遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(335) 小説 蜃気楼(2) 他 ミャンマー愚者達 この愚行 ほか2篇

2021-03-07 12:00:22 | つぶやき
          ミャンマー愚者達 この愚行(2021.3.2日作)
 
 国民に銃を向ける
 この愚かさ
 自分達 自分が総て と
 考える 者達 この者達の 愚行 
 軍も 国家も 国民 在ってのもの
 国民無くして 存在し得ない
 それに気付かぬ 愚か者
 愚者達の 思慮の無さ 浅薄さは 嘲笑され
 批難 糾弾されて 然るべき 当然
 言い訳 講釈など 
 通用するものではない
 人の命を奪う どんな言い訳
 どんな理屈も 空念仏 

         ---------

 人の心を引き付けるには
 力より 心
 心の方が はるかに
 大きな効果を 持ち得る
 力に頼る権力者は 愚人 いつかは
 陽炎のように消えてゆく
 心は 眼に見えずとも
 人の身体に浸み込み 
 残る

         ーーーーーーーーーー

 言葉は心
 物事に対する 真の感情
 真実の思いを持ち得ない人の言葉は
 文法的にどんなに整い 美しく見えても
 人の心の真底 真実に 触れる力は
 持ち得ない
 言葉は心
 言葉は人 人を表す  



          ---------------



          蜃気楼(2)

「先生、わたしもデザインを勉強してみたいんですけど、出来ますかしら ?」
 仕事の合間の雑談の中で、明子は冗談めかして聞いてみた。
「ええ、出来るわよ。あなた、少し勉強してみたらどう ? なかなかいいセンスをしてるから。わたしの養成所に通ってやってみなさいよ」
 滝川裕子の口振りには、まんざらお世辞ばかりとは言えない力の入った響きがこもっていた。
「でも、わたしなんか、ホームドレス程度の物しか創れないんじゃないかしら」
 事実、明子には自信がなかった。
「そんな事はないわよ。やってみなさいよ。分からない事があったら、力になってあげるから」
 滝川裕子はなおも熱のこもった口調で言った。
「来年、四月に新学期が始まるので、やってみなさいよ」
 度重なる滝川裕子の勧めに明子もいつか、曖昧だった気持ちが動いていた。
 柚木正信とは、滝川裕子の新作発表会のMデパートの会場で久し振りに顔を合わせた。明子が食事をした夜の礼を言うと柚木は、
「こちらこそ、引き止めちゃったりして御免なさい」
 と言った。
 思わせ振りのまったくない、好感の持てる言い方だった。
 四月、新学期を迎えると明子は滝川裕子デザイナー養成所の夜間部に入学した。下関の実家で漁師をしている年老いた両親や、既に嫁いでいる二人の姉達に負担を掛ける訳にはゆかなくて、昼間は今まで通りに働きながらの入学だった。
 養成所の授業は二年の基礎学科と、更に二年の専科があった。専科に進むかどうかは自身の判断に任されていた。明子は取り敢えず、基礎学科をとの思いだった。専科へ進むかどうかはその後に考える積りでいた。
 滝川裕子の下での仕事は今まで通りに続いていた。柚木正信ともその場でしばしば顔を合わせた。別段、今までと変わった事はなかったが、柚木は誰に聞いたのか、
「滝川先生の養成所に入ったんだって ?」
 と言った。
「ええ、四月から」
 明子は単純に答えた。
「デザイナーになるの ?」
「ううん、そこまでは考えていないけど、滝川先生のお仕事を見ていて、なんとなく面白そうだったので」
 明子の本心だった。
 柚木は面白そうに笑顔を浮かべたが、
「そんな事をしているより、早く結婚して、幸せな家庭をつくった方がいいんじゃないの」
 と、冗談めかして言った。
 そのくだけた口調と共に明子はその言葉を、柚木の単なる軽い冗談だと受け止めていた。
 その翌日だった。その日、明子はMデパートの会場へ出向いた滝川裕子のお供をする事もなく、滝川事務所にこもったまま、こまごまとした仕事に追われていた。必然的に柚木と顔を合わせる機会もなくて、昨日の柚木の言葉を思い出す事もなかった。だが、仕事が終わって本社へ帰った時、柚木からの電話が掛かって来た。
「今日、会場で会えるかと思ってたんだけど、五島さんが見えなかったんで」
 と、柚木は言った。
「ええ、滝川事務所にここもりっきりだったもので」
 明子は言った。
「今夜、ちよっと会って貰えませんか ?」
 柚木は言った。その口調には、何処となく改まったようにも思える雰囲気があった。そして明子は何故かその時、敏感にその雰囲気を感じ取っていた。昨日の柚木の言葉が咄嗟に思い出された。 " 早く結婚して、幸せな家庭を作った方がいいんじゃないの "  
 明子は速まる胸の鼓動と共に、ためらい、悩みながら、煮え切らない気持ちのままに、
「でも、今日、これからお友達の誕生パーティーに行かなければならないので」
 と、咄嗟に思い付きの言葉を言った。
「誕生パーティー?」
 と柚木は言った。
「ええ」
「ああ、そうーーー」
 柚木は言った。明らかに気落ちした様子が感じられた。
「御免なさい」
 と明子は言った。
「いえ、構わないけど、明日は・・・・どうですか ?」
 柚木は未練が残るようだった。
「でも、養成所の授業もあるしーー」
 明子も気持ちの迷いを表すように言った。
「ああ、そうか。じゃあ、また、今度お会いした時に」
 と、柚木はようやく気持ちに区切りを付けたように言った。
 その声が終わるのと共に明子は受話器を置いた。
 胸の鼓動はなお、収まらなかった。柚木の口調から、柚木の口にする事が何か、自分の身に係わる大きな事のように思えてならなかった。そして気持ちの中には、自ずとそれを拒否したい思いが動いていた。

