、まち巾25センチ、本体の高さが17センチくらいの堂々とした物だ。この大きさで13000円は安く請け負いすぎてしまったかな?

「瓢箪から駒」で此処から新しいシリーズが出来るかも知れない?もう少し大きくして脱衣篭?猫を入れる篭?  簡単な作りでボリュームを持たせて。オフシーズンに練り上げてみよう。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする