サンシャインの中にある自由空間ソラリウムに行った。そこは度々利用している。
受付の女の子の屈託ない笑顔がひとときの癒やしを与えてくれる。
周りは大きなガラス窓に囲まれ、そこから近くの公園に群生する木々、大小折々のビルなどが見える。解放感は満開でアロマの香りが鼻腔をくすぐる。
ここの室内はうちの事務所の七~八倍ほどある広い空間に今は六人が各々仕事をしている。実に静かである。各々使い方は自由だが主にテレワークで使う人が多い。
隣りにカフェがある。そこでカフェラテを注文する。
薄茶色したコーヒーの中に、白いハートマークがバッチリ決まっているのは度々目にするが、今日のカフェラテはそうではなかった。フタを取ってみて思わずニンマリした。
ハートはハート。
シンメトリーなハートが完成形というのなら、これは明らかにアシンメトリーなハート。
それはハートマークの右側が大きくて左側が小さい。そして白の縁から徐々にグラデーションでハートマークは薄茶色に沈んでいく。見ようによっては歪んでいる、乱れていると捉える向きもあるだろう。しかし僕の目にはアンバランスであるが故の味を感じ、とても魅力的に映った。
ここでいつも悩むのは、どこから口をつけたらいいかという問題だ。
作った女の子に訊いたことがあった。すると困った表情の笑顔が返ってきた。
結局僕は、ハートの一番下の鋭角部分から飲み始めた。