「亡くなった和ちゃんがね、『幸子、あんたね、いざと言うときのために、パンツは一番上にしとかなくちゃだめだよ』って言うから、『また和ちゃんイヤラシイ!』と返したらね、『馬鹿だねあんた何考えてるの、そうじゃなくて、あんたオシッコしたいとき困るでしょう、すぐにパンツ脱げないと、漏らしちゃうじゃないの! 一度あるのよ、私。焦る、焦る、もうダメ我慢の限界、、、、ってところで間に合わなくて……ジュルジュル――。それ以来必ずパンツは上にして履くようにしているの』って笑ってた」
あははと笑って聞いてた僕に、
「みっちゃん、みっちゃん、大丈夫? そういう経験あるんじゃないの?」
と、振ってきた。
「えー?」と少し考え、
「ま、無きにしもあらず、かな? でも、やっぱし一枚一枚、上と下を交互に重ねてるよ。特に冬なんかそーしないと寒いから」
「そういえば、今の子はもう歌わなくなったけど、『みっちゃん、道々、………たれて、紙がないから……♪』って、からかわれなかった?」
「あったね。そういうの。でも俺も一緒になって歌ってたよ。昔はそんなに陰湿でなかったから」
法事と言うのは、ある意味いいものだ。昔のことを思い出し、あれやこれやと、四方山話に花が咲く。