このまんま金魚でいたい蝌蚪の夢

おたまじゃくしには幼児期の残像が重なる
喜寿に近い齢となったが
休むことなく動き続けるその姿はなぜか眩しい
手足が出て蛙に変異するようには思えない
人は容かえないが
環境境遇によって幼児期の志は叶わぬことが殆どだ
おたまじゃくしも
可愛い金魚に似たまんまで過ごしたいのが本心かも知れない

おたまじゃくしには幼児期の残像が重なる
喜寿に近い齢となったが
休むことなく動き続けるその姿はなぜか眩しい
手足が出て蛙に変異するようには思えない
人は容かえないが
環境境遇によって幼児期の志は叶わぬことが殆どだ
おたまじゃくしも
可愛い金魚に似たまんまで過ごしたいのが本心かも知れない
原句 2017/2/23
このまんま魚でゐたい蝌蚪の夢
魚」をより具体的な「金魚」にした
「季語の矛盾は句意からいって許されるだろう
【蝌蚪】 かと(クワト)
◇「おたまじゃくし」 ◇「蛙の子」 ◇「蝌蚪の国」 ◇「蝌蚪の紐」
カエルの幼生。お玉杓子。卵から孵化して間のないもので、鰓を持ち、水中で生活する。体は卵形。まだ四肢がなく、尾だけで泳ぐ。蛙の子。
例句 作者
ひろしまや蝌蚪には深き地の窪み 野田 誠
川底に蝌蚪の大国ありにけり 村上鬼城
足が出て手が出て蝌蚪のさびしさは 行方克己
蝌蚪の国ありて牡丹の別の国 森 澄雄
天日のうつりて暗し蝌蚪の水 高浜虚子
蝌蚪の水とろりと月を映しけり 加古宗也
放埒のおたまじやくしでありにけり 増成栗人
蝌蚪ほどの誤植と笑ひとばしけり 能村登四郎
湖国いま水の微熱の蝌蚪曇り 小澤克己
蝌蚪の紐ゆれて日輪水にあり 五十嵐播水