
ある悲しい事件があって悲しんでいる少女がいるとします。
その少女の悲しみと怒りに寄り添う人が現れ、やがて少女は妊娠します。
彼女の妊娠に、
彼女を愛しながら反対するしかない人、
嫉妬から噂を流す人、
うわさを信じて彼女を憎む人、
ウソをつく人、
そしてすべてをなかったことにしようとする人。
さまざまな思惑が渦巻く中で、少女は生まれたばかりの娘を手放さざるを得なくなります。
失意の中で海に身を投げるのです。
それから、25年。
アメリカに養子として送られたカミラは母親を探しに故郷を訪れます。
彼女は母親に、真実にたどり着くのでしょうか?
以上、ネタバレではありませんが、ヒントです。
なぜなら、謎解きいっぱいのこの小説、ちょっと読者が試されています。
(読んだ後で友達と答え合わせしたら互いに別の人が父親だと思っていた)
作家の言葉の最後にこうあります。
부디 내가 이 소설에서 쓰지 않은 이야기를 당신이 읽을 수 있기를.
どうか、読者たちが行間まで読んでくれますように。
・・・・そこまで要求されるなら読者冥利に尽きます。
私は引っかかりませんよ。
なんせ、あらすじ+時系列をメモしながら読んでますからね。
(粘着質な読者代表。ふふ)
前作の『ワンダーボーイ』では最後にお母さんを探さないのが
ちょっぴり心残りでしたが、そのもやもやが解消した感じです。
韓国の時代背景を映しながらも
繊細なキム・ヨンス印のラブ・ストーリーに仕上がっています。
すべての謎が解けた後で、もう一度読み返すと本当によくできていて
ぞくぞくします。
そして何より衝撃だったのはカミラの母親が私と同じ年、っていうねー!
ラブ・ストーリーファンにも。
推理小説ファンにも。
そして、キム・ヨンスファンにも。
オススメします!!
怖くないですよ~。
読みたいけど、ちょっと・・としり込みする方には
わたくし特性「あらすじと登場人物マップ」をお送りします。