人は心 心は人(2024.1.10日作)
野生動物 一般的動物に 高度の感情 心は無い
高度の感情 心を持つのは 人間のみ その人間
人が人としての心を持つ人間こそが 最高の人間
学識 権力 財力 如何に優れていようとも
人が人としての心を持ち得ない人間は 最低 最悪
動物的人間 人は心 心は人
人の命を損ねる行為は
人間の種(しゅ)を断ち切る行為
人の世界を滅びに導く行為
悪の最たるもの
人の命を断ち切る事なく
悪の行為を断ち切る
悪の行為を断ち切る事で人は
何時の時代にも生きてゆける
生き続ける事が出来る
命 人の命はそれぞれ一つ 唯一つの物
唯一つの物が世界 この世界の
多様性を生み出し 形作る
多様性の失われた世界は
衰退の世界
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希望(6)
母親はそれでも怯まなかった。
「おまえがそう言ったって、わたしは父ちゃんの連れ合いなんだからこの家ば貰う権利があんだよ」
と、ふてぶてしく言い返した。
「有ったって無くたって、手前えなんかには渡さねえ」
修二は言った。
「バカを言うんじゃないよ ! おまえがそう言ったって、法律は法律なんだからね」
母親は修二の抵抗に苛立って紙袋から煙草を取り出すと、一本を抜き取って口に咥え、ライターを取り出した。
乱暴に煙草に火を点けてそのまま立ち上がり、仏壇のマッチの燃えがらの入った灰皿を手に戻ってきた。
修二には法律などは分からなかった。母親への敵愾心だけに捉われていた。
その敵愾心のままに修二は母親に向って、
「手前えなんか、さっさと男の所さ帰えりやがれ !」
と言い放つと荒々しく背を向けて次の間へ行き、服のまま敷きっ放しの布団にもぐり込んだ。
母親が初めて見せた煙草を吹かす商売女の仕草が一層、修二を苛立たせた。
「帰ろうと帰るまいと、わたしの勝手だろう。ここはわたしの家なんだよ。わたしがここに居てどうしていけないんだいよう!」
母親は修二に背中を向けたまま、立て続けに煙草の煙りを吐き出していた。
苛立っている事が明らかだった。
修二はそんな母親を無視して頭から布団を被ったまま動かなかった。
それからの母親に付いては全く分からなかった。何かを呟きながらしきりにごそごそやっている音だけを耳にしていた。
どれだけかの時間が経っていた。ふと気が付いた時には、静かになった母親の鼾の声だけが聞こえて来た。
修二は布団からそっと頭を出して覗いて見た。
母親は腕枕をして横になっていた。
傍には祖母の葬儀に届いた酒の 一升ビンが半分ほどの中身を残して置いてあった。
足元には煙草の吸い殻で一杯になった灰皿があり、ライターが転がっていた。
瞬間、修二の頭に閃くものがった。
鮮やかに一つの情景が浮かび上がった。
あいつを焼き殺してやる !
母親への憎悪と怒りの感情だけが沸き立っていた。
後先への 思いは全く浮かんで来なかった。
修二はそっと布団を抜け出すと、足音を忍ばせて母親の傍に近付いてライターを手にした。
迷いは微塵もなかった。酒に酔い、寝込んでしまった母親の煙草の火の不始末が出火の原因だと言い通せる自信があった。
母親の傍には自身が持って来た書類に混じって、家の戸棚から探し出したらしい書類も散らばっていた。
火を点けるには絶好の条件だ !
古い木造家屋なんてたちまち火に包まれてしまうだろう。
その時になって気が付いた。
自分はすぐに逃げ出せるように必要な物を揃えて置かなければ・・・・
さして手間の掛かる事ではなかった。
アイドル歌手、高木ナナのサイン入り色紙とポスター写真、デビュー曲のCD、それに祖母が死んだ時に貰った香典などの大事な物は総て、中学生時代に使っていた布製の肩掛け鞄に入れて、小さな木机の上に置いてあった。
生活に必要な現金は何時もジャンパーの内ポケットに入れて持ち歩いていた。
この二つを持ってすぐに飛び出すのだ !
準備が整うとそっと母親の傍へ近付いた。
この二つを持ってすぐに飛び出すのだ !
準備が整うとそっと母親の傍へ近付いた。
息を殺して母親の寝息を窺った。
母親はほんのりと赤くなった酔いの廻った顔で眼を閉じ、相変わらず深い寝息を立てていた。
修二は母親の寝顔に眼を向けたまま、そっと手を延ばしてライターを取り上げた。
続いて散らばっている書類を集めて灰皿の傍に寄せた。
初めに火を点けたのは灰皿の中の吸殻だった。続けて寄せ集めた書類にも点けた。
火はたちまち炎を上げ、瞬く間に燃え広がった。
その火を見詰めたまま修二はじっと動かなかった。
炎が畳に燃え移るのを確認してから、急いで次の間へ行って布団の中にもぐり込んだ。
布団の中から畳に燃え移った火が更に広がるのを見詰めていた。
母親は足元にある書類が炎を上げ、畳に燃え広がっているのにはまだ気付かなかった。
何時、母親が気付くのか、修二は息を詰めて見守っていた。
母親が気付いてから飛び出すんだ !
