昔から僕はなんでも中途半端だった。極めたものなど何ひとつない。
ガットギターを買ってもらってギターを始めたのは中学生。手の中にネックが収まりきらず、やっと禁じられた遊びを見よう見まねで練習し、なんとなく弾けるようになった。実際は、途中からコードが変わるのだけどそんなの関係ない。だから一本調子のまま。
巷じゃベンチャーズが流行っていた。僕の持っているギターと種類が違うことを知り今度はエレキギターを買ってもらった。テレビでは勝ち抜きエレキ合戦が始まって釘付けになった。サベージが優勝した。次にビートルズが出てきた。「抱きしめたい」のレコードを買った。日本ではGSが流行り始めタイガースの「僕のマリー」を買った。楽譜の本を買ってきてコードを覚えた。何とか歌いながら弾けるようになった。でも、どこかいつも中途半端。それ以上極めようとはしなかった。
高校は進学クラスでみんな受験勉強に励んでいたからを僕も頑張った。大学は現役合格した。でもその途端に熱が冷めた。次にモテたいが為にバンドを始めた。その時の熱量は最高の沸騰店にあった。大学を辞めてこの音楽界での成功を期した。そこに達するにはあらゆるチャンス、運、コネクションそしてタイミングなどすべてが嚙み合わないと成しえない。最後はオウディエンスが決めることだった。
to be continued