蘊蓄cafe

-日々発見、身の回りの話題 【うんちくカフェ】-

「千里眼の復讐 (角川文庫 クラシックシリーズ 4) 」

2008年07月16日 | 書籍レビュー
[感想:★★---:平均レベル(人によっては)]
 「千里眼の復讐」(松岡圭祐著、角川文庫 クラシックシリーズ4)
 松岡圭祐の他のシリーズは、落ち着いた感じがあってよいのだが、「千里眼シリーズ」は段々質が落ちているような気がする。特に「千里眼シリーズ」で主人公岬美由紀の正体が明らかになってしまったので、それより過去が舞台となる「千里眼のクラシックシリーズ」は今一魅力に欠ける。今回出版された「千里眼の復讐」はどうも趣味が悪く、読後の爽快感がまったくなく、読み終わるなりゴミ箱に捨てた。

「消えた戦法の謎―あの流行形はどこに!?」

2008年07月15日 | 書籍レビュー
 「消えた戦法の謎―あの流行形はどこに!?」(勝又清和著、MYCOM将棋文庫、700円)
 最近指されなくなった将棋の戦法について解説している。
 矢倉(スズメ刺し、2九飛戦法、森下システム、米長流急戦矢倉…)、振り飛車(左美濃、ツノ銀中飛車、風車、玉頭位取り…)、角換わり(早繰り銀、角換わり棒銀、筋違い角戦法)、相掛かり(横歩取り、塚田スペシャル…)など21の戦法について、それらがなぜ指されなくなったか・・・将棋の進化の歴史と言える。

 例えば、対振り飛車戦の場合、棋力が互角であれば、戦いが起こった時、玉は一路でも戦場から遠い方がいい。一路の違い、一手の違いが最後に働く。極めて理論的である。だからと言って居飛車穴熊が最強かというとそうではない。振り飛車側は、居飛車穴熊の攻略法をあみ出すのだ。
 どの戦法も長所短所が必ずあり、有利か不利かというのは現在の相手の陣形に対して自分の陣形がどうあるかで決まる極めて動的なものだ。膨大な手順がツリー状に広がっており、優劣が明らかな枝もあるし、不明な枝もある。プロはそれを知った上で、相手が辿るであろう枝を探り、自分が有利になる道に誘導し、優劣がはっきりしない局面で刺し違えの一手の有利を目指す。

 消えた戦法というのは、当時は必然性があって生まれてきたが、今は辿られない「枝」にある。将棋って何をやっているのかが少し分かるかもしれない一冊だ。ただし、本書は2003年で古いのが難ではある。

「囲碁 2008年08月号」

2008年07月14日 | 囲碁
[感想:★★★--]
「囲碁 2008年08月号」(誠文堂新光社)
 以前、月刊「囲碁7月号」に面白い置碁の記事があったと書いたが、8月号も面白そうだ。この雑誌、日本棋院ではなく誠文堂新光社が出版していて企画がけっこう面白い。『女流プロVSアマ精鋭打ち込み12番勝負』は、「鈴木歩女流最強位」対「藤沢里菜アマ」。藤沢さんは小学4年生で、何と!あの藤沢秀行名誉棋聖のお孫さんだという。昨年プロ試験を受けたというから今後が楽しみである。他にも「連載 呉清源 新布石構想」、「弟子が語る 勝負師・坂田栄男」では、高川格がなぜ坂田栄男に苦手意識を持つようになったかの秘密・・・など(^^)

「包帯クラブ」

2008年07月12日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★★--:平均レベル(見所あり)]
 「自虐の詩」「明日の記憶」「トリック」の堤幸彦監督が、天童荒太の小説を映画化した作品。タイトルから内容が分かりにくいかもしれないが、なかなかしっかりした良い作品だと思う。特に子供から大人になる世代にオススメしたい。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:堤幸彦
出演者:柳楽優弥、石原さとみ、田中圭、貫地谷しほり
Story:
天童荒太の同名ベストセラー小説を、柳楽優弥と石原さとみ共演で映画化した青春ドラマ。傷付いた人から依頼を受け、その原因に包帯を巻く“包帯クラブ”の活動を始めた若者たちの姿を描く。監督は『自虐の詩』の堤幸彦。(包帯クラブ)

「千里眼」

2008年07月12日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★----:ややモノ足りない]
 松岡圭祐のベストセラー小説「千里眼」の映画化。既に小説を読んでいたので余計にアラが目に付く。作りが安っぽいテレビドラマのようにチャチで、映画を作る力量はない。俳優の台詞もこなれてなくて、予算も時間もかけずに、ただ原作を頼りに作られた感じがする。逆に原作に拘束されて作りにくいということもあるだろう。それにしても原作に比べてこの程度?