 Mデパートでの新作発表会に向けての最終的な打ち合わせが、柚木からの電話があった一週間後に行われた。
 その席は三塚レーヨン、Mデパート、滝川裕子側の三者揃っての会議の場だった。
 明子も上司と共に、滝川事務所に出向いた。
 Mデパートからも主任の柚木正信を始め、三名が出席した。
 明子は一度、資料を取りに本社へタクシーで戻った。
 柚木正信はその席では、個人的な事への素振りは一切、面に出さなかった。冷静に何時もどおりに仕事を進めた。その態度は誰の眼にも信頼に値する落ち着きと共に好感を持って迎えられた。和やかな雰囲気がその場に漲った。
 滝川裕子のアシスタント的役柄の明子は、そんな柚木とは自ずと距離を置く立場に自身の身を処していて、距離的にも接近しないように心掛けていた。心の中ではやはり、電話での柚木の言葉に拘るものがあって、すっきりと払拭されない気持ちと共に柚木に近付くのが怖いようにも思えた。
 会議は午後七時近くになって終わった。明子と上司は、Mデパート側の三人と一緒に滝川事務所を後にした。
 事務所を出て、エレベーターまでの廊下を歩いている時、発表会のあれこれに付いてしきりに言葉を交わしている上司とMデパートの二人に、ふと、距離を置くようにして柚木が後ろを歩いていた明子に近付いて来た。
「八時に、日本橋のたもとで待っているので来て下さい」
 と言った。それだけだった。
 



        -----------------

        桂蓮様

        いつも有難う御座います
        バレーのお話し 楽しく読ませて戴きました
        その様に余裕を持って御自分を観察出来るーー
        貴重な事ですね ともすれば誰もが
        自身には冷静に向き合う事の出来ないものですが
        自分を笑い飛ばす 心に余裕のある証拠です
         デザインも御勉強なさっていらっしゃったのですか
        多彩な才能に敬服するばかりです
         わたくしの書いた物の中の明子の話し
        多分 明子も初対面だったり、余り
        付き合いの無い人でしたら食事に誘われても
        行かなかったのでは と思います ですが 柚木とは
        仕事の関係で何度も顔を合わせていますし その日も
        ほんの少し前までは一緒に仕事をしていた関係で
        格別の違和感もなかったのではないでしょうか
        いずれにしても 気心の知れた仕事仲間という感覚で
        男と女という関係はなかったような気がします
         自閉症の話し 再読させて戴きました
        人との付き合い 心の問題 難しいですね でも
        誰もが どんな人もがみな それぞれに個性を持った
        一人の人間と認識して尊重しあえば この世の中も 
        もっと住みよくなるのかも知れません
        実際 今の世の中 嫌な事ばかりが多すぎます
        差別 貧困 暴力 心ある人は大方
        自分の殻の中に閉じこもってしまいたく
        なるのではないでしょうか 自分だけの世界を
        大切にしてゆきたいという思いに駆られるのも
        無理のない事かも知れません それにしても
        今の桂蓮様は御幸福そうに拝見出来 お羨ましい
        限りです 
         有難う御座いました 


        takeziisan様

        有難う御座います
        今回も美しいお写真の数々 楽しませて戴きました
        それにしても此方から比べると だいぶ自然が
        豊かなような気がします 野鳥の種類も多いようです
        カワセミは昔 わたくしの居た田舎でも
        滅多に見る事が出来なくて 土手の一隅にカワセミの
        巣があるという噂がたって みんながその巣を
        ほじくりまわし 駄目にしてしまった事があります
        当時もカワセミは見ていません 美しい鳥で
        憧れの鳥だったのですが
        「ビルマの竪琴」やはり安井章二です それにしても
        山村の小さな村と御謙遜ですが わたくしなどの居た  
        所よりはるかに開けていたのではないですか
        わたくしなど1里もある町の映画館でたった一度だけ
        日本が講和条約を結んだ時代にその記録映画が上映され
        担任の先生に連れられて観に行った それだけです
        あとは村の小学校の校庭などで時々 来る映画を観た
        だけでした 
         方言 是非 書き留めておいて下さい
        一時は 方言 方言とバカにしたように言ったものですが
        方言の美しさ それが失われてしまう事は非常に
        勿体無い話しです 方言は是非 守って戴きたいものです
        方言は美しい言葉です
         川柳 お見事です 是非 これからも掲載 お願い
        致します
        皮肉を言うには川柳が一番 是非 辛らつな作品を
        お願い致します
         最も 世の中にはその皮肉に気付かない「鈍」も
        数多くいますが
         いつも愚作にお眼をお通し戴き 有難う御座います