ぐーちゃんgoo日記

ぐーちゃんgoo(倶輔丼)の独り言、つぶやき。

R4年11月26日(土)軽井沢万平ホテル

2022-11-26 16:33:15 | Weblog

若い頃ビートルズに憧れバンドを始めた僕は、ことさらジョンレノンが好きだった。惜しいかな彼は若くして亡くなった。それを思い出すと今でも惜別の念に堪えない。

その後本屋で彼の本を見つけた。そこにストローベリーフイールズとジョンレノン。どこか自分の生い立ちに似て非なるものを感じた。後にオノヨウコと結婚した二人の間にショーンが生まれた。

本には万平ホテルのアルプス館128号室で過ごした日々、本館のカフェテラスそして離山房のことも綴られていた。

仕事に追われ人生を振り返る機会がなかった。五十の年齢を迎えた頃、旅行に行けるくらいの余裕ができた。そんな折り思い出したのが軽井沢万平ホテル。

初めてここを訪れた時だった。写真で見たことはあったが実際目にしたときは抑えきれない感動と興奮を覚えた。壮大で貫禄があり歴史を紡いできた重みを感じた。

それから度々ここを訪れるようになった。百年に一度の大雪のその当日にも訪れた。また紅葉の中に映える瀟洒な建物など、四季折々の変化を楽しめるのがほんとに素晴らしい。

ここに来ると必ず訪れる資料室。そこにはホテルの歴史が記されている。ここを創業したのは佐藤万平。余談だが僕の祖先は佐藤万蔵、、あれ?、、、いや、同じなのは苗字だけか(笑)

そして寂れたピアノが置いてある。鍵盤がいくつも取れている。ジョンレノンはきっとここでイマジンを弾いたんだろうと思ってその気になって真似てみた。メロメロの調律で見事な和音が奏でられた。そしてカフェテラスと館内の窓際の角テーブルはジョンのお気に入りと聞いた。そこが空いていると必ず座る。ジョンになった気分が味わえる瞬間。

近年体調を崩すことが多くなりここを訪れる想いは日に日に募っていた。先日少し体調も良くなり、やっと行く機会に恵まれた。万平ホテルの醍醐味の一つはディナー。その中心は肉。だが僕にとってそれはそそり立つ断崖を登るようなもの。代わりに消化の良いものに代えられないかとお願いしたところ快く鮎のムニエルに変更してくれた。

帰途に就く道すがら離山房に寄った。残念ながら店内はコロナで利用できずカフェテラスでのコーヒータイムとなった。傍にある東屋そして欅の木に記したショーンの丈比べの跡は今でも健在に残っている。

※最後までご精読いただきありがとうございました。筆者・俱輔丼こと静翔

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R4.11.12(土)遠い昔のフォルム(3)

2022-11-12 14:22:38 | Weblog

小学校の四年の夏。加藤、山本そして僕の三人は探検にいった。かつて防空壕として使用されていた元味噌工場の跡地の洞穴。行くにはまずそこにはびこるおびただしい量の雑草を突破していかなければならない。それはアシのような茎の堅い草だった。それでもゆっくり掻き分け進んでいった。その途中、加藤が「うえっ」という奇妙な声を上げた。「なんかぐにゃっとしたものを踏んだ」眉を吊り上げ情けない顔をしていた。そして片手で僕の肩につかまり「ちょっと見て」と片足を上げた。後ろにいる山本が靴の底を眺めた。「なんだこれ、ばばじゃねーか? 黒っぽい色してる、それに何となく臭う感じ」「なんだよ、ばばって」「うんちのことだよ、な?」山本が僕を見て笑った。僕が山本に「ちょっと嗅いでみな」「やだよ」「おーい変なこと言うなよ」加藤が泣きそうな顔して「もう戻ろうぜ」「おまえ、うんちごときで帰るのか」「だってよ……」「違うよ、冗談だよ、うんちじゃない。冗談、冗談」山本は笑いながら加藤をなだめた。

やがて板に塞がれた入り口が現れた。一見頑丈そうに見えたが板は簡単に外れた。間口は1mくらい。三人は目で合図した。入っていく順をじゃんけんで決めることにした。勝った者が自由に選べる。

その結果、僕は真ん中、加藤が先頭で山本が最後尾。先頭の加藤が懐中電灯をかざした。ちょっと緊張の瞬間だ。五感を研ぎ澄ましゆっくり入っていった。微かに土と埃の匂いがした。それも一瞬だった。ほとんど無臭に近い。壁面はごつごつしていてぬめった感触がある。10メートルほど進んだ。まだ何とか外光の明かりがギリギリ残っている。

そこで異変が起こった。

 

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