それまでの我慢だと思った。
それでも更に広がる火の勢いに圧倒される思いで不安は増した。
じりじりする思いでその時を待っていた。
突然、母親が飛び起きた。
母親は一瞬、何が起こったのか分からない様子でキョロキョロしていたが、すぐに畳みを焦がして燃え広がる火には気付いて立ち上がった。
「火事だ ! 火事だあ ! 火事だよお」
形相を変えて叫び出した。
「修二 ! 火事だよう、火事だよう」
修二はその声と共に布団を飛び出した。
後は段取りのままに行動すればよかった。
鞄とジャンパーを手にするとそのまま玄関へ走った。
玄関の鍵は掛かっていなかった。引き戸を押し開いて外へ飛び出した。
母親がどうしたのかは分からなかった。
火は既に家の中の障子などにも燃え移っている様子が外からでも確認出来た。
間もなく母親が飛び出して来た。
母親のスカートの後ろが半分燃えて無くなっていた。
母親が必死になってその火を振り払っている様子が想像出来た。
それでも母親には大きな火傷などは無いようだった。大きな声で、
「火事だあ、火事だあ」
と叫んでいた。
まず、隣りの家のお父つぁんが来てくれた。
近所の人達も次々に来てくれた。
それでも消防団の人達が来た時には家の半分以上が燃えてしまっていた。
消火作業が終わった時には、黒く焼け焦げた家の骨組みだけを残して、総てが灰になっていた。
祖母の遺骨は骨壺が壊れ、焼け跡では見分けが付かなくなっていた。
父の遺影も祖母の遺影も燃え尽きていた。
翌日、修二と母親は警察の取り調べを受けた。
放火の疑いは掛けられなかった。
修二の思惑通り、タバコの火の不始末が出火の原因と認定された。
酔って寝入ってしまった母親には、その決定に反論が出来なかった。
修二に取っての唯一の誤算は、母親を焼き殺す事が出来なかった事と、父親と祖母の遺影、遺骨を持ち出すのを忘れていた事だった。
小さな火傷を負った母親は医者の手当てを受け、その日のうちに修二を伴って自宅の焼け跡へ帰り、形ばかりの後始末をした。
その日はそれで終わった。
「今夜は丸山さんのところで寝させて貰いな」
母親は家を失った修二に、自分が同棲している男の名前を言って勧めた。
修二は返事をしなかった。
夕闇の迫る中、母親の眼を盗んでバスの停留所へ行くと最終に乗って駅へ向かった。
ジーゼルカーの終点駅にある享栄市は修二がいた町から二時間十分程の距離にあった。
修二が到着した時には既に夜の九時を過ぎていた。
それでも街はまだ、都会の夜の華やぎを見せていた。
北川は修二がマスターの店で働くようになってから二度目の土曜日、午前零時過ぎに八十七台の車を連ねて中央通りを下って行った。
相手のチーム、<ブラックキャッツ>が自分達のエリア、領域に侵入するのを防ぐ為だった。
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桂蓮様
英文だけの文章 英語の素養のない者には
やはり ちよっと難解ですが 前回 和文を拝見していますので
大方の事は分かります
市民権を得て 今年は早速の大きな選挙 大統領選
まだ始まったばかりですすが 連日 注目して見ています
何しろ世界に対しての影響力の大きい国 注目せざるを得ません
再び あの品性も素養も素質もない人間が大統領に着く事だけは
他国にいる者としても どうしても避けて貰いたいものだと思っています
世界中に影響して来ます
いつも冒頭のお写真で拝見する豊かな自然
身の周りにこのような環境があるという事は羨ましい限りです
国土の三分の二を山々で埋め尽くされた日本にも無論
豊かな環境は有ります それでも都会に生きる者達の周りに
そのような環境を日常的に見い出すのはなかなか難しい事です
お住まいの所がどのような場所なのかは分かりませんが
身近に広がる豊かな自然の中で自身の人生を生きる事の出来る境遇を
羨ましく思います
御忙しい中 何時も御眼をお通し戴き 有難う御座います
御礼申し上げます
takeziisan様
今年も始まった新しい年
今更 改まった感慨 抱負もありませんが とにかく
無事に 元気で と自身願うばかりです
今年も楽しい記事 拝見 楽しみにしております
どうぞ 御無理のない所で御続き戴ける事を願っております
水泳 帰って来ての一杯の梅酒 心の満足感
日常のこの喜び 人生 最上の喜びですね
わたくし自身も日々 習慣にしている事を怠ると
何か忘れ物をしたような気持ちで心が落ち着きません
それだけに自分に課している水泳のあとの梅酒の一杯の満足感
気持ちに染み渡って来ます それにしても
この地球上には こんな小さな喜びを享受する事の出来ない人々が
如何に多く居る事か・・・
連日のテレビ ラジオ 新聞での悲惨な報道
いい加減にしてくれと言いたくなります
毎日毎日 愚かな人間どもの傲慢な姿を見せつけられる事には
うんざりです
寒山寺 良い思い出てすね 渡辺はま子 山口淑子 北原謙二
みんな若く 懐かしさばかり 昭和は遠くなりにけり です
お鉢 焼きおにぎり 大根っぱ 菜めし
わたくしの方では大根の葉を干してふりかけにしていました
これも懐かしい昭和の思い出です
まあ 読んだ事 ! これだけの読書に
視力が耐えられるとは御立派です
何時も有難う御座います
御礼申し上げます。