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:麻生学
出演者:水野美紀、黒木瞳、柳葉敏郎、根津甚八、田口トモロヲ、矢島健一
Story:
松岡圭祐原作の大ヒット作『催眠』の続編。謎のテロ集団“ミドリの猿”が起こす爆発事件の真相に、航空自衛官・岬美由紀と“千里眼”と呼ばれるカウンセラー・友理佐知子が迫る。『踊る大捜査線 THE MOVIE2~』の水野美紀が事件を追う自衛官役を熱演。(千里眼)

「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」

2008年07月12日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★---:平均レベル(人によっては)]
 壇ノ浦の戦いから数百年後、落ちぶれた源氏と平家が戦う西部劇・・・というのだからハチャメチャではある。メンバと作品を作る気合いはすごい。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:三池崇史
出演者:伊藤英明、 佐藤浩市、 伊勢谷友介、 安藤政信、 石橋貴明、 木村佳乃、 香川照之、 桃井かおり、 クエンティン・タランティーノ
Story:
日本映画界が誇る異才・三池崇史監督が放つ和製ウエスタンアクション。全編英語台詞で、西部劇と平家物語を融合させた異色のストーリーが展開する。伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介ら豪華キャストが共演。PG-12作品。(スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ)

ぬこ疾走

2008年07月07日 | 動物

 夜、玄関のドアを開け放したまま、流しに立っていたところ、すぐ外の地面を何やら白いものが猛スピードで横切っていった。一瞬ぎょっとしたが、白に少々のブチ?・・・ぬこ005だったような・・・

「潮風のいたずら」

2008年07月06日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★★--:平均レベル(見所あり)]
 原題は「OVERBOARD」。「潮風のいたずら」という邦題は何ともオシャレだ。ゴールディ・ホーン42歳頃の作品で、相手役のカート・ラッセルは実生活でのパートナーでもある。この映画では、直接的に使用人に「人間は、与えられた環境に甘んじ視野を狭めがちだが、あなたは運がいい。人生を別の視点から眺める機会を得られたのだ。それをどう生かすかは自身次第だ。」と言わせている。
 韓国では、この映画をリメイクしてTVドラマ「ファンタスティックカップル」 が製作された。映画は、時間に制限があり女優もお年だし、韓国ドラマのノリの方が親しみを感じるのは仕方がない。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:ゲイリー・マーシャル
出演者:ゴールディ・ホーン、カート・ラッセル、エドワード・ハーマン、キャサリン・ヘルモンド
Story:
記憶喪失をきっかけに、高慢な大金持ちの夫人が、子供4人と暮らす大工の男との交流の中で次第に魅力的に変身していく姿を笑いと人情で綴ったラブコメディ。監督は『プリティ・プリンセス』のゲイリー・マーシャル。(潮風のいたずら)

「呉清源 極みの棋譜」

2008年07月04日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★---:平均レベル(人によっては)]
 DVD発売と同時のレンタルなのでディスクがピカピカだ。囲碁棋士の呉清源の半生を描いた映画なのだが、何がすごいと言って・・・本人がまだ生きているのである。(^^;。中国出身で94歳、帰化し日本在住。冒頭、ほんの少しだけ本人がでている。なお、観る前に、ウィキペディアの「呉清源」のページを読んでおかないと何のことなのか分からないだろう。やや期待と異なる作りになっていて、対局シーンがほんの僅かなのが残念。なお、映画で出てきた呉清源と木谷実との鎌倉十番碁の一局は「依田流 並べるだけで強くなる古碁名局集」(依田紀基著)で解説を見ることができる)。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:田壮壮
出演者:チャン・チェン、柄本明、伊藤歩、松坂慶子
Story:
『春の惑い』などで知られる中国映画界の巨匠・田壮壮監督が、昭和の囲碁界に伝説を残した稀代の天才棋士・呉清源の半生を描いた真実の物語。主演はアジアを代表する若手演技派、チャン・チェン。柄本明、伊藤歩、松坂慶子ら日本人俳優が多数出演。(呉清源 極みの棋譜)