野沢尚の「深紅」を読み終えた。最後まですごい小説だった。1章の家族に何かあったと知らされて病院へ向かう少女の気持ちの描写の見事さ。2章の殺人を行うに至った男の上申書の迫力。そして、3章以降、家族を殺され残った女の子が正体を隠し、殺人者の子供との汚名を背負った女の子に接近する・・・心の中で「お前が知っている事件の全貌を話してみろ。上申書にも書かれていない事実が、お前の口から語られるのなら、しっかり聞いてやる。」と・・・そしてその心の奥底に見たものは・・・実に見事な小説だと思う。
さて、次の一冊は、野沢尚の「烈火の月」にするか、J.P.ホーガンの「揺籃の星」「黎明の星」にするか。