昔通っていたキックボクシングジムのチャンピオンが、なんと東京マラソンに出るというので、日曜日はテレビに釘付になっていた。しかしトップ集団に、らしき人物が見当たらない。第二集団にもいない。探すのは簡単なはずなのに! 忍者、財津マン、忍者、財津マン、血ナマコで探す。もしかして? 忍者の彼は、トップでテープを切ったエチオピア人のアベベに入れ代わっていたのかもしれない。
ところで昨日、70歳を超える彼らもさすがに今回が最後だろうと、彼らがくたばる前にいま一度だけ観ておこうと思って東京ドームに行った。
一緒に行く予定だったアニキンが、爪楊枝をくわえた拍子に漏らしてしまい、急きょ行けなくなった、という知らせ。う~む、唸った。仕方なく爪楊枝代わりにキープしてあったストーンズ音痴の我妻さんに声をかけた。
2/26東京ドーム『転がる石』公演。18:30開演。S席25ゲートE12ブロック2列6番。
「うへー! こんな後ろだよ」アリーナでも、随分と後方の席だった。
「遅い~よ~!」18:30開演なのに19:00になってもまだ出てこない。――今何をしてるんだ? 腹痛くてトイレで踏ん張ってるのか?――などと、僕はあらぬ憶測を浮かべていた。
今回が六度目の日本公演だというが、僕はこれで三度目。
ゴリラ顔のミック、オオカミ顔のキースとロン、熊のプーさん顔のミックテーラー、平たい顔のチャ-リー。
メロディーよりもシャウトが持ち味のミックジャガーの一人ぼっちの世界から始まり、最後はサティスファクション。途中、禁煙であるはずの東京ドームの中で、ロン・ウッド一人がタバコをくゆらせギターリフを弾く。また、かつてのメンバーだったミックテーラーも参加。
突き出しの特別ステージにミックがやってきた。これは思ってもみなかったラッキーなシチュエーション。シワの数とその深さを観察出来るくらいの距離で見れたのは、僕の中では大きな収穫だった。
彼らが醸し出す独特の雰囲気とサウンドは、二時間僕を魅了し続け素敵な一夜を過ごせたのである。結局、ストーンズ音痴の我妻さんはサティスファクションしか知らなかった。
ミックジャガーをジャガー横田のプロレス公演と間違えていたアニキンがメールをよこした。
「肉じゃがの歌は良かったかい? 寂しい思いをさせてごめんね」
ん? なんじゃ? 肉じゃが? ああ^^、またダジャレか~~~!^ ^;;
彼は余生を『ダジャレ爺さん』の称号を得て過ごそうとしているようだ。若い頃は、イチがダジャレ王子と呼ばれて君臨していた。しかし彼は今はもういない。だからアニキンにとって今がチャンスなのだ。!^ ^;;