畦青む検地のやうに番鳩

めっきると春めいてきた
畦も青めいていて田もゆるんできた
二羽の鳩が胸を反らし羽を後ろ手を組むようにして
ちょこちょこ畦道を歩いている
まるで検地をする見回役のようだ
生きるもの全てが活動を始めている

めっきると春めいてきた
畦も青めいていて田もゆるんできた
二羽の鳩が胸を反らし羽を後ろ手を組むようにして
ちょこちょこ畦道を歩いている
まるで検地をする見回役のようだ
生きるもの全てが活動を始めている
原句 2017/3/10
畦青む検地のやうに番ひ鳩
【下萌】 したもえ
◇「萌」 ◇「畦青む」 ◇「土手青む」 ◇「草萌」
早春、草の芽が土に萌え出ることを「草萌」という。「下萌」は人目につかず芽が萌え出ることをいう。どちらも季節的に春の到来を表す言葉である。
例句 作者
下萌のいづこともなく水谺 日向野貞子
下萌えに二人の茣蓙をひろく敷く 山口みちこ
不幸が似合ふ女ではなし草萌ゆる 鈴木栄子
草萌やちゝはゝ一つ墓に栖み 安住 敦
下萌えに伏す鹿われを見てをりぬ 江原富美子
草青むうつろひやすき日の温み 廣瀬直人
掃かぬ日々重ねて草の萌ゆるかな 金井苑衣
平穏に四隣住みなし下萌ゆる 大津希水
柔道着二人で絞り草萌ゆる 大串 章
草萌にかがめば何か影よぎる 鷲谷七菜子